今回は、秋間早苗さんの著の『脳マネジメント』を紹介していきます。
皆さんには、自分にはできない、自分は変わることができないといった無力感を感じてしまうという悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です。
本書の著者である秋間さんは、20年以上にわたって、人間の潜在能力を研究されてきています。
そして株式会社La torcheを設立され、個人や組織がその存在ならではの価値を最大限引き起こすための支援を行っています。
本書では、そんな著者によって、自分自身の脳を味方につけて、無力感から解放され、脳を使いこなすための脳マネジメントが解説されています。
この記事では、その本書の中から、あきらめや無力感を感じる理由、省エネから自家発電モードへ、脳マネジメントの3ステップの3つについて紹介していきます!
BRAIN 脳マネジメントの要約
あきらめや無力感を感じる理由
最近では、いろんなところで、現代はVUCAの時代という言葉がよく言われています。
VUCAの時代とは、将来予測が不可能な状態、先行きが不透明な時代のことであり、Volatility, Uncertainty, Complexity, ambiguityの4つの頭文字をとったものです。
またVUCA時代の他にも、デジタル化やAIの発達などもあり、今まさに私たちは大きな変化の狭間にいると言えます。
そんな中で、「このままではいけない」「何か変わらなくては」と考えている人も多くいるのではないかと思います。
しかし、その中で実際に現状を変えるために行動をしている人は、どれだけいるでしょうか?
行動に移せているという人もいると思いますが、多くの人は、「うまくいかない」「どうせ自分にはできない」と、あきらめや無力感を感じてしまい、行動できていないのではないかと思います。
これまでの時代は、やり方が決まった作業をいかに効率的にこなせるか、または正解が存在している問題をいかに早く解くかが重要視されていました。
一方で、これからの時代は、正解のない問題に取り組む必要があります。
これまでの時代に必要なことと、これからの時代に必要なことが違うのにも関わらず、私たちはついこれまでと同じやり方や考え方で、物事に取り組んでしまうのです。
その結果、これまでのやり方が通用せずに、苦しむようになってしまいます。
また、私たちの脳には、自動的に発動してしまうクセがあります。
脳のクセにはいろんなパターンがありますが、変化を嫌う、何事にも良い悪いのジャッジをしてしまう、違うことよりも同じことに安心してしまうといったことが代表的な例として挙げられます。
この脳のクセに振り回されてしまうと、頭では「このままではだめだ」とわかっていても、行動に移せなくなってしまうのです。
そこで本書で解説されている脳マネジメントを実践することによって、脳のクセに振り回されてしまう状態から抜け出すことができ、行動を起こすことができるようになるのです。
省エネモードから自家発電モードへ
私たちの祖先が狩りをしていた時代は、まさにVUCAの時代でした。
そこから、農耕や定住を始めた人類は、将来を予測できるという前提に立った組織や社会、まさに非VUCAを前提にした社会を近年まで作り上げてきたのです。
一方で人間の脳は進化を遂げていき、今では脳は全身の2%の重量でありながら、全身の消費エネルギーの20〜25%を使っているのです。
それにより、私たちの脳は省エネで動くようになり、常にいかにサボるかを追求するようになったのです。
先ほど触れた、自動的に発動してしまう脳のクセの多くは、脳がエネルギーの消費を抑えようとするために起こってしまうものなのです。
そして、これまでの非VUCAな時代と、脳の省エネにより、メカニックビューというものの見方が生み出されました。
メカニックビューとは、世の中は予測できる正解があるというものの見方です。
本書では、メカニックビューについて、氷山モデルをもとに解説されていますが、メカニックビューでは、水面上に出ている目に見える部分、数値化できることやわかりやすいことだけをみて、判断しようとしてしまいます。
一方で氷山の下は見えないもの、認識しづらいものであり、これを扱うには、想像力や創造力を発揮しながら探求するエネルギーと、前のめりな主体的な姿勢が必要になります。
この氷山の上部分と下部分の両方を扱えるものの見方は、ホリスティックビューと呼ばれています。
そして、無自覚のうちにメカニックビューにより脳が省エネモードになってしまうと、脳のクセに振り回されるようになってしまいます。
そのため、自覚的にホリスティックビューなものの見方ができるようになることが大切であり、それができると、脳を省エネモードから、自家発電モードへと変えることができます。
自家発電モードでは、見えるものも見えないものも扱うホリスティックビューなものの見方をすることができ、正解のない問題にも取り組むことができるようになります。
さらに、前のめりに行動することができ、やればやるほど力湧いてくるようになるのです。
その結果、あきらめや無力感から抜け出すことができ、行動を起こすことができるようになるのです。
では最後に、現在の無自覚なメカニックビューに気づいて、脳を味方にするための方法を紹介していきます。
脳マネジメントの3ステップ
無自覚なメカニックビューに気づいて、脳を味方にするためには、次の3ステップを実践していきましょう。
①気づく
②働きかける
③体現する
『脳マネジメント』より
本書では、それぞれのステップについて詳しく紹介されていいますが、この記事ではまず実践するべきステップ①とステップ②について紹介していきます。
まずステップ①の気づくでは、脳が省エネモードの時に起こる、脳の不利なクセに気づいていきます。
本書では、さまざまな方法が紹介されていますが、この記事では、刺激と反応モデルというフレームワークを紹介していきます。
刺激と反応モデルでは、どんな刺激に対して、どんな反応を引き起こしているのかを観察していきます。
例えば、上司から注意を受けるとイライラしてしまうという場合は、上司から注意を受けるという刺激に対して、イライラするという反応を引き起こしています。
このように、どんな刺激に対して、どんな反応を引き起こしているのかを考えることができたら、一歩引いた目線で観察してみましょう。
上司から注意を受けてイライラしてしまう場合、単に上司が嫌いだからではなく、みんなの前で注意をされて恥ずかしくイライラしたから、責められているように感じてしまいイライラしたといった自分の解釈による反応だと考えることができます。
そうすると、自分の意思次第では、イライラするという反応ではなく、上司は自分を責めている訳ではなく、自分に学んでほしんだという別の解釈ができることに気づくことができます。
そうすることによって、これまで無自覚に反応していたことに対して、自覚的に自分の反応を選ぶことができるようになります。
そのため、刺激と反応モデルを様々なケースで行うことによって、これまで自分の中にはなかった反応を選ぶことができるようになり、これからを大きく変えることができるのです。
続いてステップ②の働きかけるでは、自分の脳のクセについて理解を深めた上で、自分自身を望ましい状態に向けて適切な働きかけをしていきます。
この働きかけるステップによって、これまで「自分にはできない」と感じていた無力感の状態から、自分にもできることはあるという、自己効力感を生み出すことができます。
ステップ②についても、様々な方法が紹介されていますが、この記事では最も取り掛かりやすい、言葉使いについて紹介していきます。
皆さんには、ついついいってしまう口癖や言葉使いはないでしょうか?
自分で自覚しているものもあれば、自分では自覚していないだけで、いってしまっているものもあると思います。
そこで、普段自分がどんな言葉遣いをしているのかを観察していきましょう。
中には、自分にはできないよ、自分にはそんな才能がないからといったネガティブな言葉が口癖になってしまっている人もいるかもしれません。
そういった場合、難しいけど自分を成長させられる機会だ、自分には伸び代があるといった言い換えの表現を用意しておきましょう。
このように、無自覚に使ってしまうネガティブな口癖に対して、言い換えの表現を用意することで、自分を変えることができるという自己効力感を生むことができるのです。
以上が、脳マネジメントのステップ①とステップ②の紹介です。
これまで、あきらめや無力感により行動できなかったという方は、ぜひこの2つのステップから実践してみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、脳マネジメントについてまだまだ解説されています。
そのため、今あきらめや無力感によって、行動を起こすことができていないとう方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。