今回は、デヴォン・プライス氏著の『怠惰なんて存在しない』を紹介していきます!
皆さんは、休むことに罪悪感を感じてしまい働きすぎてしまう、限界なのに周りから怠惰だと思われたくなくて頑張り続けてしまうといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書では、社会心理学者である著者によって、現代社会を生きるすべての人が知るべき、怠惰の効果について解説されています。
この記事では、その本書の中から、3つの怠惰のウソ、なぜ人は怠惰な気分になるのか、スマホダラダラが生産性を上げるの3つについて紹介していきます!
怠惰なんて存在しないの要約
3つの怠惰のウソ
なぜ、人は休むことに罪悪感を感じてしまうのか?
それは、のんびりするよりも、忙しく働く人の方が価値がある、生産性が低いよりも生産性が高い人の方が価値のあるといった、怠惰のウソが染み付いてしまっているからです。
この怠惰のウソは、実際に口に出して言う人は少ないかもしれませんが、多くの人にとっては、当たり前の価値観になっていると思います。
そして、本書では怠惰のウソには3つの原則があると書かれています。
①人の価値は生産性で測られる
②自分の限界を疑え
③もっとできることはあるはずだ
『怠惰なんて存在しない』
それぞれの原則について、これから紹介していきます。
まずは①人の価値観は生産性で測られるです。
大人になって仕事についていない人を見ると、軽蔑とまではいかなくても、あまり良くは感じないと思います。
実際に仕事をしていない人も、病気やケガが理由で仕事ができなかったとしても、仕事をしていないことが恥ずかしいと感じてしまい、あまり表立って言わないと思います。
実は私も適応障害を患ってしまい、休職をしていた期間がありましたが、周りからどう思われるか不安に感じてしまい、友人や家族と会うことを避けていました。
また働いていたしても、生産性が低い人は、職場では敬遠され、仲間ハズレにされてしまうこともあると思います。
その結果、本当はギリギリでも、働き続けないと、自分は価値のない人間になってしまうという恐怖から、休むことができなくなってしまうのです。
続いて2つ目の原則が、自分の限界を疑えです。
スケジュールが埋まってしまっているのに、人から仕事を頼まれると引き受けてしまうという人はいないでしょうか。
そういった方は、仕事がなくなって、自分が怠惰になってしまうのを恐れてしまっているのです。
また本当は自分が怠惰な人間なのではないか、やる気のない人間なのではないかという不安に襲われ、それをかき消すために働き続けてしまうのです。
そのため、疲れたり、眠くなったとしても、それが休息が必要なサインであることに気づかず、もっとできるはずだと限界を超えても、休みを取ろうとしないのです。
最後に3つ目の原則が「もっとできることはあるはずだ」です。
怠惰のウソによって、私たちは、あれもこれもやらなければいけないと思わされてしまうのです。
仕事が終わっても、家事、料理、運動、勉強、副業など、終わっても終わっても、やらなければいけないことが出てきてしまうのです。
やらなければいけないことに天井はなく、際限なく次はこれ、次はあれと、怠惰のウソはやるべきことをやれと際限なくいってきます。
その結果、穏やかにゆっくりと生きることが怖くなってしまうのです。
以上、ここまで怠惰のウソの3つの原則を紹介しました。
今、過剰に働きすぎている人や、休むことが怖くてゆっくりできないという方は、おそらく3つの原則のどれかに陥ってしまっているのではないでしょうか?
燃え尽き症候群やうつ病などになってしまう前に、ぜひ一度自分が怠惰のウソに陥ってしまっていないか考えてみてください!
なぜ怠惰な気分になるのか?
「今日は仕事をしたくない」
「しばらくぼーっとしていたい、だらだらしたい」
このように、怠惰な気分を感じることは誰しもあると思います。
もしかしたら、毎日怠惰な気分を感じているよという人もいるかもしれません。
中には怠惰な気分を感じることに罪悪感を持っている方もいるかもしれませんが、あなたが怠惰な気分を感じることは当たり前のことなのです。
そもそも私たち人間は、週に40時間も働くようにはできていません。
一日8時間も、反復作業や気を使う作業に耐える心と体は持っていないのです。
それにも関わらず、多くの人は自分の限界を超えて、働き続けようとしてしまうのです。
そのため、私たちの体と脳が完全に壊れてしまう前に、段階的に「ブレーキをふめ」「生産性よりも健康を優先せよ」と信号を送ってくれるのです。
その信号を無視して、「怠けるのは良くない」「もっと生産的にならないと」と考えてしまい、働き続けてしまうと、最終的には燃え尽き症候群やうつ病などの病気にかかってしまうのです。
私たちの体はお腹が空くと、お腹がなり、胃酸が出てお腹の調子が悪くなり、気分が悪くなります。
また睡眠不足になると、頭が痛くなったり、集中できずに寝たくなります。
このように私たちの体は、足りないものを得ようと体が働きかけてくれるのです。
それと同じように、働きたくない、だらだらしたいと感じることは、身体と脳が休息を必要としているサインであり、決して悪いことではないです。
スマホダラダラで生産性が上がる
本書では、怠惰が持つ様々な効果が紹介されておりますが、この記事では、怠惰によって生産性が向上するということを紹介していきます。
怠惰によって生産性が向上すると聞くと、だらだらして生産性が向上するわけがないと感じる方もいるかもしれません。
しかし、実際の研究からだらだらする時間があることで生産性が上がることがわかっています。
社会科学の研究では、ネット上でぶらぶらすることを、サイバー・ローフィングと呼ばれています。
おそらく皆さんも、仕事で疲れた時に、スマホでネット記事などをだらだら読んでしまったことがあると思います。
サイバー・ローフィングは、多くの職場ではサボりとみなされており、生産性を下げる要因として語られることがあります。
実際にサイバー・ローフィングによって起こる生産性の損失は年間540億ドルにも上るという調査結果も出ているほどです。
しかし、サイバー・ローフィングによって起こる生産性の損失を計算した調査では、サイバー・ローフィングの時間がまるまる生産的に使われた場合を仮定しており、働く人が怠惰になることは想定していないのです。
ですが、一日8時間、休憩時間以外、全て生産的に作業できることはないと思います。
デスクに座ってパソコンで作業をしていたとしても、頭がぼーっとしてしまい集中できない時間や、仕事とは関係のないことを考えてる時間もあると思います。
そのため、単純な計算でサイバー・ローフィングが悪であることを決めつけるべきではないと思います。
また、サイバー・ローフィングは悪いもの、サボりであるというイメージが強いですが、実はポジティブな効果もあるのです。
実際に2017年にエチオピアの行政補佐官を対象に行われた研究では、短時間のサイバー・ローフィングが退屈な事務仕事を片付けるのに役立っていたことがわかりました。
長時間の作業には飽きがきてしまいますが 、サイバー・ローフィングを挟むことによって、精神的にリフレッシュすることができ、仕事を再開する気力が回復するのです。
その結果、生産性を保つことができ、仕事を片付けることができるのです。
他にも、サイバー・ローフィングによって、チームがうまく機能するようになり、課題に対して、ユニークな解決策を考えることができるようになると示す研究もあります。
このように、サイバー・ローフィングはサボりだと思われているのですが、短時間のサイバー・ローフィングであれば、生産性を保つことや、創造性の向上に役立っているのです。
とはいえ中には、サイバー・ローフィグをしていたら、上司から怒られてしまう、評価が下がるのが怖いといった人もいると思います。
そういった方は、少し休憩がてら同僚と話したり、お茶やコーヒーを淹れにいく、トイレに行くなど、別の方法でリフレッシュする時間を作ることができると思います。
今思い返してみると、私が適応障害を患った時は、転職先がとても厳しく、常に見張られているような環境でした。
そのような環境でお昼休み以外の時間は、一息つく間もなく、頭が働かなくても、作業をしていました。
あまりにも限界がきてしまい休職前の1週間は、仕事中に吐き気や動悸が出てくるようになり、毎日フラフラになりながら仕事をしていました。
当時の私はそれでも、転職したばかりだから仕事は休めないと感じてしまい、休日にも仕事をしてしまうよう状態でした。
今となっては異常だったなと感じることができるのですが、当時は私は自分の体が発しているサインに気がつくことができず、結局壊れるところまでいってしまいました。
あの当時に、もっとうまく息抜きをすることができたり、やめるという選択肢をとることができていればよかったのかなと思います。
転職したばかりで仕事を辞めたらダメだと思い込んでいましたが、適応障害になってから休職をしたのち、別の会社に転職することができ仕事を続けることができています。
だららこそ、私の経験からも怠惰を悪だとみなすことは危険なことであり、疲れた時は休憩する、集中できなくなったら、他のことでリフレッシュするといったことは大切なことだと思いました。
本書では、この記事では紹介しきれていない怠惰にまつわることが、まだまだ紹介されています。
そのため、休むことに罪悪感を感じてしまい、オーバーワークが習慣化してしまっているという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。