今回は、ブラッド・スタルバーグ氏著の『変わり続ける人 最新研究が実証する最強の生存戦略』を紹介していきます!
よく現代は、変化の激しい時代だと言われています。
戦争やテクノロジーの発達やパンデミックなど、社会全体でも、変化が起こっています。
また、変化は個人的レベルでも起こります。
就職や結婚、出産など、喜ばしい変化もあれば、離婚、解雇、病気など、喜ばしくない変化もあります。
そして、調査によると、大人は平均で36回も、人生を揺るがす大きな出来事を経験すると言われています。
このような、大きな変化に適応することができないと、自分がどうしていいかわからなくなってしまい、崩れていってしまう可能性があります。
そこで本書では、マッキンゼー出身で、ウェルビーング研究の第一人者である著者によって、変化や混乱の多い時代を生き残るための生存戦略が解説されています!
この記事では、その本書の中から、存在志向で生きよう、困難を想定せよの2つについて紹介していきます!
変わり続ける人の要約
存在志向で生きよう
本書では、変化に強くなるためには、所有志向ではなく、存在志向を身につけようと書かれています。
まず所有思考とは、自分が持っているもので自分を定義するものです。
自分が所有しているものの中には、具体的なものだけでなく、今の仕事や地位などの身分も含まれています。
他にも、若さや人間関係といったものも挙げられると思います。
こういった自分の所有物によって、自分を定義してしまうと、変化に対して脆くなってしまいます。
その理由は、ものや身分といったものは、いつ失ってもおかしくないからです。
最近の大きな変化の例を挙げると、新型コロナウイルスが挙げられると思います。
新型コロナウイルスにより、経済が止まり、倒産した会社や失業してしまった人など、自分の所有物を失ってしまった人がたくさんいます。
それまでは、自分が解雇されるなんて思ってもいなかった、自分のいる会社が倒産するなんて考えたことがなかったという人が大多数だったのではないかと思います。
このように、今は持っていて当たり前だと感じるものも、何かしらのアクシデントや変化によって失ってしまう可能性があるのです。
所有志向で生きてしまっている人は、そういった変化によって、自分の所有物を失ってしまった時に、その事実にショックを受けてしまい、変化に対応することができなくなってしまうのです。
一方で存在志向で生きている人は、自分の奥深くある永続的な部分を、自分のアイデンティティと重ね合わせます。
永続的な部分とは、自分にとってのコアバリューやどんな状況であろうとも対応できる能力のことです。
特に本書では、自分にとってのコアバリューを3〜5つほど持っておくといいと書かれています。
コアバリューとは、生きる上での主義であり、創造性や好奇心、誠実、粘り強さなど、さまざまなものがあります。
このコアバリューは、所有物とは違って、変わることはあっても、失われることはありません。
そして、コアバリューは、あなたの心の支えになります。
例え変化が起こって、自分のとるべき行動がわからなくなってしまったとしても、「どうすれば、自分のコアバリューに沿った方向に進むことができるか?」と考えることで、変化に対して柔軟に対応することができます。
実際に、コロナ禍で仕事を失った人の中には、幼少期からずっと心の中にあった、やりたかったことを実行して、成功したという事例がいくつもあります。
本書でも、マーケティングディレクターとして働いていた女性が、新型コロナの影響により、仕事を失った後、物心がついた時から好きだった、「書くこと」に挑戦して、執筆ビジネスを成功させた実話が紹介されています。
何気なく毎日を過ごしていると、自分にとってのコアバリューを考える機会は、ほとんどないと思います。
ですが、人生において重大な変化に直面したときに、自分のやるべきことがわからなく、迷子になってしまわないように、ぜひ自分にとってのコアバリューを考えてみてください。
困難を想定せよ
皆さんは、次のどちらがより幸せを感じられると思いますか?
①お年玉をもらうとき、「1万円もらえるかな?」と期待していたのに、5千円しかもらえなかった
②毎年お年玉をくれていなかった親戚の人が、5千円をくれた
おそらく、②を選ぶ人がほとんどだと思います。
なぜ同じ5千円をもらったのにも関わらず、反応に違いがあるのか?
それは、ある瞬間に人がどれだけ幸せを感じるかは、期待から現実を差し引いた結果で決まるからです。
①の場合は、現実は5千円ですが、期待が1万円だったので、差し引きをして、マイナス5千円になってしまっています。
しかし、②の場合は、現実は5千円ですが、期待が0円だったので、プラス5千円になっているのです。
このように、幸福とは、現実ー期待によって決まるものであり、変化に適応するために、最も大切なのは、適切な期待を定めることなのです。
そこで、適切な期待を定めるためには、現実に合わせて、期待を頻繁にアップデートする必要があります。
私たちの脳には、予測マシンのような働きがあり、前頭前野という部分が、常に現実を予測しようとしているのです。
そして、予測したシナリオを、現実に合わせて、常にシナリオを調整しています。
このとき、予測したシナリオを現実が合致するほど、私たちの気分が良くなり、パフォーマンスが上がるのです。
しかし、今世間一般では、ポジティブに考えるべきだという社会的圧力がかかっています。
もちろん、前向きに考えることは悪いことではありませんが、なんでもかんでも、バラ色に考えてしまっては、脳が予測するシナリオと現実が遠ざかってしまい、気分が落ち込んでしまいます。
そのため、いいことばかり起こると想定するのではなく、現実をしっかりとみて、困難も想定して、よくなるときもあれば、悪くなるときもあるという想定を持つことが大切です。
私もyoutubeで動画投稿を始めたばかりの時は、想定より再生回数が伸びないことで、気分が落ち込んでしまうことがありました。
また、調子がいい時に、急に動画再生されなくなってしまうと、モチベーションが一気に下がってしまい、動画作成に手をつけられなくなってしまうこともありました。
そして、実際に半年間ほど、youtubeを休止してしまいました。
半年間休んだ後、「やっぱり本を読むことが好きで、情報を発信するのが好きだ」という思いから、動画を再開して、現在まで約2年近く毎週動画投稿を継続できています。
振り返ってみると、本を読むことが好きであることと、情報発信は、私のコアバリューだったのだと思います。
再開後は、動画の再生回数が伸びるときもあれば、全然伸びないときもありましたが、以前のように「やめよう」という気持ちは湧かなくなりました。
おそらくそれは、前回の失敗から、「動画は伸びるときもあれば、伸びないときもある」ということを実体験として学んだことで、自分の中で期待値をコントロールできているからだと思います。
自分の期待をうまく調整できるかは、これまでの経験の影響を受けるのかなと思いました。
そのため、何も考えずにいいことばかり期待するよりも、困難も想定して、自分の期待値をコントロールすることを普段から意識してみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、変化の激しい時代を生き抜くための生き方や、自分らしい人生を送る方法が、まだまだ書かれています!
そのため、変化に適応できる人になりたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。