今回は、安藤広大さん著の『パーフェクトな意思決定』を紹介していきます。
皆さんには、自分で決めることを避けてしまい、他の人に委ねてしまう、検討しますという言葉を使ってしまうという悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です。
私たちは、仕事に限らず、あらゆる場面で意思決定をすることが求められます。
ですが、意思決定をすることから逃げていては、なにも得ることはできませんし、成長することができません。
そこで本書では、株式会社識学の代表取締役社長を務め、シリーズ150万部を突破した、『リーダーの仮面』シリーズを書かれた著者によって、全ビジネスパーソンが身につけるべき、パーフェクトな意思決定について解説されています。
この記事では、その本書の中から、意思決定を恐れてしまう理由、パーフェクトは意思決定とは、意思決定の3つの箱の3つについて紹介していきます!
パーフェクトな意思決定の要約
意思決定を恐れてしまう理由
意思決定をすることは、簡単なことではありません。
自分で決めることに怖さを感じてしまったり、本当に自分の選択が間違っていないか不安を感じた経験が、皆さんにもあると多います。
では、なぜ自分で意思決定をすることは怖いのか?
本書では、「ほとんどの物事は、賛否両論で構成されている」からであると書かれています。
例えば、最近また話題になっているリモートワークを継続するか、出社に戻すかという問題も、賛否両論が出てきます。
リモートワークの方が、出勤する手間がないので、体力的にも働きやすいという考えもあれば、リモートだとサボる人がいるから、出社の方が生産性が高くなるという考えもあると思います。
このように、あらゆる物事には、賛否両論があり、自分の意思決定の結果には、必ず否定的な意見が出てきてしまうので、意思決定をすることが怖くなってしまうのです。
しかし、ほとんどの物事は賛否両論で構成されている限り、否定的な意見が出てきてしまうことは避けられないことであり、意思決定をするためには、その事実を受け入れなければいけません。
また決めないで、保留し続けることは、ゼロではなくマイナスの状態なのです。
それは、決めずに保留していることで、意思決定していれば本来得られた結果を失ってしまうという機会損失が生まれているからです。
その機会損失を生まないためにも、人と働くビジネスパーソンは、意思決定ができるようになる必要があり、決め方を決めておくことが大切なのです。
もちろん、自分で決めた結果、失敗したり、うまくいかないこともあると思います。
ですが、うまくいかなかったという結果から学ぶことができれば、次回はより良い意思決定ができるようになり、成長することができます。
逆に、誰かに決めることを任せて、失敗したとしたら、「あの人の意思決定が間違っていた」と、結果を否定するだけで、成長できない人になってしまいます。
そのため、ビジネスにおいて機会損失を生まないためにも、自分を成長させるためにも、パーフェクトな意思決定を身につけることが大切なのです。
パーフェクトな意思決定とは?
パーフェクトな意思決定と聞くと、即決で正しい意思決定が一発でできることだと思われるかもしれません。
もちろん、瞬時に正しい決定ができることは理想ですが、本書で書かれているパーフェクトな意思決定は、最初から100%正しい決断ができることではありません。
本書では、パーフェクトな意思決定とは、水のようにしなやかに、間違えることを前提とした無敵の思考法であると書かれています。
誰だってミスや失敗をすると、「他の人に知られたくない」「失敗したと思われたくない」といった、ネガティブな感情が出てきてしまうと思います。
しかし、だからといって、うまくいっていないのに、一度決めたことをそのまま、やり続けても、決していい結果は出ません。
そのため、自分の意思決定が間違っていたと判明したら、前言撤回をして、修正をする必要があります。
人の上に立つリーダーであるほど、堂々と前言撤回をすることが求められますし、周りも間違った人を責めない環境を作る必要があり、修正すること=成長であると認知を変えることも大切です。
そして、パーフェクトな意思決定をするためには、いったん結論を出すというマインドを持ちましょう。
みんなが賛成する意見もなければ、絶対に正しいという選択もありません。
だからこそ、仮説のまま、いったん正しいということにしておいて、物事を進めていくのです。
さらに、意思決定をする際には、感情をわきにおいておくことも大切です。
感情的に流されてしまうと、普通の状態であれば、選ぶことができた選択がとれなくなってしまい、取り返しのつかないミスにつながってしまう可能性があります。
もし、自分が好きな人が間違った意見をいっていて、嫌いな人が正しい意見をいっていた場合、当然採用するのは、嫌いな人が言っている意見です。
しかし、感情的になってしまい、「あいつの言っていることは受け入れられない」となってしまうと、正しい意思決定をすることができなくなってしまいます。
他にも、怒りに任せて意思決定をしてしまったり、無気力でぼーっとしており、適当に意思決定をすることも避けるべきです。
そのため、意思決定をする時には、感情をわきにおいておくことが大切なのです。
意思決定には3つの箱がある
全ての物事が、即決で決められるわけではありません。
中には、時間をかけて考えなければいけないものや、今決めるには、持っている知識や情報が少なすぎることもあると思います。
そこで、意思決定をするときには、次の3つの箱に振り分けるようにしましょう。
①即決という箱
②情報不足という箱
③期限を設定するという箱
『パーフェクトな意思決定』の要約
まず、①即決という箱は、情報が十分にあり、選択肢が明確にあるような時に振り分けます。
例えば、経費の申請を紙でやっていたが、リモートワークが導入された場合、経費の申請を電子化する必要があります。
これまで紙の申請で慣れている人もいるからという理由で、決断ができないと、経費の申請をするために、出社するという、無駄なことが発生してしまいます。
また電子化することへの意見をメンバー全員に聞いていては、聞くだけで時間がかかってしまいますし、中には反対意見も出てきて、判断が難しくなってしまうこともあります。
そうであれば、経費の申請は電子化すると即決することで、後からメンバーが申請できるようにマニュアルを配布するという行動もできます。
続いて②情報不足という箱は、意思決定の難易度が高めで、情報が不十分だと思う時に振り分けます。
例えば、社内で新しいサービスを立ち上げるかどうかを意思決定する場合、そのサービスについて精通しているメンバーがいない状態では、情報を集める必要があります。
その場合は、必要な情報を特定してあげて、それを集めるために、部下にタスクを与え、プレゼンなどをしてもらうといった行動を取ることができます。
そして、部下のプレゼンを聞いた上で、新しいサービスを立ち上げるかどうかを意思決定すればいいのです。
最後に、③期限を設定するという箱は、決めるための情報を得るために時間が必要な時に振り分けます。
先ほどの例のように、新しいサービスを立ち上げた後、売り上げを伸ばすために、料金をあげたり、そもそも継続するべきかなど、意思決定をしなければいけない場面があると思います。
こういった意思決定は即決で行うことは難しく、実際にサービスを運用して、データを集めるなど、ある程度の時間が必要です。
とはいえ、いつまでも意思決定を先延ばしにするわけにもいきません。
そこで、1ヶ月後や半年後に決定するといったように、最初に期限を設定することが大切です。
以上が、意思決定の3つの箱です。
この3つの箱に入れないのは、個人や組織が止まってしまっている状態であり、機会損失が生まれてしまいます。
そのため、意思決定をする必要がある時には、この3つの箱のいずれかに振り分けるようにしましょう。
そして、意思決定をする時には、なんでもかんでも即断即決がいいというわけではありません。
なんの情報もなく、なんの考えもなしに決めることは、意思決定ではありません。
そのため、現状を見極めた上で、どの箱に振り分けるべきかを考えることが大切です。
ぜひ、この3つの箱を意識して、意思決定を行なってみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、全ビジネスパーソンが身につけるべき、パーフェクトな意思決定について、まだまだ解説されています。
そのため、これまで自分で決めることを避けてきたという方や、リーダーなど、意思決定をしなければいけない立場にいるという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。