今回は、中島聡さん著の『メタトレンド投資』を紹介していきます!
中島さんは、世界的なプログラマーとして知られており、Windows95を設計した伝説の日本人として知られています。
プログラマーとしても大きな功績を残されておりますが、それに加えて投資でも、2014年にエヌビディアに投資をして30倍、2004年にアップルに投資をして90倍という驚異的なリターンを叩き出しています。
本書では、今投資家としても大きく注目されている中島さんによって、10倍株、100倍株を引き当てる、メタトレンド投資について解説されています。
この記事では、その本書の中から、メタトレンド投資とは?メタトレンド投資の大まかなやり方、推しの企業へ投資しろの3点について紹介していきます!
メタトレンド投資の要約
メタトレンド投資とは?
これまでの投資手法といえば、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析が主要でした。
この2つの手法については、様々なところで解説されていいますし、
これまで投資手法といえば、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析が主要な手法でした。
この2つの手法についての詳細は今回は省略しますが、どちらも成果を上げている人が一定数いる手法であることに間違いありません。
しかし、それはほんの一部の人であって、世界中の一流アナリストや投資ファンドが総力をあげても、短期的な株価の値動きを正確に予測し続けるのは不可能に近いことなのです。
実際に、投資の専門家チームが総力をあげて運用しているアクティブファンドのほとんどが、市場の平均と連動するインデックスファンドのパフォーマンスに劣るという事実があります。
そこで、第三の投資手法として、本書で紹介されているのが、メタトレンド投資です。
まずメタトレンドとは、メタ=高次のとトレンド=流れを組み合わせた造語です。
そして、メタトレンド投資とは、社会構造の激変や構造の再編、テクノロジーの飛躍的な進歩などが生み出すメタトレンド、つまり時代の巨大なうねりを早い段階でとらえ、しかるべき企業に投資し、その長期的な成長を狙う手法であると、本書で書かれています。
これまで、スマートフォンやAIの登場など、世界を大きく変える、大きな変化がいくつも起こってきました。
その大きな変化を起こす企業に早く投資をすることができれば、10倍、100倍といった成長を狙うことができるのです。
そして、このメタトレンドは、専門家だけが予想できるものではなく、身近なところにも、情報やヒントは転がっているのです。
実際に著者も投資をしているNVIDIAは、AIブームにより、2023年初頭以降に株価が急上昇しました。
2022年ごろの株価は約14ドルほどでしたが、生成AIにはNVIDIA製のGPUが不可欠ということで一気に注目を集め、その後株価は10倍近くまで成長していきます。
NVIDIA製のGPUは、このAIブームがくる前から製造されていましたし、2022年以前から、これからはAIの時代がくると言われていました。
そのため、NVIDIAの株価高騰は急にきたように思えますが、実は前触れはその前からあったのです。
またアップルの株価は、2025年1月時点で245ドルを記録していますが、2007年に初代iPhoneが発表された当時は、まだ3ドルを上下していました。
もしその当時に投資をしていれば、100倍近くになっていたわけです。
そして、当時の初代iPhoneも、一部の特別な人だけが手にすることができたわけではなく、一般の人も新製品発表会はチェックすることができましたし、ショップに行けば実際に手に入れることができました。
そのため、一般の人であっても、スマホの時代がくるというメタトレンドに気づくチャンスはあったのです。
もちろん、これは「もし〜していたら」という仮定の話であり、いくらこんな話をしたとしても意味がありません。
しかし、メタトレンド投資であれば、これから10倍、100倍へと成長していく企業を見つけられる可能性があるのです。
そして、メタトレンド投資では、短期的な売買を繰り返して利益を狙っていくのではなく、10年単位という長期的なって視点を持って投資をしていきます。
そのため、毎日株価を見て一喜一憂することはありません。
さらに、メタトレンド投資は、実際にメタトレンドが実際に起きて、多くの人がその変化に気づき始めてから投資をスタートしても遅くないのです。
実際に、NVIDIAのCEOが2018年にAIに本気で取り組むことを明らかにしたことで株価が徐々に上昇しましたが、2018年末ですら株価は3.34ドルだったのです。
またiPhoneが登場したのは2007年ですが、そこからスマホが普及するのには、10年近くかかっています。
2007年から3年経った2010年の株価を調べてみると、大体7〜11ドルであり、この時に買っても、まだ10倍以上の成長を達成できていたのです。
メタトレンドとは、一夜にして世界をいっぺんさせるものではなく、徐々に火がついて、勢いが増し、最終的に社会全体を大きく変えるものなのです。
だからこそ、メタトレンド投資は、少しブームに乗り遅れたとしても、十分に成長を狙うことができる投資なのです。
メタトレンド投資のやり方
本書では、メタトレンド投資のやり方が細かく解説されておりますが、全てを紹介すると、とても長くなってしまうので、まず押さえるべき大まかなポイントを紹介していきます。
メタトレンド投資では、メタトレンドに乗りそうな企業を複数押さえておきます。
そのうち、1社でも10倍以上に成長する企業が出てくれば、NVIDIAやAppleのような株を引き当てることができるのです。
またメタトレンド投資では、最初から大金を突っ込むということはしません。
まずは、少額のお金のみで、唾をつける程度にしておくのです。
将来10倍、100倍に成長する見込みのある企業なのだから、最初から一気に突っ込みたいと思われるかもしれません。
しかし、メタトレンド投資は、10年、20年という長期的な視点で、大きく跳ね上がる可能性のある企業に投資をするため、初期段階では赤字経営であったり、市場シェアがまだものすごく小さいこともあり、先行きな不透明なことが多いです。
そのため、最初から大金を突っ込むと、投資先があっけなく倒産してしまうなんてこともあるのです。
だからこそ最初は、ゼロになってもいいと思えるほど小さな額から投資をするのです。
そして、事業が徐々に成長し始めて、「やっぱりこの企業は成長する」と確信が持てたタイミングで、投資額を増やしていきます。
また本書では、メタトレンド投資を始める段階で大切なのは、投資の額よりも、いかに当事者意識が持てるかであると書かれています。
少額でも投資をすることで、自分も株主になったという事実によって、その企業のニュースや活動を自分ごととしてとらえられるようになります。
それによって、これまでは目や耳に入ってきても、特に注目することがなかったニュースや情報が身近に感じられるようになるのです。
さらに、その業界全体や競合他社の動向の情報も気になるようになり、どんどんと情報のアンテナが広がっていくのです。
そして、半年や1年間など、ある程度の期間、投資した企業を様子見して、もし思ったよりも業績が伸びない、またその企業には確信が持てないと思えば、その段階で潔く売ります。
逆に、この会社はもっと伸びると思ったところには、買い増していくのです。
これを繰り返していくことで、最終的に手元には、自分が確認を持てた本命の企業だけが残ります。
このように、メタトレンド投資のやり方は、決して複雑なものではなく、シンプルなものです。
しかし、メタトレンド投資をする上で、絶対に欠かせないポイントがまだあります。
それが、次に紹介する、推しの企業へ投資をするということです。
推しの企業へ投資せよ!
皆さんには、日々の生活の中で、これは絶対になくなっては困る、毎日使うのが当たり前になっているというものはないでしょうか?
私の場合は、最近、SHOKZの骨伝導イヤホンを購入したのですが、骨伝導イヤホンにしてから、会話をするときなどに、いちいちイヤホンを取り外す必要がなくなり、手放せないものになっています。
おそらく皆さんの中にも、そういったモノやサービスがあるはずです。
まずは、そういったあなたの生活に欠かせないモノやサービスを提供している企業への投資を検討することが、メタトレンド投資の第一歩になります。
メタトレンド投資では、10年単位という長期スパンで投資を続けていきます。
そのため、その企業に愛着が持てなかったり、応援できないと、長期的にホールドすることが難しくなってしまい、ちょっと暴落したくらいで、すぐに手放すようになってしまいます。
そして、また株価が回復して、さらなる成長を遂げた時に、「あの時に売らなければよかった」と後悔をすることになるのです。
また、自分の推しの企業へ投資をすることで、単なる消費者から、その企業の成長を共に目指す仲間になることができるのです。
著者の推しの代表格は、アップルとテスラだと本書で書かれていますが 、両者の商品やサービスを実際に体験し、強く魅了されたことで、投資をしたそうです。
そのため、メタトレンド投資において、まず大切なのは、その企業の推しになることです。
もし今生活の中で使っているモノやサービスを提供している企業以外の、自分にとって新しい分野へ投資をする場合には、必ずその企業が提供しているモノを体験することが大切です。
実際に体験してみることで、「この製品は今後世界を大きく変えるぞ」と、実際に肌で感じることができます。
逆に使ってみてイマイチであれば、その企業への投資をやめるという判断をすることもできるのです。
また、イーロン・マスクに惹かれて、テスラに投資をしているという人も多いかと思いますが、その企業のCEOのカリスマ性に惹かれた、この人なら世界を大きく変えてくれそうだと感じたなら、その企業を推す理由になります。
このように、製品やその企業のCEOなど、体験をしたり、情報を集める中で、「この企業なら世界を大きく変えてくれる」というところが見つかれば、そこに長期投資を続けていくことで、10倍、100倍と成長する企業を引き当てることができるのです。
さらに、実際に推しの企業へ投資を続けていく中で、その企業の進む方向が変わったなどの理由で、推せなくなったということがあれば、そのタイミングが売り時になります。
実際に著者は、Meta社の株を保有していた時期があったそうですが、メタバース事業に傾倒し始めたことに強い違和感を感じたため、全株売却したそうです。
消費者としても使用しているからこそ、そのサービスや製品への魅力が薄れてしまったり、その企業やCEOを応援する気持ちが薄れてしまったら、その企業の株を持ち続ける理由も消滅してしまうため、売りのタイミングになるのです。
そのため、メタトレンド投資においては、単に株式投資で儲けられるかどうかという視点だけでなく、自分がその企業のファンになれるか、推せるかどうかも考えることが大切です。
本書では、実際に著者が株式を保有している企業の推しになった経緯や、判断基準が詳しく解説されておりますので、メタトレンド投資に興味があるという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。