今回は、楠雄治さん、角谷快彦さん著の『楽天証券社長と行動ファイナンスの教授が「間違いない資産づくり」を真剣に考えた』を紹介していきます。
そろそろ資産運用を始めようと思うが何をすればいいかわからない、今将来のために資産運用をしているが、自分のやり方で合っているか不安だという方はいないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書の著者である楠さんは、楽天証券の社長、角谷さんは広島大学で行動ファイナンスを専門とする教授としてご活躍されています。
この記事では、そのお二人によって、間違いない資産づくりについてわかりやすく解説されています。
この動画では、その本書の中から、ミリオネアは意外と近くにいる、学術的に勝つ投資とは?投資は👶ステップで始めようの3つについて紹介していきます!
楽天証券社長と行動ファイナンスの教授が「間違いない資産づくり」を真剣に考えた
ミリオネアは意外と近くにいる
みなさんは、ミリオネアに多い職業はなんだと思いますか?
ミリオネアとは、純金融資産総額が100万ドル(1億6000千万円)以上を個人で持っている人を指します。
おそらく、スポーツ選手や医者、弁護士、会社役員などがパッと思い浮かべたのではないでしょうか?
こういった職業は高級取りのイメージがあるため、ミリオネアも多いと思うかもしれません。
ですが、アメリカの1万人のミリオネアを対象に行った調査では、1位はエンジニア、2位は会計士、3位は教師、4位は会社役に、5位に弁護士という結果が出たのです。
1位と2位のエンジニアや会計士は、まだわかり気がしますが、3位に教師がランクインしているのは、びっくりしました。
では、アメリカの教師は年収が高いのか?というと、実はそういうわけではないのです。
実際に、公立学校の教師の平均年収は6万6千ドルで、アメリカの他業種と比べて高くはないのです。
ということは、親から莫大な遺産を受けっているのか?というと、それも違います。
ミリオネアの79%は親からの遺産を一切受け取っておらず、80パーセントが自分は中流かそれ以下の家庭出身と、回答しています。
では、決して高給取りとは言えない教師が、なぜミリオネアに多い職業の3位にランクインすることができているのか?
その理由は、資本主義の特徴と、人間の性質にあります。
今の資本主義社会で資産を大きくするためには、給料の伸びに期待するよりも、株式を中心とする金融商品に投資をして、そのリターンを得ることが重要です。
投資について学んだことがある方の中には、フランスのトマ・ピケティが提唱している、「r>g」という不等式を見たことがある方が多くいるのではないでしょうか?
rは資本収益率、gは経済成長率を示しています。
この不等式が表していることは、ざっくりいうと、資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも、成長が早いということです。
実際に、給与の伸びと同等と考えられる経済成長率は、日本を含む先進国で、過去200年間、年率約1〜2%だったのに対して、投資のリターンを表す資本収益率は年率約5%だったのです。
このように、資本主義社会では、給与の伸びよりも、投資のリターンの方がはるかに大きいのです。
だからこそ、ミリオネアの多くは、給与だけでなく、投資をすることでも資産を増やしているのです。
実際に、先ほどのアメリカで行われた調査では、75%のミリオネアが長期にわたって積み立て投資をしているときに回答していました。
それに加えて、80%が企業型確定拠出年金に投資していた上に、75パーセントが勤務先の年金プランにも投資していたのです。
これが資本主義の特徴なのです。
では、人間の性質について、これから紹介していきます。
人は、意識をしないと、支出を収入に達するまで膨張させてしまいます。
よく仕事でも、利用可能な時間をすべて使い果たしてしまうというパーキンソンの法則あるということが言われますが、これはお金の支出にも当てはまります。
実際に、みなさんの中にも給料は上がっているけど、それと同じくらい支出が増えてしまい、お金が貯められないという方もいるのではないでしょうか?
さらに、人には一度あげた支出水準をもとに戻せないというラチェットの法則、身近な仲間同士に影響を受けるピアの法則といったものがあり、お金をためることができなくなってしまうのです。
ラチェットの法則に関しては、スポーツ選手が当てはまることが多いと思います。
よく引退後も、現役時代の華やかな生活から抜けられなくなってしまい、破産してしまう人もいます。
また、周りが高級車を買ったり、ブランド物を買うと、負けたくないという思いから、ピア効果が働いてしまい、自分も合わせて買うようになってしまいます。
こんなことをしていては、どれだけ収入が高かったとしても、お金をためることができません。
スポーツ選手に限らず、医者や会社役員よりも、教師が上にランクインしていたのは、教師は華やかな場に身を置くことは少なく、コツコツと長期にわたって投資を続けていたからだと考えられます。
だからこそ、収入が高いからといって、必ずミリオネアになれるとは限らず、意外と身近に存在しているのです。
これまで、アメリカのミリオネアについて紹介してきましたが、日本の場合はどうかというと、1位は法人・団体役員、2位は法人・団体管理職員、3位は医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、4位は分類不能の職業、5位は一般事務従事者という結果でした。
おそらく、上位1〜3位は、イメージ通りかと思いますが、日本でも5位に一般事務従事者がランクインしています。
また、一般事務従事者の割合は、全体の約7%と、決して少ないわけではありません。
そのため、日本でも決して給料は高くなくとも、ミリオネアになっている人は一定数いるのです。
では続いては、高給取りでなくてもミリオネアになれた人がやっている投資について紹介していきます。
学術的に勝つ投資とは?
本書では、長期の株式投資で勝つための条件は、一言でいうと、「市場が暴騰する時に株式市場にたくさんのお金をさらすこと」であると書かれています。
よく積み立て投資の投資先として紹介されるS&P500の、1980年〜2016年の36年間のパフォーマンスを見てみると、年間の収益率は11.4%になります。
しかし、市場が暴騰したベストの10日を逃すと、投資のリターンが9.2%に、20日逃すと7.7%、30日逃すと6.4%と年間の収益率はどんどん下がっていってしまいます。
このように聞くと、市場が暴騰するときに多くのお金を投資することや、暴騰したタイミングを逃すと収益率が下がるのは当たり前じゃないかと思われるかもしれません。
当たり前の話ではあるのですが、問題は、その暴騰するタイミングを、予測することができないことです。
金融のプロや投資のプロですら、株価を正確に予測することはできないのです。
実際に投資のプロによって運営されるファンドのほとんどは、ほとんどが市場予測に失敗しており、市場平均をした回るパフォーマンスしか出せていないと言われています。
アメリカでは、84%のファンドがS&P500の指標を下回っておりますし、日本では80%のファンドがS&P日本500の指標を下回っています。
このように、プロと言われる人たちですら、ほとんどが正確に市場を予測できていないのだから、素人が小手先のテクニックや、浅い知識で、市場を予測しようとするのは不可能だと思います。
またファイナンス理論の分野では長年、株価は長期的には上昇するが、短期ではランダムな動きをするので予測できないという「ランダム・ウォーク理論」が中心を占めています。
これまで、さまざまな新しい理論が生まれてきましたが、このランダム・ウォーク理論を打ち倒すようなものは出てきていません。
とはいえ、先ほども説明したように、資本主義社会では、資産を増やすためには、給料の伸びよりも、投資のリターンの方がはるかに大きいのです。
投資をした方が資産を増やせるのに、肝心ないつ市場が暴騰するかわからないならどうすればいいのか?
本書では、分散の効いたインデックス投資を長期で積み立てておくことで解決することができると書かれています。
ここ最近の投資や資産運用について書かれた多くの本に書かれているように、やはりインデックス投資を長期で行うことが、投資で勝つためには可能性の高い方法なのです。
最近では、積み立てNISAをやっているという人も多くいるかもしれません。
私も新NISAが始まる半年前くらいから、全世界株の株式に分散投資ができるオルカンに積み立て投資を続けています。
インデックス投資にも、投資先は様々ありますが、特に運用手数料などのコストが低いものを選ぶことが重要です。
運用手数料などのコストが高いと、せっかく投資で利益をあげることができても、手元に残る利益が減ってしまいます。
そのため、投資先を選ぶときは、パフォーマンスだけでなく、運用手数料にも注目してみてください。
もちろん、インデックス投資に投資をしたからといって、必ず資産が増えるわけではありません。
分散の効いたインデックス投資であっても、リーマンショックやコロナショックのような、ネガティブな出来事が起これば、市場全体の株価が下がります。
ですが、長期的に見れば、多くのネガティブなイベントがありつつも、株価は上昇してきているのです。
だからこそ、株価が暴落したときにも、慌てて売り飛ばすのではなく、淡々と積み立て投資を続けていくことが大切です。
投資はベイビーステップで始めよう
先ほどは、資産を増やすためにはインデックス投資に積み立てていくことが大切だと紹介しました。
ですが、何の準備も無しに、いきなり毎月多くのお金をインデックス投資に投資すればいいわけではありません。
せっかく投資をしたとしても、普段の生活費が足りなくなってしまい、売却しなくてはいけなくなってしまいます。
もし売却した直後に市場が暴騰してしまったら、大きな後悔をすることになります。
そのため、投資はベイビーステップで始めることが大切です。
本書では、全米屈指のお金の専門家である、デビット・ラムジーが提唱している、これから投資を始める人がやるべきベイビーステップが紹介されています。
①約10万円の非常資金を用意
②借金(住宅ローンを除く)を完済
③生活費3〜6ヶ月分の貯金
④家計収入の15%を投資
⑤子供の大学進学資金の用意
⑥住宅ローンの早めの完済
⑦富を蓄え社会に還元
『楽天証券社長と行動ファイナンスの教授が「間違いない資産づくり」を真剣に考えた』より
まず投資は余剰資金で行うという考えを持つようにしましょう。
毎月入ってくる給料を全て投資に回していては、もちろん生活ができません。
また投資ばかりにお金を回して、一切お金を貯金していないと、何かあったときに対応することができず、売却する羽目になってしまいます。
そのため、約10万円は非常資金として用意しておきましょう。
約10万円用意しておけば、家族や友人の急な結婚式や急な事故や病気に、とりあえず対応することができます。
またその上で、借金がある場合は、いち早く返すようにしましょう。
借金の支払いは金利は一切無視して、額の小さいものから返済していくことがおすすめです。
金利が高い方から返すことが当たり前だと思われるかもしれませんが、額の小さいものから返すことで、勢いがついて、どんどん返すことができるのです。
そして、その上で生活費を3〜6ヶ月ためておきましょう。
今は体が元気でも、急に病気になったり怪我をして働けなくなるかもしれません。
また会社が倒産して、次の仕事を見つけるまでに時間がかかってしまうかもしれません。
そうなってしまっては、収入がなくなってしまうため、積み立てた分を取り崩さないといけなくなってしまいます。
そして、一度多くの額を取り崩してしまうと、投資を再開して、同じ額まで到達するまでに、かなりの労力と時間がかかってしまいます。
だからこそ、急なアクシデントに対応できるように、生活費は3〜6ヶ月分貯金しておくことが大切です。
ここまで準備ができたら、いざ投資を開始していきます。
毎月積み立てる目安としては、家計収入の15%を目安にしていきましょう。
投資額を増やしたいあまり、極限まで節約をして、全てを投資に回してしまうと、生きる楽しみがなくなってしまいます。
特に若いうちは投資以外にも、様々な経験を積むことが、充実した人生を送るためには必要になります。
また知識やスキルを身につけるなど、自己投資にもお金を回すことで、のちの収入を増やすことができ、結果的に無理なく投資額を増やすことができます。
そのため投資は大切ですが、だからといって、投資ばかりに目がいってしまわないようにすることが大切です。
投資や資産運用について書かれた本は数多くありますし、私のチャンネルでも多数紹介しております。
そのため、他の考え方や幅広い知識を身につけたいという方は、ぜひ他の動画も参考にしてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、間違いない資産づくりについてまだまだ書かれています。
そのため、これから資産運用をしていきたい、お金に困る生活をしたくないと考えている方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。