今回は、マット・エイブラハムズ氏著の『Think Fast, Talk Smart』を紹介していきます!
皆さんには、会議などで急に意見を求められるとうまく話せなくなってしまう、急に話を振られるのが怖いといった悩みはないでしょうか?
本書は、そういった方に役立つ1冊です!
本書では、スタンフォード大学経営大学院でスタンフォード生から人気を誇る、急に話を振られても困らないアドリブ力を身につけるための講義の内容がまとめられています。
そのため、本書に書かれていることを実践することで、会議などで急に意見を求められても、自分の考えを堂々と、わかりやすく伝えることができるようになります。
この記事では、その本書の中から、急に話を振られたときに気持ちを落ち着ける方法とアドリブにも型があるの2つを紹介していきます!
Think Fast, Talk Smartの要約
気持ちを落ち着ける方法
いきなり話を振られると、緊張してしまい、頭が真っ白になってしまうという方も多くいると思います。
もしかしたら、中には、そんな場面を想像しただけで、脈拍が早くなってしまうという方もいるかもしれません。
特にそういった方は、まずはいきなり話を振られたときに、気持ちを落ち着かせる方法を押さえることが効果的です。
本書では、私たちが不安を感じるときに起こる症状には、感情面、行動面、認知面の3つに分類できると書かれています。
本書では、それぞれの分類ごとに対処法がいくつか解説されていますが、この記事では一つずつ紹介していきます。
まずは感情面です。
感情面は、周囲から急に注目を浴びて、ストレスを感じたり、恐怖感を感じるといった症状があります。
この感情面の症状を和らげるためには、緊張を興奮と捉えるようにしましょう。
実際に行われた実験でも、人前で話す前に、楽しみで興奮していると、声に出して自分に言い聞かせることで、パフォーマンスが向上することが明らかになりました。
身体への影響は、不安も興奮もあまり大差ありません。
不安を感じている時も、興奮している時も、どちらも体が強い警戒状態になっています。
そのため、不安を興奮に置き換えてあげる事で、パフォーマンスをあげることができるのです。
続いては、行動面です。
行動面は、汗をかいたり、震えたり、言葉につかえたりする症状が現れます。
そういった症状は、呼吸によって対処していきましょう。
腹式呼吸を行うことにより、心拍数を下げて、気持ちを落ちつかせることができます。
気持ちが落ち着くことで、口調もゆっくりなるため、言葉につかえてしまい、さらに焦ってしまうということが防げます。
呼吸をするときには、吐く息を吸う息の2倍に長さにしましょう。
神経科学者のアンドリュー・ヒューバーマン氏が行った実験によると、不安の緩和に効果があるのは、息の吐き出しだということがわかっています。
そのため、吐く息を吸う息の2倍にすることで、効果的に不安を軽減することができるのです。
最後に認知面では、あがってしまい頭の中が真っ白になってしまう、いうべきことを忘れてしまうといった症状が現れます。
そして、自分に向けられた視線ばかりに意識がいってしまい、聞き手のことを考える余裕がなくなってしまうのです。
認知面の症状へ対処するためには、直前の話を繰り返したり、質問をすることが効果的です。
頭の中が真っ白になってしまっては、すぐに話す内容を考えることができません。
そのため、直前の話を繰り返したり、質問をすることで、気持ちを落ち付かせるための時間を稼ぐことができます。
直前の話を繰り返すと聞くと、周りからくどいと思われないか?と感じる方もいるかもしれません。
もちろん、何回も繰り返すと不自然になってしまいますが、2、3回程度であれば問題ありません。
むしろ、重要なポイントを繰り返すことで、頭の中で情報がしっかりと整理されたり、理解力が上がります。
そのため、同じ話を繰り返すことは、気持ちを落ち着かせるだけでなく、話を理解して、よりよい発言をするためにも役に立つのです。
この記事では、感情面、行動面、認知面の対処法を1つずつ紹介してきました。
本書では、対処法がまだまだ解説されているので、ぜひ参考にしてみてください。
アドリブにも型がある
先ほどは、いきなり話を振られたときにも気持ちを落ち着かせる方法を紹介しました。
もちろん気持ちを落ち着かせることは大切ですが、それだけでは、うまく答えることができません。
そこで、いきなり話を振られたときに、すぐに答えられるように、話の型を用意しておきましょう。
もしかしたら中には、いきなり話を振られたら、アドリブで話さないといけないんだから、型なんて意味がないじゃんと思われる方もいるかもしれません。
ですが、アドリブで話さなければいけないからこそ、型を用意することが大切なのです。
私たちが即答を求められるとき、頭の中では、何を話すかとどう話すかの2つの問題を考えます。
何を話すかは、そのときに振られた話の内容によって変わります。
そのため、ある程度は事前に予想して準備をすることはできたとしても、完璧に網羅することはできません。
一方で、どう話すかは事前に型を用意しておくことで、準備することができます。
そして、どう話すかが準備されれば、考えるべきことは、何を話すかだけに絞られます。
さらに、型があることで、話が脱線してしまったり、長々と話してしまうことを防ぐことができます。
そのため、いきなり話を振られても、聞き手によって理解しやすく、的を得た回答を即答することができるのです。
では、具体的にどんな型を用意すればいいのか?
本書では、さまざまな型が解説されておりますが、まずは「何ーそれが何ーそれで何」の型を使えるようにするといいと書かれています。
最初に、アイデアやトピック、意見などの何を明らかにします。
そして、その重要性や利便性、有用性といった、それが何を説明します。
最後に、それまでの情報を踏まえて、何をするべきかといった、それで何を説明していきます。
例えば、会議で残業を削減するための方法はないか、急に話を振られたとします。
そこで、「何ーそれが何ーそれで何」を使うと、次のような説明が考えられます。
ケツカッチン仕事術が効果的だと思います。(何)
ケツカッチン仕事術は、樺沢紫苑さん『神・時間術』の中で紹介されていた仕事術で、外せない予定を後ろに入れることによって、強制的に集中力を高める方法です。
集中力はやり始めと終わり際に高まることがわかっており、時間制限を設けることで、両方の効果を受けることができ、仕事の生産性が上がります。(それが何)
そのため、残業時間を減らすために、ケツカッチン仕事術で生産性を上げませんか?(それで何)
このように、事前に型を用意しておくことで、いきなり質問を振られても、筋の通った、わかりやすい返答を即興で作ることができるのです。
そして、型をすぐに使えるようにするためには、普段から練習をする必要があります。
YouTubeでは、アドリブでダンスをしたり楽器を演奏する動画が大きな注目も集めていますが、アドリブでできるようになるためには、当然それまでの多くの練習が必要です。
アドリブで話すことも、ダンスや楽器の演奏のように、事前の練習が必要なのです。
とはいえ、練習といっても、そんな難しいものではありません。
本書では、新聞や本などの活字を読むときに、「何ーそれが何ーそれで何」の型を使って、プレゼンをまとめるという練習法が紹介されています。
書かれているテーマは何か、その情報にはどんな有益性があるのか、その情報を今後どう活かしていくつもりかといったことをまとめていきます。
これを繰り返していくことによって、徐々に型にはめて思考を整理していくことに慣れることができます。
この練習法なら、スマホがあればどこでも行うことができると思いますので、型を身につけたいという方は、ぜひ試してみてください。
また本書では、今回紹介した「何ーそれが何ーそれで何」の型以外にも、様々な型が紹介されています。
まずは「何ーそれが何ーそれで何」の型を身につけることがおすすめですが、さらにバリエーションを増やしたいという方は、ぜひ本書を参考にしてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、急に話を振られても困らないためのアドリブ力を身につける方法が、まだまだ解説されています。
そのため、急に話を振られるのが怖い、会議で意見を求められるとうまく発言できないといったことで悩んでいる方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。