今回は、脳科学者、西剛志さん著の『結局、どうしたら伝わるのか?』を紹介していきます!
皆さんには、部下にちゃんと指示をしたはずなのに伝わっていない、何回言っても自分の言いたいことが伝わらな人がいるといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書の著者である西さんは、2008年にうまくいく人いとそうでない人の違いを研究する会社を設立され、現在は世界的に成功している人たちのコミュにケーションや脳のしくみ、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開されています。
この記事では、そんな著者によって、脳科学によって導き出された、本当に伝わるコツがたくさん紹介されています。
この記事では、その本書の中から、言語力よりも大切なもの、相手の脳タイプに合わせて話そう、動いてくれないのは話の解像度が低いからの3つについて紹介していきます!
結局、どうしたら伝わるのか?
言語力よりも大切なもの
コミュニケーション力を高めるために言語力を鍛えようと考える人は、多くいると思います。
実際に、私たちは言葉を使ってコミュニケーションをしているわけなので、言語力が高ければ、言いたいことが伝わりやすくなると考えられます。
もちろん、言葉を学び、言語力を鍛えることは大切なことです。
しかし、言葉は決して万能ではなく、言語化には限界があるのです。
話し手と聞き手で価値観が違う、知識やスキルに大きな経験に差がある、相手に話を聞く気がないといったことがあれば、残念ながら、いくら言語化がうまかったとしても、自分の言いたいことは相手には伝わりません。
そこで本書では、コミュニケーション力で大切において、言葉よりも前に大切なことがあると書かれています。
それが、視点です。
視点とは、注目するポイントです。
同じものを見ても、人によって捉え方が変わります。
同じ失敗でも、「自分はダメだ」と自己否定してしまう人もいれば、「次は成功できる」と前向きに考えることができる人もいます。
皆さんも、仕事やプライベートで、相手と考え方が合わないな感じるときがあったかもしれませんが、それは、人にとって注目するポイントが違うからです。
そして、コミュニケーションにおいては、この相手の視点を理解しないで話してしまうと、うまく言いたいことが伝わらなくなってしまいます。
そのため、コミュニケーションが下手な人は、相手の視点を理解しないまま、自分の考えをどう伝えるかばかり考えてしまうのです。
そのまま自分の意見を押し付けようとしても、相手の理解を生むことはありません。
それは、脳は快感を感じた時に言葉を受け入れやすくなるからです。
当然、相手から意見を押し付けられると、脳は快感を感じません。
また脳は言われたこととは逆のことをしようとする性質があるため、自分の意見を押し付けようとすることは逆効果なのです。
一方でコミュニケーションが上手な人は、相手の視点を理解して、相手がどうしたら理解してくれるか、相手にどうしたら伝わるかを考えるのです。
そして、相手の視点を理解するためには、質問を活用して、相手の頭の中を観察していくのです。
例えば、仕事がうまくいかない部下に対して、「君には〇〇が足りないから勉強した方がいいよ」と自分が普段から思っていることを伝えるのは、自分の意見の押し付けです。
たまたま自分が抱えている悩みと、その答えがマッチしていればいいですが、全く違う場合、「この人は何をいっているんだ?」と思われてしまい、不信感を持たれてしまいます。
そこで、「今何で困っているの?」「それによってどんなストレスを感じてるのか?」といった質問を投げかけていくことで、相手の頭の中を観察していきましょう。
そうすることで、相手の視点を理解することができ、相手に合わせた回答をすることができるので、相手はこちらのいうことを理解してくれるようになるのです。
そのため、これまで自分の言いたいことがうまく相手に伝わらないなと悩んでいた方は、まずは自分が相手の視点を理解できていたか?を考え、もし理解できていなかったのであれば、質問を活用して理解するようにしてみてください!
相手の脳タイプに合わせて伝えよう
先ほどは、相手の視点を理解することでコミュニケーションがうまくいくということを話しました。
コミュニケーションがうまくいくためには、相手の視点以外にも、認知のズレをなくすということが効果的です。
認知のズレは、脳のバイアスによって起こります。
バイアスとは、先入観や偏見、思い込みなどからくる、脳の癖のことです。
例えば、「この仕事、すぐにやって」と頼まれた時、すぐにがどれくらいの時間なのかという回答は人によって異なります。
30分いないという人もいれば、1時間いない、またはその日中という考えを持っている人もいるわけです。
そのため、頼んだ本人は30分以内にやって欲しいと思っていても、それを受けた相手がその日中に終わらせればいいと考えてしまっては、認知のズレが起きてしまい、後ほど「すぐにやってといったでしょう!」とトラブルになってしまいます。
だからこそ、コミュニケーションがうまくいくためには、認知のズレを極力なくすことが大切なのです。
この認知のズレをなくす方法や、人が持っているバイアスについては、本書でたくさん紹介されていますが、この記事ではその中でも脳タイプについて紹介していきます。
私たちは、普段、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚という五感を使って、情報を処理しています。
この五感には、利き手のように、優先的に使う感覚器とそうではないものが、人それぞれあります。
そして、著者が2000名以上を調査した結果、脳タイプは大きく次の3つに分かれることが分かったそうです。
①視覚タイプ
②聴覚タイプ
③体感覚タイプ(触覚や嗅覚など体の感覚が優先)
日本人の脳タイプの割合としては、視覚タイプが44%、聴覚タイプが18%、体感覚タイプが38%という結果でした。
同じものを見たり聞いたりしても、人によって理解や考えが違うのは、脳タイプの違いによって、情報の処理のされ方や記憶のされ方が違うからです。
相手がどの脳タイプなのかを判断するには、①話すスピード②外見の特徴③職業の3つを見ていきましょう。
まず①話すスピードですが、視覚タイプの人は、見えているものをそのまま話すため、話すスピードが速い傾向があります。
一方で、体感覚タイプの人は、体の感覚を味わいながら話すため、話すスピードや理解がゆっくりな場合があります。
そのため、体感覚タイプの人に、ばーっと、早口で話しても、相手の理解が追いつかない可能性が高いのです。
続いて②外見の特徴ですが、派手な服装やハイブランド品を好む人は、見た目に惹かれる傾向が強いため、視覚タイプが多いです。
逆に見た目よりも、肌触りがいい服を選ぶ人は、体感覚タイプが多い傾向があります。
ここまで聴覚タイプの話が出てきていませんが、この聴覚タイプを見分けるのは簡単ではありません。
そこでその人の③職業をみていきましょう。
音楽が好きな方や、音楽業界に勤めている方は、聴覚タイプが多い傾向があります。
そして、これら3つの脳タイプごとに伝わりやすい、伝え方があります。
まず視覚タイプの人には、全体像を説明してあげると、映像が浮かんで行動しやすくなります。
加えて、写真や映像があると、より伝わりやすくなります。
続いて、聴覚タイプは、言葉に加えて、音を表現する言葉を使うと、より伝わりやすくなります。
急いでやってというよりも、いつものようにパパッとお願いのように、音を表現する言葉を使っていきましょう。
最後に体感覚タイプは、いつもとは場所を変えて伝えてみる、何か触れるものを用意しながら話すことで体の感覚が感じやすいため脳が活性化し、伝わりやすくなります。
例えば、人は軽いものよりも、重いものを持っている方が信頼感が上がるということが実証されています。
そのため、相手に信頼感を持たせたい場合、資料を渡す際に、薄い紙だけで渡すのではなく、硬めの表紙をつけて渡すといったことが効果的です。
他にも、冷たい飲み物を持っていると、相手から冷たい人だと思われる傾向がありますが、温かい飲み物を持っていると温かい人だと思われるということも言われています。
そのため、体感覚タイプの人と個別で話す時には、お互いに温かい飲み物を用意して、話すことがいいかもしれません。
このように、脳タイプには見分け方があり、それぞれのタイプ別の伝え方がありますが、重要なのは決めつけてしまわないことです。
もしその決めつけが間違っていたら、相手に間違った方法でコミュニケーションをとってしまうことになります。
そのため、見極め方で相手の脳タイプの検討をつけたら、脳タイプごとの伝え方を実践し、相手に伝わりやすいかを確認することが大切です。
もし伝わりづらければ、他の脳タイプの可能性があるので、他の伝え方も試してみましょう。
動いてくれないのは話の解像度が低いから
こちらが何回伝えても、相手が理解してくれなかったり、相手が動いてくれない場合、話の解像度が低い可能性が高いです。
簡単な例を挙げると、急いでやってください、頑張ってくださいといった言葉は、抽象度が高いため、その人の持つイメージによって、大きく変わってしまいます。
人によって、どのくらいが急いでなのか、またどれくらいやれば頑張ったことになるのかが違うのです。
そして、話の解像度が低いと、相手はイメージができないため、話が伝わりません。
そのため、話の解像度を高めるためには、相手のイメージを作ってあげればいいのです。
そこで本書では、相手のイメージを作るために効果的な方法がいくつか紹介されていますが、この記事では、仕事の中で支えて、簡単にできる方法を2つ紹介していきます。
まず1つ目が、いい例と悪い例の両方を出してあげることです。
よく部下に仕事を頼む場合、良い例を出して伝えているという方もいるかもしれません。
ですが、そもそも上司と部下では、仕事に対する解像度に違いがあるため、上司のイメージでこれが良いものだと説明をしても、部下にはイマイチ伝わらない可能性があります。
そこで、悪い例も一緒に出して、良い例と比較することで、その差が何なのかが明確になり、相手はイメージしやすくなります。
続いて2つ目の締め切りを設定するです。
よく仕事を頼む時に、いつまでにやってくださいと、ちゃんと締め切りを設定して伝えているという方もいるかもしれません。
もしかしたら、中にはちゃんと締め切りを設定しているのに、それを部下が守ってくれないと悩んでいる方もいるかもしれません。
そこで、締め切りを設定するためには、「いつまでにやってください」と伝えるのではなく、「いつまでにやりたいですか?」と質問をしましょう。
「いつまでにやりたいですか?」と質問をすることで、相手は自分で決めるという行為をします。
そして、自分で決めることによって、その日までにやっている自分がイメージできるため、行動の確率を高めることができるのです。
そのため、これまで「いつまでにやってください」と伝えていた方は、ぜひ「いつまでにやりたいですか?」という質問に変えてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、脳科学によって裏付けられた、伝え方のコツがまだまだ紹介されています。
そのため、なかなか自分の言いたいことが伝わらないと悩んでいる方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。