今回は、西村栄基さん著の『ドイツ人のすごい働き方』を紹介していきます。
皆さんには、仕事で毎日残業ばかりだ、頑張っても頑張っても仕事が終わらないといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
2023年に日本の名目GDPがドイツに抜かれて、55年ぶりに世界第4位に転落したことで話題になりました。
日本はドイツに抜かれてしまいましたが、これは決してドイツ人が毎日残業をしまくっているわけではありません。
実際にはその逆で、ドイツ人は日本人よりも少ない労働日数・労働時間で成果を上げており、労働生産性は日本と比べて1.5倍も高いのです。
さらに、2〜3週間の長期休暇を取ることも当たり前なのです!
なぜ、ドイツ人はそんなにも効率よく働くことができるのか?
本書では、欧州ビジネス業界30年、ドイツ在住17年の著者によって、ドイツ人のすごい働き方が解説されています。
この記事では、その本書の中から、日本の会社でも取り入れやすいものを3つ厳選して紹介していきます!
ドイツ人のすごい働き方
ドイツ人は片付けに命をかける
皆さんは、仕事場の整理整頓ができているでしょうか?
デスクの上には、資料が散乱している、どこに何があるかわからない状態だという人もいるのではないかと思います。
実際に、ライターのZippo社が2014年に行った調査では、日本人は平均して1ヶ月に76分間も探し物をしていることがわかっています。
一方でドイツ人は、片付けに命をかけているといっても過言ではなく、常に整理整頓された状態にします。
実際に、ドイツ人は、帰宅時間の17時が近づくと、一斉に仕事を終え、帰る準備をしますが、デスクの上には、ほぼ何も置かれていない、新品のような状態にしてから帰宅をするそうです。
このように、ドイツ人が片付けに命をかけるのには、人生の半分は整理整頓ということわざがあるほど、片付けが人生の基本原則になっているからです。
そして、著者の同僚は、デスクの上は頭の中を表しており、仕事を終えて、帰る時に机の上を片付けておくことで、頭の中もリセットしているそうです。
このように、ドイツ人は片付けに命をかけていますが、実際にやっていることは、とてもシンプルです。
彼らの片付けの原則は、モノを置く場所を決めて、使ったら、元の場所に戻すことだけなのです。
たったこれだけのシンプルなことで、仕事場が整理整頓され、集中力が上がり、ストレスを減らすことができるのです。
とはえい、このシンプルなことを実践し続けることは、簡単なことではありません。
では、ドイツ人はなぜ当たり前のようにできるのか?
それは、幼い頃から家庭内教育として、片付けをする習慣をつけられているからです。
また、なぜ片付けのルールがあるのか、なぜ整理整頓が大切なのかということを、子どもたちと徹底的に議論するそうです。
このような環境で育ってきたからこそ、片付けをすることが当たり前であり、職場も常に整理整頓された状態を保つことができているのです。
限られた時間の中で効率的に働くためには、探し物をする無駄な時間を無くしたり、集中できる環境を作ることが大切です。
そのため、デスクの整理整頓ができていなかったという方は、ぜひ、モノを置く場所を決めて、使ったら元の場所に戻すことを実践してみてください!
ドイツ人が必ずとる2つのメモ
ドイツ人は、仕事の生産性を爆上げするために、帰宅直前と出社直後の2つのタイミングでメモをとっています。
まず帰宅直前では、翌日に行うべきタスクのリストをメモします。
翌日に行うべきタスクをメモすることで、次の日の朝は、何から手をつければいいかわかっている状態になることができ、スタートダッシュをかけることができます。
翌日に行うべきタスクは、緊急度と重要度をもとに考えていきますが、中にはやらなければいけないことが多すぎで、何から手をつけていいかわからないということもあると思います。
そういった時には、次の4つのポイントをもとに、プロジェクトをパズルのように捉えることが、本書でおすすめされています。
①プロジェクトの目的と最終的な成果を明確にする=パズルの全体像
②それを達成するための主なマイルストーンをいくつも設定する=ピースの塊
③各マイルストーンを達成するために必要なタスクを洗い出す=ピース
④それぞれのタスクに期限を設定する=ピースをどこにあてはめるか
『ドイツ人のすごい働き方』より
このように、どんなプロジェクトであったとしても、ドイツ人はパズルのように捉えることによって、翌日に何をやるべきかを明確にしているのです。
そして、翌日にやるべきことが決まったら、そのタスクを進めるために必要な資料やツールも用意しておきます。
こういった準備は、数分でできてしまうことですが、これをやっておくことで、朝から、「何をしようか?」と考える無駄な時間をなくすことができ、1日の中で最も生産的に働ける午前中を有意義に使うことができるのです。
そして、出社直後には朝の15分ロードマップを作成していきます。
朝の15分ロードマップでは、前日に帰宅前にメモに書いたタスクの所要時間を見積もり、重要度と緊急度を考慮して、スケジュールに組み込んでいきます。
朝にこの15分ロードマップを作ることで、1日全体を通して、次は何をしようかな?と考えることなく、スムーズに仕事を進めることができるのです。
さらに、帰宅前と出社直後のメモは、仕事とプライベートを区切る儀式としても機能します。
帰宅前のメモでは、これからはオフだと頭を休めるモードにすることができますし、出社直後のメモでは、これから仕事だと、頭を仕事モードにすることができます。
そのため、これまでなんとなく仕事を進めていたという方は、ぜひ帰宅前と出社直後にメモを作る習慣を始めてみてください!
同じミスが二度と起きない理由
皆さんは、仕事でミスをしてしまった時、どのように再発防止をしているでしょうか?
次回は同じミスをしないように、チェック項目を増やすといったことが、よく挙げられると思います。
しかし、チェック項目を増やすだけでは、どんどんとチェックしなければいけないものが増えるだけで、そのミスの真の原因の特定と対策をしたとはいえません。
もしかしたら皆さんの職場でも、チェックリストが多く、また中には何のためにチェックしているのかわからないけど、決まりだからチェックしているなんてものがあるかもしれません。
当然ですが、それではチェックに無駄に時間がかかってしまい、効率的に仕事を進めることができません。
また日本では、仕事でミスをすると、みんなに迷惑をかけてしまう、余計な仕事を増やしてしまうといったネガティブなイメージがあると思います。
しかし、ドイツ人にはトラブルから学ぶという文化が根付いており、誰かがミスをした時には、その人を責めるのではなく、システムやプロセスの改善に焦点を当てています。
当然、ミスを防ぐために、システムやプロセスを改善するためには、そのミスの根本原因の特定や対策について考えなければいけないので時間がかかります。
そのため、チェックリストに加える方が楽だという考えもあるかもしれません。
しかし、ミスの根本原因を解決しなければ、また再発してしまいます。
そしてミスが再発した場合、またチェックリストの項目を増やさなければいけないため、どんどん仕事が非効率的になってしまいます。
そのため、システムやプロセスの改善には時間がかかるけど、長期的な視野に立った場合、チェックリストに加えるよりも、トータルでかかる時間やコストは少なくなるのです。
そこで、ドイツ人のように、長期的な視野に立って、ミスを二度と繰り返さない仕組みを作るためには、次の3つのポイントを意識していきましょう。
①「誰が」を忘れてみる
②「なぜ」を問うてみる
③解決策の効果を評価してみる
『ドイツ人のすごい働き方』より
特に、ミスやトラブルの根本原因を特定する時には、「なぜ起きたのか?」、1回でも多く問いかけて、考えることが大切です。
もし、今の仕事場で自分や他の人のミスから、何も学べていない、何も改善できていないという場合は、ぜひこの3つのポイントを意識して、根本原因の特定と対策を考えてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、ドイツ人のすごい働き方について、まだまだ書かれています。
そのため、ドイツ人のように、もっと生産的に働けるようになりたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。