今回は、岸良裕司さん著の『組織をダメにするのは誰か?職場の問題解決入門』を紹介していきます!
皆さんには、今の職場は仕事が進めずらい、うまく組織が回っていない、メンバーが皆疲弊しているといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書の著者である、岸良さんは、ベストセラー『ザ・ゴール』に書かれているTOC理論をもとに、数々の大企業や組織の問題解決に携わっています。
本書では、そんな職場の問題解決のプロである著者によって、チームや職場を腐らせてしまう、会社の害虫の正体と、その対処法が解説されています。
この記事では、その会社の害虫の中から、職場の害虫の正体は思い込みであるということと、マルチタスク虫、シーエー虫、テイコウ虫の3つについて紹介していきます!
職場の問題解決入門
害虫の正体は思い込みである
この動画の続きでは、職場を腐らせる害虫を紹介していきますが、おそらく、あなたの会社にいる現実の人を想像してしまうかもしれません。
しかし、本書では、害虫の真の正体とは、その人自身ではなく、思い込みにあると書かれています。
職場の問題の原因を人のせいにしても、問題を解決することはできません。
しかし、思い込みであれば、その思い込みに気づき、対処することで、職場の問題を解決することが出来ます。
また、思い込みのせいにすることで、誰も傷つけることなく、職場やチームをより良くすることができるのです。
そのため、害虫の紹介では、どうしても、〇〇をしてくる人がいるというように、特定の人にフォーカスしてしまうかもしれませんが、その人自身ではなく、その人が陥ってしまっている思い込みは何かを考えてみてください!
マルチタスク虫
1日頑張ったのに、全然仕事が終わらない、何も完了できていないと感じることはないでしょうか?
そういった方の職場には、マルチタスク虫が生息している可能性が高いです。
マルチタスク虫は、優先順位をつけることができないダメ上司です。
マルチタスク虫は、「お客様のため」「顧客第一」という考えによって、すべての仕事を最優先で進めないといけないと思い込んでしまっているのです。
そのため、マルチタスク虫は、あれもこれも最優先でやれと、たくさんの仕事を無茶振りしてきます。
そうなると、現場のメンバーは今取り組んでいる仕事を進めながら、新しく降ってきた仕事のことも考えなくてはいけなくなってしまいます。
その結果、現場のメンバーはマルチタスク状態になってしまい、目の前の仕事に集中することができず、仕事の質が下がってしまいます。
仕事の質が下がると、ミスが発生し、修正が必要になり、さらに仕事が増えていくという悪循環を生み出してしまいます。
その結果、仕事を頑張っても頑張っても、終わらせることができず、現場はどんどんと疲弊していってしまいます。
そして、期日までに間に合わせるために、長時間残業が当たり前になってしまい、退職者も増え、残ったメンバーには、さらに負担がかかるという、最悪な環境を作り出してしまうのです。
中には、働き方改革により、会社で残業することができないから、家に持ち帰って仕事をしているなんて方もいるかもしれません。
当然この状態が続いては、心と体がもたなくなってしまいます。
そのため、マルチタスク虫が職場にもたらすダメージは、かなり大きく、すぐに対処するべきなのです。
では、現場が回っていないのだから、人を増やせばいいのか?と考える方もいるかもしれませんが、人を増やすことでは、マルチタスク虫を解消することはできません。
むしろ、新人を教育する仕事が増えてしまうため、現場はさらに仕事に集中することができず、事態が悪化してしまうのです。
そこで、職場にマルチタスク虫がいたら、仕事に優先順位をつける判断基準を決めるようにしましょう。
マルチタスク虫の問題は、なんでもかんでも最優先でこなせと仕事を投げてくるところにあります。
しかし、その上司もマルチタスクにより忙しいケースが多いため、上司に仕事の優先順位を決めさせるのは、あまり得策ではありません。
そこで、現場のメンバーで、上司の立場になって、優先順位の判断基準を考えてみましょう。
そして、考えた判断基準を上司と相談して、合意をとっておくのです。
そうすることで、現場は上司に優先順位を決めてもらわなくても、合意をとった判断基準をもとに、自ら優先順位を考えて仕事に取り組むことができるようになります。
さらに、優先順位を決めて、仕事に取り掛かることができるため、ひとつ一つの仕事に集中することができ、仕事の質を上げることができます。
仕事の質が上がれば、ミスも減るため、ひとつひとつ仕事を早く終わらせることができ、残業を無くすことができます。
そのため、職場にマルチタスク虫が蔓延しているという場合は、上司と優先順位を決める判断基準をあらかじめ相談するようにしてみてください!
シーエー虫
問題があっても上司に相談しずらい、したくないという場合、職場にシーエー虫が蔓延している可能性が高いです。
シーエー虫の上司は、最初は仕事を部下に丸投げします。
その後、期日の直前になったら進捗確認をしてきて、その段階で間に合わないことが判明すると、ダメ出しや叱責をしてきます。
そして、最後は上司自らが改善に乗り出して、事態を収集させることで、自分が現場のピンチを救ったと、ヒーロー気取りをするのです。
こういった上司は、仕事を投げる際に、PDCAのPlan(計画)とDo(実行)は全て、部下に丸投げをして、Check(確認)とAction(改善)の段階になって、あれこれと口を出します。
そして、それまでの遅れは全て現場の責任にして、自分が事態を改善させたとして、「やっぱり自分がいないとダメだ」と思い込み、自己満足しているのです。
そのため、本書では、こういった上司をシーエー虫と呼んでいます。
もしかしたら、「こういうウザい上司いるわ〜」と感じた方いるかもしれません。
こういった上司のもとで働いていると、部下はだんだんと自信をなくしていってしまいます。
また悪いところは、全て部下の責任にされてしまうので、モチベーションも低下していってしまうのです。
その結果、職場全体のパフォーマンスが落ちてしまい、成果が出せない組織になってしまいます。
では、シーエー虫の上司は、どのように対処をしたらいいのか?
よくある考え方として、頻繁に報告、連絡、相談の報連相をしたらいいというものが挙げられますが、本書では報連相をしてしまうと、逆効果になると書かれています。
その理由は、部下は上司に報連相をすると、状況報告と対策案を合わせて求められることがほとんどだからです。
そのため、報告するために書類作成など別の仕事に手がかかるようになってしまい、問題に対処する時間がなくなってしまいます。
そうなると、予定通りに仕事が進められなくなってしまい、期日に間に合わないことを、上司から叱責されるようになってしまうのです。
最悪の場合、部下は上司から叱責されることを避けるために、問題があっても、上司には報告しなくなってしまいます。
部下から問題が発生しても、報告があがってこないという場合は、シーエー虫によって、職場の風通しが悪くなってしまっている可能性があります。
そこでシーエー虫を対処するためには、現場から問題を上げてもらおうとするのではなく、問題を拾い上げる上司を作るようにしましょう。
現場から問題を拾い上げるためには、上司から部下に次の3つの質問をするようにしましょう。
①あと何日で終わりそうですか?
②問題があるとしたら何ですか?
③何か助けられることはありますか?
『職場の問題解決入門』より
この3つの質問をすることで、現場から問題を拾い上げることができます。
さらに、この3つの質問を部下に投げかけることによって、変えられる未来に目を向けることができます。
シーエー虫のように、「どれだけ進んだか?」と進捗を確認する質問は、過去に目を向けているものです。
過去は当然変えられないものなので 、これまでの進捗に対して、あれこれと口を出しても、一向に問題は解決されません。
だからこそ、変えられる未来に目を向けることによって、適切に問題を対処することができます。
そして、3つの質問を部下に向けることによって、部下自身に問題の把握と、対策を自分で考える力をつけることが出来ます。
そのため、3つの質問によって、仕事が円滑に進むだけでなく、部下の成長も促すことができるのです。
テイコウ虫
もっとこうしたらいいんじゃないか?今の体制を変えた方がいいんじゃないか?
仕事や職場でこのように感じることがあると思います。
そして、実際によりよくするために、改革案を提案したという方もいると思います。
しかし、その時に、職場にテイコウ虫が潜んでいると、うまく改革が進まなくなってしまいます。
もしかしたら、皆さんの中にも、テイコウ虫が原因で、改革案がうまく進められなかったという経験があるかもしれません。
テイコウ虫は、変わることを嫌い、変化が求められる新しいアイデアや提案に敏感です。
そして、新しい案が提案されるたびに、うまくいかない理由を次々に挙げてきます。
そういったテイコウ虫は、職場で抵抗勢力というレッテルが貼られてしまうと、テイコウ虫同士で徒党を組み、組織を分断させてしまうようにもなってしまいます。
組織が分断されると、当然、仕事は思うように進まなくなってしまい、成果が挙げられなくなってしまいます。
そこで、テイコウ虫を対処するためには、次の3つの質問を投げかけてみましょう。
①懸念事項はありますか?
②この懸念事項が起きる理由はなんでしょうか?
③この理由を解消する上手い手はありませんか?
『職場の問題解決入門』
テイコウ虫は、改革案に反対してくるという点では、害虫かもしれません。
ですが、見方を変えると、テイコウ虫はうまくいかない理由をいってくれるので、直面しうる課題やリスクを事前に教えてくれる益虫とも言えます。
また、うまくいかない理由が考えられるというのは、その職場での豊富な経験があったり、ロジカルなものの見方ができるということでもあります。
そのため、テイコウ虫をうまく活用することができれば、改革案を成功へと導くことができるのです。
そこで、先ほどの3つの質問をテイコウ虫に投げかけ、懸念事項を挙げてもらい、それを解消する方法を一緒に考えることが効果的なのです。
テイコウ虫にとっても、抱えている懸念事項が解消されたり、問題ないことがわかれば、改革案に乗ることができます。
そのため、職場にテイコウ虫が蔓延っている場合は、ぜひこの3つの質問を活用して、テイコウ虫を味方にしてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、チームと職場を腐らせる、会社の害虫の正体と対処法がまだまだ解説されています。
そのため、今職場で仕事がやりづらい、会社に行くのが嫌だなと感じてしまう人は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。