今回は、ピュートル・フェリクス・グジバチさん著の『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』を紹介していきます。
皆さんは、仕事場での雑談に苦手意識を持っていないでしょうか?
何を話したらいいかわからない、いつも当たり障りのない話題ばかりで盛り上がらないと様々な悩みがあると思います。
本書はそういった方に役立つ一冊です!
本書では、モルガンスタンレーを経て、グーグルで人事開発、組織改革、リーダーシップマネジメントに従事されていた著者によって、世界の一流ビジネスマンは、どういった意識で雑談をしているのか、また何を話しているのかが書かれています!
こちらの記事では、日本人と世界の一流の雑談の違い、また世界の一流がどういった雑談をしているのかについて紹介していきます!
世界の一流は「雑談」で何を話しているのかの要約
日本人の雑談と世界の一流の雑談の違い
なぜ日本のビジネスマンは雑談が苦手なのか?
それは、雑談を本題に入る前のイントロだと考えているからです。
本題に入る前のイントロだと考えてしまっているが故に、無難な話題を選び、相手に失礼にならないことを祈りながら、手探り状態で雑談をスタートさせてしまうのです。
その結果、「今日は暑いですね」のような、特に意味を持たない話題ばかり振ってしまうのです。
そして、手探り状態で無難な話題ばかり口にしていると、「話が途切れてしまうのではないか?」「どうでもいいと思われていないか?」といった不安が、どんどんと出てきてしまいます。
そのため、雑談と言われると何を話していいかわからない、雑談をするのが苦手だという人が多くいるのです。
一方で世界の一流は、明確な意図や目的を持って、雑談を武器として活用しています。
特に、世界の一流のビジネスマンが雑談を通して「手に入れたい」と考えているのは、次の3つのことであると本書では書かれています。
①お互いに「信頼」できる関係を築く
②お互いが「信用」できることを確認する
③お互いを「尊敬」できる関係を作る
このように、世界の一流は雑談を通して、信頼、信用、尊敬のある関係、ラポールを作ることを目的としています。
もちろん、ビジネスにおける最終的な目標は成果を挙げることです。
そこで、世界に一流は成果を挙げるための第一ステップとして、ラポールを作る為に雑談を活用しています。
もちろん、日本のビジネスマンも相手と信頼関係を築こうと雑談をしていると思います。
しかし、世界の一流ほど雑談の目的を明確をイメージできていないために、天気や世間話ばかりを話してしまいます。
残念ながら、そういった雑談ではその場しのぎになったとしても、相手とラポールを築くことはできず、成果に繋げることができません。
このように、日本人が何とか場を和ませて、その場を乗り切ろうと雑談をする一方、世界の一流は相手とラポールを築くという明確な目的を持って雑談を活用しています。
では続いては、世界の一流が雑談の前にやっていることを紹介していきます。
世界の一流が雑談の前にやっていること
皆さんは、雑談のための準備をしているでしょうか?
そもそも雑談に準備なんて必要なのかと思われるかもしれません。
しかし、欧米のビジネスマンは、しっかりと事前準備をして雑談に臨んでいると本書では書かれています。
IRレポートなどを読み、相手先の会社について情報を集めることはもちろん、話す予定の相手のSNSを確認する、同僚や友人、知人を通して「相手はどんな人なのか?」という情報を徹底的に調べるそうです。
そうすることで、相手がどんな情報を求めているのか、何を知りたがっているのかといったことが明らかにして、その相手に適した雑談をすることができます。
また、相手が最近悩んでいることなどから、役に立つ情報を提供することで、相手とのラポールを築くことができます。
このように、世界の一流は事前に相手に合わせて武器を用意して、雑談に臨んでいるのです。
雑談は何とかその場を凌ぐために行うためのものではなく、事前に準備をした上で、相手に合わせて行うものなのです。
もしかしたら、雑談のための事前準備として、相手のことを調べあげることは、あまりやったことがなく抵抗がある方もいるかもしれません。
ですが、天気の話など目的もなく雑談をする人ではなく、雑談を相手との関係性を築くために活用して、その成果に繋げようとする人が一流と呼ばれる人になるのだと思います。
また、これから色んな国の人と働く機会が増える中で、自分が活躍するためには、日本人の感覚ではなく、世界の感覚も身につけておくことが大切だと思います。
では最後に、相手とラポールを作るための雑談について紹介していきます。
相手とラポールを形成するための雑談とは?
先ほどは、世界の一流は相手に合わせて事前に武器を用意して雑談に臨むとお伝えしました。
しかし、これは相手に好意を持ってもらうために、相手を喜ばせるような話題や楽しませる話題ばかりを提供することではありません。
ビジネスの場では、相手をヨイショしてばかりではラポールを築くことはできません。
本書では、ラポールを作るためには次の3原則があると書かれています。
①相手が「何を大切にしているか?」を知る
②相手が「何を正しいと思っているか?」を知る
③相手が「何を求めているか?」を知る
この三原則を知ることで、相手とラポールを作ることができます。
では、どうすればこの三原則を知ることができるのか?
本書では、次の7つの質問で三原則を知ることができると書かれています。
①あなたは仕事を通じて何を得たいですか
②それはなぜ必要ですか
③何をもっていい仕事をしたと言えますか
④なぜ今の仕事を選んだのですか
⑤去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか
⑥あなたの一番の強みは何ですか
⑦あなたは今どんなサポートが必要ですか
この7つの質問は、①と②は相手の価値観や信念、③と④は仕事の基準やモチベーション、⑤は自分の成長、⑥と⑦は仕事の進め方や協力体制を知ることができると、本書で書かれています。
これらの質問は、そのまま使ったり、雑談の初めにしてしまうと、相手も戸惑ってしまい、怪訝な顔をされてしまう可能性があります。
そのため、質問をするタイミングや表現を工夫上しながら、さりげなく聞き出すことが大切です。
また、こういった話題は日本のビジネスマンがあまり話さないテーマなので、うまく聞くことができれば、新鮮な雑談になり、相手と今後の関係性を深めていくことができます。
私の職場では、最近日本人以外の方が入社してくることが多く、色んな国の方と関わることが増えました。
その中で、ある韓国人の後輩と雑談をした際に、「人生において何を生きがいとしているか」という話題を振られました。
これまで「何を生きがいとしているか」といった話題はしてこなかったので、あまり上手く話せませんでしたが、ぎこちないながらも生きがいについて話すことで、よりお互いのことを知ることができました。
また私にとっては、「そういえば生きがいについて真剣に考えたことなかったな」と新たな気づきが得られたとともに、生きがいについて考える機会ができました。
こういった新鮮な雑談ができると、次回もその人と話したいと思えますし、それが積み重なることで、相手とラポールを作ることができるのかなと感じました。
おそらく、仕事の意義や価値観などを話題にして雑談をする機会は、あまり多くはないと思います。
そういった方も、ぜひこれからの雑談の中で意識してみてください!
本書ではこの記事では紹介しきれていない、世界の一流がしている雑談について、また社内でのコミュニケーションについても詳しく解説されています。
そのため、これまで仕事での雑談やコミュニケーションに苦手意識を持っていたという方や、世界の一流の雑談をもっと知りたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
ではでは。