今回は、アダム・グラントさん著の『Think Again』を紹介していきます!
本書の著者であるアダム・グラントさんは、これまで「Give & Take』や『Origin』といった大ベストセラーを書いています。
本書は、そんなアダム・グラントさんが、これからの時代を生き抜くために大切なスキルについて書かれた1冊です!
そのため、本書を読み、書いてあることを実践することによって、これからの時代を生き抜くことが出来るようになります!
早速、本書の結論ですが、「変化の多い現代において大切なのは、考える力や知識の量ではなく、考え直す力である」です。
この記事では、なぜ考え直す力が大切なのか、またその方法について紹介していきます!
youtubeでは、アニメーションを使った解説動画を上げています!
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Think Againの要約
考えることよりも考え直すことが大切な時代になる
現代は変化が激しいことから、VUCA時代とも言われています、
VUCAは、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を表す英単語の頭文字をとって作られた言葉です。
本書では、このような変化の激しいVUCA時代においては、考えること・学ぶこと以上に考え直すことが大切であると書かれています。
なぜ考えること・学ぶことよりも、考え直すことが大切なのか?
変化の激しい時代においては、これまで普通だと考えられていたものが、普通ではなくなることが、ざらにあるからです。
身近な例を挙げると、コロナ禍により、人と会うことや旅行に行くこと、外食をするといったことが当たり前ではなくなってしまいました。
以前は当たり前のように、外に遊びに行っていたのに、今では家の中にいるのが当たり前の生活になってしまいました。
それにより、経営難に陥ってしまった飲食店も多くあると思います。
中には、コロナ禍でも生き残るために、テイクアウトを始めたりなど、新たな取り組みをしている飲食店もあると思います。
このように、これまでとは違った方法を考え、取り入れることで生き残っている飲食店も多くいます。
もちろん、飲食店が潰れてしまった原因は単純なものではなく、単にテイクアウトを取り入れなかったからというものだけに収まらないと思います。
ですが、変化の激しい時代でも生き残るためには、既存の考え方を新たに見つめ直すこと、考え直すことが必要になります。
これは、飲食店のような会社単位ではなく、私たち個人にも必要とされます。
例えば、最近では終身雇用や年功序列といった制度をなくす会社が増えてきました。
これにより、これまでは良い大学を出て、大企業に就職することで安定を手に入れることができると言われていたものが、当たり前ではなくなってしまいました。
例え大企業に入れたとしても、40半ばでリストラされる可能性もあるわけです。
優秀な人であれば、40歳半ばでリストラをされても、次の就職先が見つかるかもしれません。
ですが、次の就職先がなかなか見つからずに、アルバイトで生計を立てる、年収を大きく下げてなんとか転職するといった人も出てくると思います。
また良い大学を出て、大企業に就職したとしても、過度なストレスにより、うつ病などの精神疾患を患ってしまうこともあります。
このように色んな視点から考えると、これまで良いと考えられていたルートが、これからも良いルートであり続けるかは疑わしくなっていきます。
そこで、これまでの既成概念にとらわれずに、考え直すこと、「Think Again」が大切になるのです!
ですが、私たちは、考え直すことが大切なのは分かっていても、なかなか出来ません。
続いては、なぜ私たちにとって考え直すことが難しいのかについて紹介していきます。
なぜ考え直すことが難しいのか?
本書では、考え直すことが難しい理由について、さまざまな視点から書かれています。
私はその中でも、次の2つが大きな理由だと思いました。
①確証バイアス
②望ましさバイアス
確証バイアスとは、自分がすでに持っている先入観や仮説を肯定するために、自分にとって都合の良い情報ばかりを集めることです。
実際にコロナが流行り始めた時、コロナが危険だと考えていた人は、コロナが危険な理由ばかり、ネットで検索していなかったでしょうか?
逆に、コロナはただの風邪だと考えていた人は、コロナが危険ではない理由ばかり探していなかったでしょうか?
コロナのような複雑な問題を考える上では、コロナの危険性や、コロナが危険ではない理由の両方を吟味することが大切です。
ですが、確証バイアスに陥ってしまうと、自分の信じる側を肯定するデータしか見なくなってしまうため、例え自分の考えが誤りだったとしても、考え直すことができなくなってしまいます。
続いて望ましさバイアスとは、自分が見たいものだけを見るということです。
実際に何か欲しいものがあった時に、Amazonのレビューを見てから買うという人も多いと思います。
Amazonのレビューを見る前に、「絶対にこれは買いだ!」と思っていたとしたら、低評価のレビューがあったとしても、見なかったことにしないでしょうか?
良い評価だけを見て、「やっぱり、この商品は良い!」と判断してしまうことがあると思います。
その結果、本当にこの商品は良いのかを考え直すことなく、決断をしてしまうのです。
私たちを考え直すことから遠ざけるバイアスは、確証バイアスや望ましさバイアス以外にもあります。
最後に、こういったバイアスに負けずに、考え直すための方法について紹介していきます。
再考するための方法
まず私たちは多くの場合、牧師、検察官、政治家の3つのモードを使い分けていると、本書では書かれてます。
それぞれの特徴については、次のとおりです。
牧師:自分の信念を形成し、それを確固たるものにしようと説教するから
検察官:他社の思考や主張の矛盾を指摘し、間違いを明らかにする為の論拠を述べる
政治家:自分の考えに対する他者の支持を獲得しようとキャンペーンを行う
『Think Again』より
この説明からも分かる通り、牧師・検察官・政治家のモードでいるままでは、考え直すという行為は生まれません。
そこで本書では、4つ目のモード、科学者の思考で考えることが重要だと書かれています。
科学者は、自分の仮説を立てたら、それが正しいが実験して確かめたり、既存のデータと照らし合わせるといったことをします。
そして、そこで得た新しい知識をもとに、さらに仮説を立てて検証することを繰り返していきます。
科学者の思考モードに入るためには、再考サイクルにのることが大切です。
再考サイクルにのるためには、謙虚さが大切です。
ここでの謙虚さとは、自分の過ちや不確実性を認識する力です。
謙虚さがあるからこそ、無知や欠点を自覚することができ、懐疑が生まれます。
そして、懐疑から好奇心が生まれ、自分なりに実験を進めていく中で、新しい発見をすることができます。
新しい発見をすることができたら、「自分には知らないことがまだたくさんある」と考えることができ、謙虚さを保つことができます。
またそこから新たな懐疑が生まれ、同じサイクルを回すことができるようになります。
一方で、牧師・検察官・政治家モードでは、過信サイクルに陥ってしまいます。
過信サイクルでは、謙虚さではなく、自尊心が起点になります。
自分の考えが正しいと思い込むことで確信してしまいます。
確信してしまうと、先ほど挙げた確証バイアスや望ましいバイアスに影響を受けてしまいます。
バイアスに影響を受ける事で、是認へと導かれてしまいます。
是認を獲得するために、別の可能性を見ることをしなくなってしまいます。
その結果、自分の考えを考え直すということをしなくなってしまうわけです。
そのため、科学者のように考えるためには、過信サイクルではなく、再考サイクルにのるこことが大切なのです。
おそらく皆さんの中にも「当たり前」になってしまっている固定観念があると思います。
ぜひそういった固定観念を、科学者の思考で考えることを繰り返してみてください!
科学者の思考を繰り返す事で、自然と考え直す癖がつき、変化の激しい時代でも生き残るための力を身につけることができます!
Think Againを読んだ感想
私は、これからの時代を生き抜くうえで大切なのは、学び続けることだと考えていました。
変化が激しいからこそ、最新の情報を常に学んでいかないといけないと考えていたからです。
ですが、それすらも固定観念であり、最新情報を学ぶことがだけが方法ではないのでは?と本書を読んで疑問を持つようになりました。
もちろん、新しい知識をインプットすることは大切だと思います。
そこに加えて、固定観念を疑うこと、1つの知識を手に入れたら、反対のことを述べている知識も学ぶといったことをすることで、自分の知識の幅が広がっていきます。
その幅を広げることができれば、変化が起きたとしても、対応がしやすくなるのだと思います。
本書は、これまでの私に新たな視点を与えてくれる1冊でした!
これからの時代を生き抜くために必要なスキルを知りたい!という方は、ぜひ本書『Think Again』を読んでみて下さい!
ではでは。