今回は、雑栗わかるさん著の『もしもこの世界からお金がなくなったら』を紹介していきます!
皆さんには、常にお金の不安がある、お金のことばかり考えてストレスを感じるといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書の著者である雑栗さんは、世の中のことや世界の仕組みをわかりやすく説明するyoutubeチャンネルを運営されており、現在チャンネル登録者数は7万人を超えています。
本書ではそんな著者によって、なぜ私たちはお金の不安を抱えてしまうのか、またその不安から解放されるためにはどうすればいいのかが解説されています。
この記事では、その本書の中から、お金の不安は2つの思考から生まれる、なぜ私たちはお金に依存するのか?、お金の悩みを消す方法の3つについて紹介していきます!
もしもこの世界からお金がなくなったら
お金の不安は2つの思考から生まれる
お金は私たちを幸せにしてくれるものなのか、それとも不幸にしてしまうものなのか、皆さんはどちらだと思いますか?
お金を使うことで、欲しいものが買えたり、美味しいご飯が食べれたり、旅行ができたりすることができます。
そのため、お金は私たちの人生に豊かさをもたらしてくれます。
一方で、「お金がなくて生活が苦しい」「老後のお金が不安だ」「生活のために辛くても働き続けなければいけない」といったように、お金に対する不安や心配を抱えている人が多くいることも事実です。
このように、お金は私たちの生活を豊かにしてくれるものでありながら、私たちを不幸にもしてしまい、矛盾を持っているのです。
では、なぜお金で人は不幸になってしまうのか?
本書では、まず不幸とは思考の一種であり、満たされていないという思考や感情のことであると書かれています。
そして、お金の不幸を生み出してる思考には、大きく次の2つがあります。
①お金を稼ぐことは辛くて苦しく大変なことだ(苦痛)
②お金を稼がなければ幸せになれない(満たされない)(依存)の2つ
『もしもこの世界からお金がなくなったら』より
まず、一つ目の思考である、①お金を稼ぐことは辛くて苦しく大変なことにことですが、多くの人は、子供ころから、お金を稼ぐことは大変なことだという考えを刷り込まれてきたのではないでしょうか?
私は幼少期に両親が離婚したことで、母子家庭で育ってきたのですが、母親からはよく、「あなたの養育費を稼ぐのに、どれだけ大変だったと思っているの」と言われた記憶があります。
また、祖父母からは、「お母さんは仕事で大変だからね」と何度も言われて育ってきました。
私のように母子家庭で育っていなかったとしても、「お金を稼ぐことは大変なことなんだよ」と言われたことがある人は、かなり多いのではないかと思います。
このお金を稼ぐことは大変だという考えは、両親以外にも、学校や周りの大人など、多くの人が口にしているため、知らず知らずのうちに私たちの脳に刷り込まれてきてしまっています。
そして、多くの人は、お金を稼ぐために、週に5日、人によっては6日と、ほとんどの時間を辛く大変な仕事に費やしているのです。
とはいえ、お金を稼ぐことは大変なこと、辛いことというのは、多くの人が持っている考えであって、事実ではありません。
どんなことにも大変なことはありますが、中には、好きなことをしてお金を稼いでいたり、辛いことをしなくても、お金を稼いでいる人もいるわけです。
そのため、お金を稼ぐことが苦しいことなのではなく、先に私たちの中に、その苦痛という思考が刷り込まれてしまっているのです。
そして、私たちはお金を稼ぐために、苦しく辛く大変なことを仕事として選択している。
その結果、自分が想定していた通りの、辛く苦しく大変な仕事が現実化してしまいます。
この状態が続いてしまいと、だんだんとお金がもらえるのであれば、苦しいことも我慢できるようになってしまいます。
そして、お金を最優先にする価値観に偏りがちになってしまい、本来大切にすべき自分自身の心や身体よりもお金を優先するような選択をするようなってしまうのです。
もしかしたら中には、お金を稼ぐことを優先して、長時間仕事を続けた結果、体や心を壊してしまった経験がある方もいるかもしれません。
私たちの人生を豊かにしてくれるものであるお金を稼ぐために、心や体を壊していては本末転倒になってしまいます。
では続いては、お金の不幸を生む2つ目の思考の、お金を稼がないと幸せになれないですが、これはお金が力を持ちすぎた結果、生まれてしまう思考です。
特に日本人は、この30年間という長い間、デフレにさらされていました。
デフレ下では、モノに対して、相対的にお金の価値が上がっていきます。
そして、お金が力を持ちすぎると、お金の前にひれ伏してしまう人が増えると同時に、お金を使えば人を使っていいと考える人も増えてしまうのです。
最近では減ったかもしれませんが、飲食店などで、「自分は客だぞ、お金を払っているんだぞ」といばる客がいることが話題にあがっていたこともありました。
モノやサービスを提供してくれる人がいるからこそ、我々はそれを享受することができているのに、お金が力を持ちすぎていると、お金を支払う側の方が立場が上であるという考えが生まれてしまうのです。
そして、仕事を選ぶ際にも、何をするかよりも、いかに稼げるかが重要視されるようになり、稼いでいる人が偉くて、収入が低いと負け組だという風潮ができてしまっているのです。
ここまで紹介してきたように、お金が人を不幸にするのは、お金を稼ぐことは苦しくて辛くて大変なことだ、お金を稼がなければ幸せになれないという2つの思考が原因になっています。
この2つの思考が複雑に絡み合うことで、さまざまなお金の不幸が発生してしまいます。
そして、私たちはお金に依存するようになり、お金に振り回されながら生きるようになってしまうのです。
では、続いては私たちがお金に依存せざるおえなくなっている理由について紹介していきます。
なぜ私たちはお金に依存するのか?
私たちの生活は、お金なしでは成り立ちません。
お金がなければ、住むところが確保できない、電気やガス、水道が使えない、食事ができないなど、生きていく上で必要なことができなくなってしまいます。
他にも、スマホが使えない、好きなことができないなど、お金がないことで不自由になることが多くあると思います。
このように、お金を稼ぎ続けなければ生活が成り立たないということは、お金に依存しているということなのです。
では、なぜ私たちは、こんなにもお金に依存するようになってしまったのか?
それは、お金で買うことができる便利なものに依存しているからであると本書で書かれています。
便利なものとは、あると助かるモノですが、それがあまりにも生活の中に浸透してしまうと、ないと困るモノになってしまいます。
代表的な例を上げると、スマホだと思います。
スマホがあることで、すぐに調べものができますし、連絡を取ることができ、とても便利です。
しかし、私も含め、多くの人にとって、便利なものというよりは、すでになくては困るものになってしまっていると思います。
そして、スマホのようなあると便利なものからないと困るものがどんどんと増えていき、そういったものに溢れた生活をするようになるのです。
便利なものを買うには、当然お金がかかります。
そういった、便利なもの、ないと困るものを手に入れ続けるために、お金に依存していくのです。
便利なものには、次の3つの要素があります。
①時間や労力を削減できる
②新たな価値観を加え、人の行動を増やす
③文化・社会・環境がその使用を強いる
『もしもこの世界からお金がなくなったら』より
例えば、電化製品の場合は、①時間や労力を削減できると②新たな価値観を加え、人の行動を増やす要素の2つが強いものが多いです。
炊飯器や電子レンジなどは、ボタン1つで調理ができるようになったので、時間や労力を削減してくれています。
また、ドライヤーやテレビといったものは、髪を乾かしたり、視聴を楽しむという新たな価値観を加えて、人の行動を増やしているといえます。
また、具体的なモノに限らず、サービスも、この便利なものに含まれます。
例えば、子供の保育所は最初からあったものではありません。
ですが、共働きの家庭が増えたことにより、多くの家庭にとってなくてはならないものになりました。
そのため、保育所は③文化・社会・環境がその使用を強いるという側面が強いのではないかと思います。
このように、私たちの生活に溢れている便利なものには、この3つの要素が含まれているのです。
この3つの要素が多ければ多いほど、それは便利なものから、なくてはならないモノになります。
もちろん、こういった便利なモノによって、私たちの生活は豊かになった側面もあると思います。
しかし、それらを得るために、もっとお金を稼がなくてはいけなくなり、現代人は昔の人よりも、忙しく働かなくてはいけなくなってしまっています。
そして、現代の資本主義は、この便利なものを際限なく生み出していきます。
毎年のように、色んな商品が開発され、新しいサービスが展開されます。
こういった、無限に肥大する便利なものが、私たちの生活を飲み込み、人はお金に依存するようになるのです。
では、最後にお金に依存する生活から抜け出して、お金の悩みを消すための方法を紹介していきます!
お金の悩みを消す方法
お金の悩みを消すために、まずはお金とは、人間が価値の交換をスムーズに行うために生み出した道具であり、手段にすぎないということを理解する必要があります。
そして、お金は道具である以上、使う側がどのような意志を持つかが大切なのです。
どんな道具も、使う側の意思によって、良くも悪くもなります。
包丁は料理に使えば、家族に美味しい料理を作れる、良いものになります。
ですが、誰かを傷つけるために使うこともできるのです。
お金も包丁のように道具である以上、同じように、どんな意志を持って使うのかが大切なのです。
そのため、〇〇が欲しい、〇〇がしたいといった想いが先であり、お金は後なのです。
その具体的な想いを持つためには、自分だけの価値観を具体化する必要があります。
皆さんは、自分が何に対して価値があると感じているか、本気で考えたことはあるでしょうか?
もしかしたら、あまり考えたことがなかったという方も多いかもしれません。
価値観は人によって様々であり、どれが良いといった正解はありません。
しかし、価値観を考えないまま、なんとなくお金を使ってしまっていると、資本主義が生み出す、便利なものに、どんどんとお金を吸い寄せられてしまいます。
だからこそ、自分は何がしたいのか、また何に価値を感じるのかを考えることが大切です。
その自分だけの価値観を見つけることができたら、具体的にどんなことにお金を使いたいのか、想いが出てくるはずです。
そうすれば、自分が価値を感じることができるお金の使い方がわかり、自分にとって価値のないものにお金を使うことがなくなります。
そうなれば、お金はあなたの人生を真の意味で豊かにしてくれるものになるのです。
またお金は支払う時だけでなく、もらうときの感情も大切です。
自分が嫌だな、辛いなと思うことを仕事にしてしまうと、お金は辛く嫌なことをして得たお金だと考えるようになってしまいます。
当然、そんなお金では、気持ちよく使うことはできないですよね?
何をするにしてもお金がかかってしまうと、「また辛い労働に耐えなくちゃいけないのか」と感じるようになってしまいます。
一方で、好きなことをして稼いだお金はどうでしょうか?
お金を使っても、「また好きなことをして、お金を稼げば良い」と考えることができます。
そうすると、好きなことをしてお金を稼いで、自分が価値を感じるものにお金を使うという、最高の循環を作ることができるのです。
本書は職探しの本ではないので、自分が好きなことをしてお金を稼げる方法の見つけ方が書かれているわけではありません。
しかし、好きなことをしてお金を稼ぐための第一歩として、まずは「お金を稼ぐことは大変なことである」という思い込みを捨てるところから、始めてみると良いのではないかと思います。
そうすれば、自分から好きなことでお金を稼ぐための方法を探すようになったり、自分が楽しめる仕事は何かを考えるきっかけになると思います。
本書では、この記事では紹介しきれていない、お金の悩みから解放されるための方法が紹介されています。
またこの記事では紹介しておりませんが、著者が考える、もしもお金がなくなったら、この世界はどうなるのか?という仮説が書かれております。
そのため、今お金に囚われた生活をしてしまっているという方や、お金の不安から解放されたいと思っている方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。