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【要約&書評】勝者の科学 一流になる人とチームの法則

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今回は、マシュー・サイド氏著の『勝者の科学 一流になる人とチームの法則』を紹介していきます!

皆さんは、世界で一流と呼ばれるスポーツ選手の脳内では、どんなことが起きていると思いますか?

おそらく、一流のスポーツ選手が生きている世界は、普通の世界とは違うから、想像ができないよと思われるかもしれません。

しかし、一流のスポーツ選手がなぜ勝ち続けることができるのか、高いパフォーマンスを出し続けることができるのかを知ることができれば、普段の仕事のパフォーマンスを上げるヒントをつかめるかもしれません。

そこで、本書では、これまで、才能の科学、多様性の科学といったベストセラーを書いてきた著者によって、一流のチームや選手が持っている勝利の方程式がまとめられています。

この記事では、その本書の中から選手に権限と責任を与える、考えすぎは仇となる、実利主義が創造性を壊すの3つについて紹介していきます!

勝者の科学の要約

選手に権限と責任を与える

スポーツというと、監督やコーチがいて、毎日の練習メニューを決めたり、チームの決まり事を決めて、それに選手が従うというのが多いと思います。

しかし、リオデジャネイロオリンピックで金メダルを取った、ホッケーのイギリス代表は、選手に権限と責任が与えられていました。

イギリス代表では、いつトレーニングを行うかや、自分たちが守る規則や行動原則、キャプテンまでも、選手たち自身が決めていたのです。

もしかしたら、それではチームがまとまらなくなってしまうのではないか?と思われるかもしれません。

しかし、実際にはその逆で、チームの指揮系統は強化されたのです。

もちろん重要な決定は監督やコーチが下しますが、選手にある程度の責任を持たせ、意思決定の場に参加させることで、選手たちに当事者意識を持たせることができるのです。

人は他人から指示をされて動くよりも、自分で決断して動いた方が、結果を出そうという意識が働き、より力を注ぐようになります。

さらに若手の成長も早く、チーム全体で良い結果を出すことができるのです。

ホッケーのイギリス代表以外にも、自転車競技のイギリス代表を成功へと導いた、デイヴ・ブレイルスフォードは、COREと呼ばれる運用方式を採用していました。

COREは、献身(commitment)、当事者意識(Owenership)、責任(Responsibility)、卓越した結果(Excellence)の頭文字をとったものです。

最終的には権限は監督が持ちつつも、選手に責任を与え、意思決定をさせることで、選手たちのパフォーマンスをあげたのです。

逆に、権力が監督に集中しており、監督が全て決定をするようなチームでは、選手は自分たちでは何もできない幼児のように扱われてしまいます。

それでは、選手たちは自分たちで考えることを放棄してしまい、リーダーシップが摘み取られてしまい、独創力が失われてしまいます。

そのため、いい結果を出すためには、監督やコーチが全てを支配しようとするよりも、選手たちに権限と責任を与えることが効果的なのです。

このことは、スポーツに限らず、企業にも当てはまることが、研究結果からわかっています。

実際に心理学者のジェイ・コンガーとラビンドン・カヌンゴが行った研究では、従業員に力と責任を与えることによって、満足度が改善することが発見されたのです。

そのため、会社でも部長や課長などリーダーが全ての権限を持つのではなく、部下にも権限を委譲して、権力を分散させることによって、より強いチームや組織を作ることができるのです。

 

考えすぎは仇となる

オランダの心理学者アプ・ディスクテルホイスが行った実験では、考えすぎることが、かえって悪い結果を生むことが分かりました。

この実験では、サッカーの専門家を集めて、何試合かの結果を予想するように頼みました。

1つ目のグループには、2分間の考える時間が与えられ、過去のチームの戦績や選手の記録など、試合について、座って考えることができました。

一方で2つ目のグループは、2分間じっくり考える代わりに、骨の折れる記憶力の課題を解かされました。

そのため、2つ目のグループは、試合について考える余裕はなく、試合の結果を予想しなくてはいけませんでした。

この条件をきくと、2つ目のグループよりも、1つ目のグループの方が、試合の結果を正確に予想できたのでは?と思われるかもしれません。

しかし、実際にはその逆で、考える時間があったグループの方が、試合結果の予想を外す傾向にあったのです。

なんと意識的な熟考が予想の邪魔になっていたのです。

逆に記憶力の課題を解かされた方が、試合結果の予想が当たっていたのです。

記憶力の課題を解かされたことにより、意識的に考えることができず、意識よりも強力な潜在意識を解放することで、正しい答えを出すことができたのです。

意識的な熟考が邪魔になることは、スポーツの中でも起こることがあります。

例えば、サッカーのPKを蹴る時、蹴る前に、自分は決めることができるだろうか、外してしまうのではないか、外したら明日の新聞の見出しはどうなるだろうかなど、色々はことを考えすぎてしまうと、失敗しやすくなってしまいます。

スポーツ選手が最高のパフォーマンスをしているときは、力が抜けていてリラックスしており、意識的な思考のスイッチは切れていることが多いのです。

意識的な思考のスイッチが切れている代わりに、何年もの練習により作られた潜在意識がフルに稼働しています。

よくゾーンに入るなんて言われることがありますが、その状態では、莫大な量の情報が処理されており、多くの労力が使われていますが、すべては意識の届かない領域で行われているのです。

その結果、普段よりも高いパフォーマンスを発揮することができるのです。

よく失敗するのは、ちゃんと考えていないからだ、もっと考えろと言われることがあります。

もちろん、考えることによって、正しい答えを導きだせることもあります。

しかし、場面によっては、考えることがあだとなる場合があり、むしろ考えることを辞める方が、良い結果を生むことがあります。

そのため、これまで考えすぎてしまい、うまくいかないことがあったという方は、自分の積み上げてきたものを信じて、意識的な思考のスイッチを切ることが、成功につながるかもしれません。

 

実利主義が創造性を壊す

スポーツでもビジネスでも、勝利や利益といった結果が求められます。

当然勝たなければ、チームの人気はなくなってしまいます。

また利益があげられなければ、会社は倒産してしまう可能性があります。

そのため、勝利や利益といった実利を求めることは当然のことのように思えます。

しかし、実利を追い求めることによって、創造性が破壊されてしまうのです。

実際に、ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビル教授が行った研究では、芸術家がお金がもらって作った注文作品よりも、自主的に作った作品の方が、影響力のある芸術家やキュレーターからの評価が高くなったことが分かりました。

他の研究では、美術学校の学生に、お金を稼げる芸術家になりたいか、自己表現ができる芸術家になりたいかを質問しました。

20年後に質問をした学生たちの活動を調べたところ、お金という外的な報酬ではなく、芸術活動そのものに喜びを追い求めた芸術家の方が、社会的に認められる芸術を生み出していたことが分かりました。

外的な報酬を追い求めなかった芸術家が、逆に最も外的な報酬を受け取ることができていたのです。

実際にサッカー選手としても監督としても大きな成功を収めた、ヨハン・クライフは、勝つことが第一の動機ではなく、チームがどうプレーをするかを最も重要視していたそうです。

もちろん、プロのサッカー選手、監督として、試合に勝つことは重要です。

ですが、それ試合に勝つこと以上に、自分たちのスタイルを持ち、それを試合で表現できるかに重きを置いていたのです。

その結果、チームのプレーは想像力にあふれたものになり、高いパフォーマンスを発揮することができていたのです。

これは、仕事でも同じことが言えると思います。

会社を存続させるためには、利益をだす必要があります。

しかし、利益や結果のみを追い求めようとすると、従業員の視野が狭まってしまい、かえって結果がでなくなってしまいます。

むしろ、利益や結果よりも、自分がその仕事によって、どんなことを成し遂げたいのかといった、自分の理想を大事にする方が、パフォーマンスがよくなるのではないかと思います。

そのため、利益や結果を出すことは大切ですが、そればかりにとらわれないようにすることが大切です。

 

本書では、この記事では紹介しきれていない、一流になる人やチームが共通して持っている、勝利の方程式がまだまだ書かれています。

そのため、自分自身をもっと伸ばしたい、またはリーダーとして、部下の能力を最大限ひきだして、成果をあげるチームを作りたいと考えている方は、ぜひ本書を読んでみて下さい!

 

勝者の科学 一流になる人とチームの法則』より

 

ではでは。

 

 

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