不安を感じて辛い
このような悩みを持っていないでしょうか?
特に日本人は、不安を感じやすくなる不安遺伝子の数が、他の国の人と比べて多いと言われています。
また、セコム株式会社が2021年に行った調査によると、20代以上の男女のうち、7割以上が何かしらの不安を抱えていることが分かっています。
そのため、不安を抱え悩んでいる方は多くいらっしゃると思います。
今回紹介する、アンデシュ・ハンセン氏著の『ストレス脳』は、そんな不安に悩んでいる方に役立つ1冊です!
本書は、大ベストセラー『スマホ脳』の著者によって、不安に対処する方法について解説されています!
この記事では、本書の中から、なぜ我々が不安を感じるのかと、不安に負けないための方法を紹介していきます!
youtubeではアニメーションを使った解説動画をあげています!
よろしければ、こちらからご覧ください!!
ストレス脳の要約
なぜ私たちは不安を感じるのか?
皆さんは、なぜ不安を感じるのか?と疑問に思ったことはないでしょうか?
現代では、精神疾患を患う人の数が多くなってきています。
そして、うつ病などの精神疾患が原因で、自ら命を絶ってしまう人も多くいます。
では、なぜ私たちの脳は不安を感じないようにできていないのでしょうか。
不安を感じることにより、精神疾患を患ってしまうのであれば、不安を感じるという我々の特性に意味はなく、むしろマイナスな気がしてしまいます。
そうであれば、人類の進化の途中に、不安を感じるという特性がなくなっても良かったのでは?と思ってしまいます。
ですが、私たちが不安を感じるのには、ちゃんと意味があるのです。
それは、私たちを命の危険から守るためです!
頭の中に?が浮かんでいる方もいるかもしれません。
ですが、不安は私たちを守ってくれる防御システムなんです!
なぜ不安が私たちを守ってくれる防御システムなのかについて、これから紹介していきます。
まず私たちの脳は、私たちが幸せでいるようにはできていません。
脳が最優先することは、私たちが生き延びることです。
そして、私たちの祖先は、動物や感染症、飢餓など、多くの危険と隣り合わせで生きていました。
その中で、生き残ることができるのは、早く危険を察知して行動ができたものだけです。
そこで私たちの祖先を行動へと駆り立てたのが不安です。
不安を感じるからこそ、それを避けようと行動をするわけです。
目の前にライオンが出てきたら、不安を感じ逃げようとすると思います。
一方で、可愛らしい猫が出てきたら、不安を感じることはなく、観察したり撫でたりしようとするはずです。
このように、脳が最優先することは生き延びることであり、生き延びるための行動を起こすためのトリガーが不安になっているわけです。
そして、今を生きる私たちは、そんな祖先の生き残りになります。
そのため、不安を感じることは、おかしいことでもなんでもなく、私たち人間にとっては当たり前のことなのです。
私たちは生きるためにエネルギーを補給しなければいけません。
だからこそ、エネルギーが減ってきたら、私たちがご飯を食べるようにお腹が空きます。
不安もお腹が空くのと同じように、私たちが生き延びるために働くシステムなんです。
現代でも仕事に対して不安を感じるのは、あなたの脅威になる上司がいるからかもしれません。
また会社の業績が悪く、いきなりリストラされてしまい、生活ができなくなってしまう可能性があるからかもしれません。
だからこそ、脳があなたに不安を感じさせ、仕事場に行きたくないと感じるようになったり、その場から逃げ出したくなるのです。
そのため、不安を感じることは、決してあなたのメンタルや性格が悪いからではなく、人間が生き延びるために必要なことだと言えるのです!
むしろ、不安やストレスがなく、ずっと精神的に健康でいることは不可能なのです。
このように、不安を感じることが当たり前のことだと考えると、今よりもずっと楽にならないでしょうか?
とはいえ、不安やストレスを感じたとしても、そこで精神的な病気になってしまうというのは、嫌ですよね?
私たちの不安やストレスは、一時的なものもありますが、仕事や人間関係など、長期にわたるものも多くあります。
長期的な不安やストレスは、うつ病の発症にもつながってしまいます。
そこで、続いては、あなたを不安やストレスから守る方法を紹介していきます!
〇〇が、あなたを不安から守る!
あなたを不安やストレスから守る方法とは、ズバリ運動です!
運動がメンタルに良いというのは、色んなところで言われている話ですが、やはり本書でも運動が推奨されています。
なぜ運動が、あなたを不安から守ってくれるのか?
それは、運動をすることによって、私たちの体の中で最も中心的なストレスシステムであるHPA系の活動を正常化することができるからです。
HPA系とは、身体と脳にある3つの部分、視床下部、下垂体、副腎を指しています。
私たちがストレスや不安を感じた時、まず視床下部が脳の下部にある分泌器である下垂体へとシグナルを送ります。
下垂体は視床下部からシグナルを受け取ったら、副腎へとシグナルを送ります。
そして、副腎がコルチゾールというストレスホルモンを分泌します。
そのため、ストレスを強く感じるとコルチゾールのレベルも高くなります。
さらに、コルチゾールのレベルが高くなると、下垂体の働きを抑制します。
そのため、コルチゾールは自身でブレーキをかける役割も果たしています。
そして、うつ病を患っている人は、このHPA系の活動が活発になりすぎていることが分かっています。
実際に、抗うつ薬のほとんどが、HPA系の活動を正常化させるものであると、本書では書かれています。
そこで、先ほども紹介した通り、運動をすることによって、HPA系の活動を正常化させ、強い不安やストレスを感じたとしても、うつ病などの精神疾患にかかってしまうことを防ぐことができます。
とはいえ、運動には注意点があります。
それは、長期的に運動を継続しなければ、逆効果であることです。
短期的な運動は、むしろHPA系を活発にしてしまいます。
身体にとっては、運動そのものがストレスになってしまうからです。
そのため、運動中は一時的にコルチゾールのレベルが上がります。
運動後は、コルチゾールのレベルが下がり、運動前よりも低くなります。
この状態が1時間から数時間程度続きます。
皆さんも、運動後に心が落ち着いた経験がないでしょうか?
それは、コルチゾールのレベルが下がったことによって起こっています。
さらに運動を長期的に行うことによって、だんだんとHPA系の活動を落ち着かせることが出来るようになります。
また、HPA系の活動が落ち着いた状態が、運動後だけでなくとも、続くようになります。
そのため、長期的に運動をすることによって、HPA系の活動を落ち着かせることができ、不安やストレスから、あなたを守ってくれるようになります。
では具体的に、どの程度運動をすればいいのか?
本書では、週に1時間、速足の散歩をしただけでも効果があると書かれています。
もちろん、可能であれば週に1時間以上、運動をした方が効果があります。
具体的には、週に2~6時間、心拍数の上がる運動をすることが推奨されています。
逆に6時間以上の運動をしたとしても、防御効果が上がることはないそうです。
そのため、まずは週に1時間、運動を確保することから始めて、徐々に増やしていくのが良いと思います。
とはいえ、中には、「運動なんて続けられないよ!」という方もいると思います。
運動を習慣化できないという方には、私が以前に紹介した『習慣超大全』という本がオススメです!
こちらの動画では、本書の中から、あなたの望む習慣を手に入れるための3ステップを紹介しております!
運動を習慣化して、不安やストレスから身を守りたい!という方は、ぜひこちらの動画も参考にしてみて下さい!
ストレス脳を読んだ感想
私自身、ストレスを感じやすいという悩みがありました。
そんな自分を治すべく、何とかポジティブに考えられるように試行錯誤してきました。
ですが、本書にも書いてあるように、ストレスや不安を感じるのは、人類が生き延びるためであり、当たり前のことだと知ることで、今の自分が決して異常なわけではなく、普通なのだと思えるようになりました。
自分はネガティブな人間だから不安やストレスを感じやすいと思ってしまうと、余計に思い詰めてしまいますからね(笑)
そのため、本書を読むことによって、ストレスや不安について知ることができた上に、今のままの自分で問題なんだと、自己を肯定することが出来たと思います。
おそらく、私と同じように、ストレスを感じやすいこと自体に悩みを持っている方もいると思います。
ぜひ、そういった方は、本書『ストレス脳』を読んでみて下さい!
ではでは。