今回は、モーガン・ハウセル氏著の『SAME AS EVER この不確実な世界で成功する人生戦略の立て方』を紹介していきます!
本書は、全世界で600万部越えの大ベストセラーとなった『サイコロジー・オブ・マネー』の作者による最新刊になります。
前著の『サイコロジー・オブ・マネー』では、一生お金に困らないためのマインドセットについて解説されていました。
そして、最新刊となる『SAME AS EVER』では、変化の激しい現代やこれからの時代でも変わることのないものについて書かれています。
そのため、本書を読むことによって、いつの時代でも変わることのないものを知ることができれば、これからどんな時代が来たとしても、豊かに幸せに生きていく方法を考えることができるようになります。
そこでこの記事では、その本書の中から、未来は予測できるのか?幸せの法則とは?楽観と悲観のどちらが大切か?の3つについて紹介していきます!
SAME AS EVERの要約
未来は予測できるのか?
本書では、本来、私たちは未来の予測することがとてもうまいと書かれています。
しかし、それは予想外の出来事が起こらなければという前提のもとです。
予想外の出来事というのは、言葉の通り、誰も予想できていない出来事なので、誰も事前に備えることができていません。
だからこそ、予想外の出来事が起こった時のダメージは大きくなるのです。
直近で起こった予想外の出来事といえば、新型コロナウイルスによるパンデミックが挙げられます。
新型コロナウイルスが蔓延する前から、近々世界的に病気が流行るから、それに備えておかなくてはと、未来を予測して備えていた人は、どれだけいるでしょうか?
もしかしたら、疫病の学者さんなど、ごく少数、近いうちにパンデミックが起こると予期していた人もいるかもしれませんが、ほとんどの人はパンデミックが起こるとは思わずに生活をしていたと思います。
だからこそ、新型コロナウイルスによるパンデミックが起こった時に、私たちは大きなダメージを被ることになったのです。
歴史的に見ると、新型コロナウイルス以外にも、アメリカ同時多発テロや世界恐慌など、人が予測できなかった、大きな出来事はたくさんあります。
特に、経済では好況の後に不況がやってくるというのは、歴史を振り返れば、法則のようなものだと考えられるのに、誰も世界恐慌を予測することはできなかったのです。
当然現代の私たちは、1920年代に起こった世界恐慌について、「好況のあとは、不況が起こるよね」と必然のように考えられますが、その当時を生きていた人々は予測できなかったのです。
そして、世界恐慌に備えることができていなかったからこそ、多くの人が職を失い、企業は倒産していったのです。
世界恐慌も新型コロナウイルスも、予測できていれば、事前に備えることができ、ダメージを小さくすることができたと思います。
そのため、私たちにとって最大のリスクとは、私たちが想像に及ばないことなのです。
そして、予想できないからこそ、事前に計画を立てることは不可能です。
だからこそ、未来を予測するのではなく、備えることに注力しろと本書でかかれています。
日本でも南海トラフ地震が起きると言われていますが、いつ、どれくらいの規模で発生するのかわかりません。
ですが、いつかは起こるということがわかっているので、普段から地震に備えておくのです。
そうすることで、いざ地震が起きたときにも、リスクを少なくなる可能性があります。
それに加えて、想定できないリスクへの備えは まるでできていない事実に気づくことも大切です。
想定できないリスクへの備えはまるでできていないからこそ、将来のための貯蓄は少し貯めすぎているかなと感じるくらいが丁度いいのです。
そうすることで、将来予想外の出費がでたときにも、対応することができます。
そのため、普段から予測よりも備えに注力すること、そして、その備えさえも想定できないリスクへは十分にできていないことを意識することが大切です。
幸せの法則とは?
本書では、幸せとは自分の持つ期待の大きさにかかっていると書かれています。
多くの人にとって、幸せに生きるためには、期待を大きくしすぎないことが重要なスキルになります。
私達の生活は、50年前、60年前と比べて、すごく豊かになりました。
しかし、アメリカ人国民は、「アメリカのきちばんよかった時代はいつか?」と聞かれると、たいていは1950年代が上位にくるそうです。
たしかに、1950年代の平均所得では、家庭を築き、約3人の子どもを養うことができ、質素な住宅なら購入できました。
しかし、1955年のインフレ調整後の世帯年収の平均は29000ドルに対して、1965年は42000ドル、2021年は70784ドルと上がっているのです。
また、家の広さも、現在の三分の一、食費が家計に占める割合は、1950年代は29%だったのにたいして、現在は13%ほどなのです。
さらに職場での死者数は、今の3倍にもなっています。
それにも関わらず、多くの人が今よりも幸せを感じることができたのはなぜか?
それは、周りも同じくらい賃金が低く、みんな狭い家に住んでいたからです。
また、近所の人もまともに医療が受けられない、おさがりの服を着るのは当たり前だったからこそ、その状況をみんなが受け入れていたのです。
しかし、現代は以前のように、多くの人が同じような暮らしをしているわけではありません。
収入の格差は広がっていますし、SNSの登場により、自分よりも裕福な人の暮らしを目にすることができるようになりましま。
そうなることで、自分と自分よりも裕福な人の暮らしを比較するようになっていったのです。
その結果、あれがほしい、これがほしい、他の人にはあって、なぜ自分にはないと、どこまでも満たされない欲望に支配されるようになってしまうのです。
実際に、マッチングサイトを設立したゲイリー・クレメンは、43歳で資産1000万ドルを持っていましたが、それでも週に60〜80時間働き続けていたそうです。
その理由は、シリコンバレーには資産1000万ドルを持っている人は、たくさんいて、自分はのんびりしていられるほど、裕福ではないと思っているからです。
このように、例え1000万ドルの資産を築けたとしても、周りにもっと資産を持っている人がいれば、1000万ドルで十分だと感じられず、もっと上を欲するようになってしまうのです。
もちろん、周りに自分よりも裕福な人がいて、その人のようになりたい、自分ももっと裕福になりたいと思うことは、原動力になります。
しかし、自分の期待を制御することをおぼえなければ、いくらいい方向へ進めていたとしても、自分の高い期待により、自分の人生は少しも良くなっていないと感じるようになってしまうのです。
当然、それは幸福な人生ではないと思います。
だからこそ、本書では、まずは富と幸福について、すでに手に入れているものと、期待しているものがあることを常に心にとどめておくべきだと書かれています。
すでに手に入れているものと、期待しているものの両方が等しく重要なものであるとわかれば、過度な期待によって、より多くのものを欲してしまうことを防ぐことができます。
また、期待値を自分でコントロールすることも大切です。
あれがほしい、これがほしいと言っているのは、そのもの自体が本当にほしいと感じているわけでこともあると思います。
期待していることと、実際に起こったことのギャップを感じたいからこそ、より多くのものを欲しているのです。
そのため、意識して自分の期待値をコントロールすることも、幸福な人生を送るためには必要なのです。
楽観と悲観のどちらが必要?
よく、楽観と悲観は相反するものとして考えられることがあります。
幸せになりたければ悲観的に考えてはダメだという考えもあれば、楽観的に考えると失敗が増えるという意見もあります。
では、楽観と悲観はどちらのほうが大切なのか?
本書では、進歩には楽観と悲観の両方が必要であると書かれています。
よく人はどちらかを選びがちですが、楽観と悲観のバランスをとることが、人生において重要なスキルになります。
資産形成やキャリア、人間関係など、人生においては、短期的にも長期的にも考えることが大切なものがたくさんあります。
その中で、長期的に継続して、成長していくためには、悲観主義者のように計画して、楽観主義者のように夢を抱くことが大切です。
例えば、資産形成の場合、楽観的に考えすぎてしまうと、破産してしまう可能性が高まります。
かといって、悲観的に考えすぎてしまうと、投資をすることが怖くなってしまい、資産形成には投資が大切だとわかっていても、行動に移せなくなってしまいます。
だからこそ、計画を立てるときには、悲観的に考えては、いざ投資をするときは楽観的に考えることが大切なのです。
大学を中退して、マイクロソフトを立ち上げた、ビルゲイツでさえ、自信家でありながら、パラノイアといわれるほどの心配症なのです。
大学を中退してまで、各家庭にコンピューターが置かれるべきだと考えて、行動に移すことができるのは、かなりの自信があったからこその行動だと思います。
しかし、ビル・ゲイツはマイクロソフトを立ち上げたその日から、収益がたとえ12か月間途絶えたとしても、会社が存続できるだけの現金を口座にいれておくことにこだわっていたそうです。
それは、テクノロジー業界の移り変わりは激しく、翌年のビジネスも保証されていない業界だからです。
このように、ビルゲイツも、長期的には楽観的な見方をしつつも、短期的には悲観的な見方をしていたのです。
そのため、楽観と悲観はどちらがいいというわけではなく、成長のためにはどちらも必要な要素であり、バランスをとることが大切なのです。
本書では、この記事では紹介しきれていない、どんな時代が来ても賢く生き残るための人生の教訓がまだまだ書かれています。
そのため、変化の激しいこれからの時代も幸せに生きるための方法を知りたい、どんな時代も変わらない人間の心理を知りたいという方は、ぜひ本書を読んでみて下さい!
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ではでは。