儲かっているということは、何か要因があるはず。
『「儲かる会社」の財務諸表』は、そんな儲かっている要因、儲けの構造やその経営についてわかるようになりたいという方に役に立つ本です!
慶應義塾大学ビジネススクールで20年間教えた後、早稲田大学ビジネススクールで教えている山根節さんが、儲かっている会社の財務諸表を使って、なぜ儲かっているのかについて解説しています。
『「儲かる会社」の財務諸表』を読むのがオススメな人!
こんな方におすすめ
- 財務諸表の読み方を学びたい人!
- 会計の知識を学んだ人!
- 会計リテラシーを身に付けたい人!
- 会社の経営に関わってる人!
会計初心者でも理解できる内容となっていますが、会計の基礎から解説されているわけではないので、全く会計の知識がない方は、『「儲かる会社」の財務諸表』を読む前に、「会計のことが面白いほどわかる本」のように、会計の基礎が学べる本を読むのが良いです。
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【書評】会計のことが面白いほどわかる本~会計初心者はまずはここから!~
株式投資をするなら、会計を勉強して会社の数字(財務諸表)を読めるようにならなければいけないと、あの世界一の個人投資家ウォーレン・バフェット様が言っておられたので、会計の勉強を始めることに ...
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『「儲かる会社」の財務諸表』を読んだ感想!
『「儲かる会社」の財務諸表』は、財務諸表の中でも、損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)だけに絞って、儲かる会社の財務諸表が書かれています。
ここで、会計のことを少し勉強したことがある方なら、あることに気付くかもしれません。
この本では、キャッシュフロー計算書(CFS)には触れられていないのです。
その理由は、最初に書いてあります。
キャッシュフロー計算書はBSとPLを組み合わせて作られる。したがって基本はBSとPLの二つである。この二つがわかれば問題ないし、BSとPLを使い慣れると、CFSで得られる情報をあらまし頭の中でつかむことができる。現実にCFSがなかった時代でも、筆者のような専門家は同じ情報をBSとPLから得ていた。したがって、この本では、BSとPLの理解を先決とし、CFSを省いた。しかし読めれば便利なので、読者には、CFSを次の勉強のテーマとしてほしい。
確かに、CFSはBSとPLの組み合わせで作られています。
ただ個人的には、ここでも書かれている通り、CFSを読めれば本当に便利なので、CFSの読み方も知りたかったなと思います笑
しかし、CFSの元となるBSとPLの読み方を理解できなければCFSも理解できません。
また本書は、会社の財務諸表を、そのまま載せるのではなく、BSとPLをそれぞれ図にしてくれています。
あまり細かい項目は、大きい項目にまとめられているため、まだ財務諸表を読むことに慣れていない方でも、読みやすいと思います。
そのため、会計の基礎知識を学んだけれど、「いきなり本物の財務諸表を読むのはちょっと、、、」というときに、『「儲かる会社」の財務諸表』が役に立つなと思いました。
実際にこの本でも、このように書かれています。
会計の初学者は、本物の財務諸表のディテールから入るから、嫌になってしまうのだ。忙しいときは3つだけ見れば良い。だんだん余裕が出てきて、理解できるようになったらディテールに入っていけばいい。
財務諸表を最初から最後まで読むのは、初心者にとっては本当にキツいです。
まずどこから読んだらいいのかわかりません笑
そのため、まずは3つのことを見ればいい。
その3つとは、BSの大きさ、PLの大きさ、利益のことです。
このように、初心者の方にも読みやすいように、『「儲かる会社」の財務諸表』は書かれています。
実例の数も48個とかなり多いため、『「儲かる会社」の財務諸表』を読むだけで、多く会計の経験値も積むことができます。
『「儲かる会社」の財務諸表』は、私のように株式投資を目的に財務諸表を勉強している方ではなく、ビジネスマンの方や実際に会社の経営に携わっている方向けに書かれていいます。
そのため、株の銘柄選択に使うような専門知識は出てきません笑
しかし、儲かる会社の財務諸表を読むことで、儲けの構造がわかるので、財務諸表を読んで銘柄を選択する際に、良い判断基準になるのではないかと思います。
個人的に、財務諸表を読めるようになりたくて、会計の基礎は勉強したけれど、「いきなり本物の財務諸表を読むのはな、、、」という方には、本当に役に立つと思うので、よろしければ読んでみてください!
ではでは。