今回は、渡邉哲也さん著の『世界と日本経済大予測2025-2026』を紹介していきます!
本書の著者である渡邉さんは、経済評論家としてご活躍され、これまでの経済予測は、的中率9割を継続されています。
本書では、そんな驚異的な的中率を誇る渡邉さんによって、今後、世界と日本経済がどうなっていくのかという予測が書かれています。
この記事では、その本書の中から、日経平均株価はどうなるのか、生成AIバブルの崩壊が迫っている、安易な賃上げは命取りの3つについて紹介していきます!
世界と日本経済大予測2025-2026の要約
日経平均株価はどうなる?
2024年も、日経平均株価は大きな動きがありました。
まず、3月には、史上初となる4万円台を突破しました。
その後、7月に4000円を超える大暴落がありましたが、翌日に3000円戻すといった動きもありました。
さらに、9月には自民党総裁選の影響があり、日経平均株価は乱高下しました。
では、今後、日経平均株価はどうなるのか?
著者は本書で、いずれは5万円を超えるが、2025年は調整局面が続き、4万円前後から4万5000円あたりになるだろうと書かれています。
日経平均株価に大きな影響を与える要素として、まずは政治的側面が挙げられています。
10月1日から、石破内閣が発足し、石破首相が誕生しました。
しかし、著者は石破氏の党内基盤は弱く、長期安定政権となる可能性が低く、政治的混乱が市場に悪影響を与え続けると考えています。
そのため、いずれ日経平均株価は5万円を突破すると考えていますが、2025年にそれが達成されるとは言い切れないのです。
政治的混乱が市場に悪意影響を与えるとはいえ、日経平均株価がずっと下がり続けるかと言われると、必ずしもそうではありません。
日経平均株価が4万円を突破した大きな要因として、本書では新NISAを挙げています。
新NISAは2024年から開始され、以前のNISAとは異なり、年間の可能投資額が360万円まで引き上げれました。
私のチャンネルでも、新NISAについて書かれた本を紹介しておりますが、私はそういった本を読んで、新NISAが始まる少し前から積み立て投資を開始しました。
新NISAは大きな話題になっていたので、実際にそれまでは投資をすることを考えたことがなかったけれど、新NISAの影響で始めたという方も多くいるのではないでしょうか?
実際に金融庁の公表資料によると、NISAの口座数は約2323万件で、2023年と比べて9%アップ、累計買付額は41兆6000億円で、プラス17%になっています。
新NISAが開始してから、これだけのお金が市場に流れてきているのです。
また、新NISAが開始してから、特に注目を集めている積み立てNISAは、短期的な売買を繰り返す投資ではなく、毎月買い増していくことで平均値をとる投資であり、長期的に保有することが前提となっています。
そのため、今後の積み立てNISAで投資をする人が増えれば増えるほど、日経平均株価も長期的に上昇していくことが見込めます。
だからこそ、今後日経平均株価は上昇していき、いずれ始めた5万円を突破する可能性があるのです。
生成AIバブルの崩壊が迫っている
あらゆるところで、生成AIが今後社会を大きく変えると言われているので、もしかしたら、生成AIに関連する企業はこれからさらに伸びると考えている方もいるかもしれません。
しかし、現状は生成AIに関連する企業の経営状態は、決していいとはいえないのです。
実際にテスラは、多額のお金をAI関連に投資していますが、現状それに見合うだけの利益を生み出すことができていません。
計算では、約6000億ドルの年間収益が出ないと投資利回りが合わないとされていますが、2023-2024年にかけては、約1000億ドルしか収益を生み出せていないのです。
他にも、インテルは8月1日に全従業員の15%にあたる、1万5000人の人員削減を実施すると発表しています。
生成AIの進化はこれからだから、今は思うような利益が出なくても、将来に対する投資をするべきという考えもありますが、利益が出なければ、いずれ企業は撤退をするしかなくなってしまいます。
テスラ以外の生成AI関連の企業も、投資利回りが合うほどの利益が出せていないのが現状であり、近い将来に、生成AIバブルが起こる可能性は十分にあるのです。
また、AIの発展には、莫大な電力が必要とされています。
そのため、AIを発達されるためには、AI自体の進化に加えて、電力の供給拡大を進める必要もあるのです。
今私達の生活には、徐々にAIが導入されていっています。
私は最近チョコザップに通い始めたのですが、たくさんの防犯カメラとAIによって、無人店舗でもセキュリティが守られていたり、倒れている人がいたら検知して、リアルタイムで施設外にいるスタッフへ通知がされるそうです。
今後、AIが導入されるケースは増えていき、私達の生活の中でも、重要な部分をAIが担うことが多くなるかもしれません。
その時に、電力供給が間に合っていないと、予期せぬタイミングでAIが止まってしまうなんてことにもなります。
だからこそ、電力供給を拡大する方法や、電力消費を抑えるビジネスも狙い目があり、投資のチャンスがあると考えられます。
安易な賃上げが命取りになる
長年、日本では人手不足が問題として取り上げられてきました。
特に少子高齢化の影響により、働き手の減少が起こり、人手不足の問題はなかなか解消されません。
そこで、人手不足を解消するための手っ取り早い方法が賃上げです。
賃上げをすることで、これまで働いていなかった主婦層や、年金をもらい始めたばかりのシニアが、働く気になり、業界によっては人手不足が解消される可能性があります。
実際に私が高校生の時にしていたアルバイト先では、私が働いていた時の時給よりも、300円近く、時給が上がっており、びっくりしました。
賃上げをすれば、国民の可処分所得が増え、消費も活発になり、経済が活性化して株価が上がるという考えもあります。
本書では間違った考えであると書かれています。
それは、売り上げ上昇に見合わない賃上げをすれば、企業の収益は下がり、会社の価値も下がり、株価は下落するからです。
そのため、賃上げによって人手不足を解消したとしても、必ずしも景気や株価が改善されるわけではないのです。
実際に、飲食業界は人手不足というピンチを、自動化によってチャンスに変えています。
ファミレスに行くと、まずタブレットに人数を打ち込んで、席を指定してくれるところが増えています。
また注文は席に設置されているタブレットで行い、料理はロボットが運んでくれるところもあります。
このように、自動化をすることで、アルバイトを多く雇う必要がなくなり、人件費を削ることに成功しているところもあるのです。
実際に100席程度ある店舗でも、アルバイトが2、3人いれば足りるようになったところもあるそうです。
もちろん、中には人手が必要な作業や工程もあるので、人件費を0にすることはできませんが、企業努力によって、安易な賃上げをしなくても、人手不足の問題を解消することはできるのです。
むしろ、安易な賃上げによって、人手不足を解消しようとするところは、経営効率が上がらず、収益が下がり続けてしまう可能性があります。
そのため、今後は、企業に投資をする際にも、安易な賃上げで人手不足に対応しようとしていないか、人手不足のピンチから、経営効率をあげようと努力しているのかをみることも大切だと思います。
本書では、この記事では紹介しきれていない、2025-2026にかけての未来予測がまだまだ書かれています。
特に、二期目のトランプ政権によって、アメリカや世界がどう動くのか、今後の中国についてなども詳しく書かれていますので、興味のある方はぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。