今回は、中室牧子さんの著の『科学的根拠で子育て 教育経済学の最前線』を紹介していきます!
皆さんには、子育てや教育に悩みがある、これから子育てをするが、どうすれば子供の将来のためになるのかを知りたいと考えていないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書の著者である中室さんは、慶應期塾大学総合政策学部の教授を務められており、教育経済学を専門としてる研究者としてご活躍されています。
2015年には、現在までで37万部以上も売れている『学力の経済学』を出版されています。
本書では、そんな著者によって、世界的な学術論文誌の中から信頼性の高いエビデンスを厳選し、最新の科学的根拠のある子育てについて解説されています!
この記事では、その本書のなかから、子供の将来の収入を高めるためにやるべきこと、子供が勉強が苦にならなくなる方法の2つについて紹介していきます!
科学的根拠で子育ての要約
将来の収入を高めるには?
子供には、将来お金に困らないように、しっかりと稼げるようになってほしいと考える親も多くいると思います。
必ずしも高収入になるようにと願っているわけではなくとも、我が子の将来が、収入が低く、お金に困っている状態でもいいという人はいないと思います。
では、子供の将来の収入を上げるために、子供の頃にやっておいた方がいいことは何なのか?
本書では、スポーツをする、リーダーになる、非認知能力を高めることを、ベスト3として挙げています。
この3つの要素について、簡単に説明していきます。
まずスポーツをすることで収入が上がる理由ですが、スポーツをすることで、採用で有利になったり、忍耐力やリーダーシップ力がつくというものがあげられます。
私も学生時代に、学校の先生から、スポーツ系の部活に入っていると就活が有利になると聞いたことがありました。
実際にノルウェーで行われた研究では、スポーツ経験があると書かれてた履歴書を送ることで、面接に呼ばれる確率が高くなることがわかっています。
また、アメリカで行われた調査では、高校でスポーツの部活動をしていた男子生徒の方が、やっていなかった男子生徒よりも、16年後の収入が21.4%も高いことがわかっているのです。
続いて、リーダーになることですが、カルフォルニア大学のサンタバーバラ校のピーター・クーン教授らの研究によると、高校時代にリーダーシップを発揮した経験がある人は、そうした経験のない人と比べると、高校を卒業して11年後の収入が4〜33%も高くなることがわかりました。
他にも、学生時代に積極的にリーダーになることで将来の収入を上げることができることを示した研究はさまざまあります。
多くの人のイメージ通りかと思いますが、学生時代に積極的にリーダーを経験していると、将来の採用や就職で有利になります。
またリーダーになることで、学力や学歴が高まる傾向があり、将来の収入を上げることができるのです。
最後に非認知能力とは、IQのような数値化できる知的能力以外のもの全般を指しています。
例えば、忍耐力や責任感、社会性といったものがあげられます。
数値化できる知的能力以外のものなので、さまざまな種類がありますが、非認知能力は、多くの企業が採用する際に重視している能力になります。
実際に、日本経済団体連合会が実施している、新卒採用に関するアンケート調査では、選考にあたって特に重視した点として、1位がコミュニケーション能力、2位が主体性、3位がチャレンジ精神、4位が協調性、5位が誠実性と続いており、学歴や学力があまり重視されていないことがわかっています。
これは、日本の企業だけでなく、海外の企業にも同じ傾向が見られており、非認知能力が採用において、とても重要であることがわかります。
非認知能力には、さまざまな種類がありますが、本書ではその中でも、収入を上げるために大切なものとして、忍耐力、自制心、やり抜く力の3つをあげています。
では、非認知能力を上げるためには、子供の頃に何をすればいいのか?
先ほどあげたスポーツをすることで、忍耐力ややり抜く力、協調性を上げることができます。
またリーダーを経験することで、リーダーシップや責任感を身につけることができます。
他にも、音楽や美術によっても、非認知能力を上げられることがわかっているのです。
よく、将来いい会社に入って、高収入になれるように、子供にたくさん勉強をさせようとする親もいると思いますが、実は子供の頃には勉強だけでなく、スポーツやリーダーになることなど、さまざまな経験をすることが大切なのです。
本書では、将来の収入を上げるために、子供の頃にやっておいた方がいいことについて、さらに詳しく書かれておりますので、ぜひ参考にしてみてください!
勉強が苦にならなくなる方法
自分の子供が勉強ができないというのは、多くの親御さんが抱えている悩みだと思います。
特に最近では、ゲームやYOUTUBEなど、子供にとっても誘惑なものが多く、勉強をやらなくなってしまっているというケースもあると思います。
先ほども紹介したように、将来の収入を上げるためには、勉強だけをしていればいいわけではありません。
しかし、勉強を通じて、さまざまな知識や技術を身につけることは、子供の将来にとって、とても大きなメリットがあります。
そこで本書では、勉強ができない子からできる子に変えるための秘策を3つ紹介していきます。
①目標を立てる
②習慣化する
③チームで取り組む
『科学的根拠で子育て』より
この3つの秘策は、いますぐに子供が勉強ができるようになることだけが目的ではありません。
今後、学生を卒業した後にも、リスキリングや学び直しによって、常に知識や技術をアップデートすることが社会では求められます。
その時に、勉強をすることが苦にならないようにするための秘策でもあるのです。
これから、それぞれの方法について詳しく紹介していきます。
まず一つ目の目標を立てるですが、子供に限らず、人は将来得をすることよりも、いま楽することを選んでしまう現在バイアスという傾向があります。
この現在バイアスによって、勉強を先延ばしにしてしまうのです。
そこで 、現在バイアスによって、勉強を先延ばししてしまうことを防ぐために、目標を立てることが効果的なのです。
目標を立てることはとてもシンプルで簡単な方法ですが、カナダの名門大学であるマギル大学で行われた研究では、目標を立てることで大学生の成績が大幅に改善されたことがわかりました。
目標の立て方には、〇〇点をとるといったアウトプットに対する目標設定と、〇〇時間勉強するといったインプットに対する目標設定があります。
よく多くの人はアウトプットに対する目標設定をすると思いますが、アメリカの大学で4000人を対象に行われた研究では、〇〇時間勉強するというインプットに対する目標設定をした学生は成績が上がり、アウトプットに対する目標設定をした学生は成績が上がらなかったという結果が出ました。
学生にとっては、自分でコントロールしやすい目標を設定する方が上手くいく傾向があるため、インプットに対する目標設定の方が効果があるのです。
また、目標を立てる際には、自分でコントロールしやすいことに加えて、他人ではなく自分で決めること、自己管理の方法を学んだ上で目標を設定することで効果がより発揮されると、本書では書かれています。
では続いて2つ目の秘策である習慣化するですが、習慣化のためには、初期の抵抗感を和らげて取り掛かるきっかけを作ることと、繰り返すことの2つを同時に行うことが大切です。
初期の抵抗感を和らげて、取り掛かるきっかけを作る方法には、簡単ものとして、子供にお小遣いをあげたり、ご褒美をあげることが考えられます。
お小遣いやご褒美が、最初に一歩を踏み出すのに効果的であることを示したエビデンスは複数ありますが、単にインセンティブをあげるだけでは不十分です。
週に4日勉強したらなど、頻度を増やして、勉強を繰り返させることが大切です。
これが週に1回や2週間に1回など、頻度が少なすぎると、習慣化することができなくなってしまいます。
また、お小遣いやご褒美といったインセンティブは、これまで勉強をする習慣化がなかったという場合に効果があることに注意が必要です。
すでに勉強をしているのに、さらに勉強をしてほしいからといって、お金で釣ろうとすると、逆効果になってしまいます。
これは、今までは自らの興味や関心といった内的なインセンティブによって、勉強をしていたのに、そこに外的なインセンティブが導入されたことによって、内的なインセンティブを失ってしまうからです。
そのため、お金やご褒美の使い方には注意が必要ですが、勉強が嫌いで、勉強をする習慣が全くないという場合には効果があります。
最後に3つ目の秘策である、チームで取り組むですが、チームを組むことで、ピア効果が生じます。
ピア効果とは、お互いの生産性や行動に影響を与え合うものです。
実際に、カルフォルニア大学サンタバーバラ校での実験によると、友達とチームを組むことで、勉強量が増えるという結果が出ています。
この実験では、自習室にいくことで報酬がもらえるものでしたが、個人よりもチームを組んだ方が、自習室にいく回数が増えました。
これは、チームを組むことで、社会的プレッシャーがかかり、行動につながったと考えられます。
普段の勉強でチームを組むことは、なかなか難しいと思いますが、兄弟がいるのであれば兄弟と、もしいない場合は親自身とチームを組んでみてもいいとのではないかと思います。
以上紹介した3つの方法が、勉強ができない子供を勉強ができるように変えるための3つの秘策です。
もし、子供が勉強をやらずに悩んでいるという場合は、ぜひ試してみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、子育てに関する最新の科学について、まだまだ解説されています!
そのため、今子育てに悩んでいるという方や、これから子育てをするという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。