今回は、平島徹郎さん、秋山祖久さん著の『たんぱく質と腸の新常識』を紹介していきます。
皆さんには、最近心身の調子がすぐれない、疲れやすく疲労が抜けないといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
体の調子がすぐれなかったり、疲れやすくなっているのは、たんぱく質不足の可能性が高いのです。
そこで本書では、10万人の腸を診た内視鏡専門医の著者によって、新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方について解説されています。
この記事では、その本書の中から、日本人の8割はたんぱく質不足、まずは腸漏れを治せ、朝食こそたんぱく質を摂れの3つについて紹介していきます。
たんぱく質と腸の新常識の要約
日本人の8割はたんぱく質不足
中には、自分は魚や肉を多く食べているから、たんぱく質はちゃんと摂れていると考えている人もいるかもしれません。
しかし、厚生労働省が行なっている調査によると、実際に毎日十分なタンパク質がとれている日本人は少ないことがわかっています。
たんぱく質の摂取量は年齢や体型によって変わりましすが、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」の中で定義している、たんぱく質の目標摂取量を満たしている日本人は、世代に限らずほとんどいないのです。
また著者がクリニックで行なっている栄養解析では、8割がたんぱく質不足という結果が出ているそうです。
このように、日本人のほとんどは、ちゃんとタンパク質を取ることができていないのです。
とはいえ中には、「自分はダイエットをしているわけじゃない、筋肉をつけたいわけじゃないから、そんなにタンパク質を摂らなくていいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
たんぱく質はダイエットをしている人や、筋トレをしている人が意識的に多く取るイメージがあるかもしれませんが、たんぱく質は三大栄養素の中にも含まれるほど、私たちの体にとって重要な栄養なのです。
本書では、たんぱく質が不足することで起こるリスクについて詳しく解説されていますが、その中からいくつか抜粋して紹介していきます。
①体の材料が足りなくなり、肌や髪が荒れたり、骨が脆くなるなど不調が出る
②細胞が老化し、体の機能低下につながる
③消化吸収力の低下、代謝の低下など、体の機能低下につながる
④セロトニン(幸せホルモン)が不足し、イライラしたり、落ち込むやすくなる
⑤体が冷えやすく、太りやすくなる
私たちの体を構成している、約60兆個の細胞は、たんぱく質を材料に作られています。
また他にも、神経伝達物質や免疫機能を支える抗体など、私たちの体にとって大切な、あらゆる物質はタンパク質を材料に作られています。
そのたんぱく質が不足してしまうと、体のあらゆるところで不調が出てきてしまうようになります。
そのため、もし慢性的に体がだるい、体調を崩しやすい、イライラすることが多いという症状は、たんぱく質不足が原因の可能性が高いのです。
まずは腸漏れを治せ!
体の不調や老化を防ぐためには、今よりもたんぱく質を摂取する必要がありますが、たんぱく質量を増やす前に、考えなければいけないことがあります。
それが、腸漏れです。
腸漏れとは、不要なものが腸から漏れ出して吸収されてしまったり、逆に摂ったはずの栄養が正しく吸収されていない状態です。
これは、腸粘膜の細胞に炎症が起こり、細胞同士の間に隙間ができてしまうことで起こります。
そして、とったはずの栄養がちゃんと吸収されないと、栄養が不足し、細胞の生まれ変わりの周期が乱れ、さまざまな病気や不調を引き起こし、腸漏れも悪化してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
では、腸漏れが起こってしまう原因はなんなのか?
本書では、次の2つが挙げられています。
①たんぱく質不足
②腸内環境の悪化
『たんぱく質と腸の新常識』より
先ほども触れたように、たんぱく質が不足することで、腸粘膜の細胞の生まれ変わりの周期が乱れてしまい、腸漏れが起こってしまいます。
そして、腸漏れはたんぱく質の不足だけでなく、 腸内環境の悪化によっても起こります。
腸内環境が悪化する原因は、お酒の飲み過ぎや、睡眠不足、小麦粉食品の摂りすぎなど、さまざまな理由によって起こりますが、健康産業専門誌の「ヘルスライフビジネス」によると、日本人の7割が腸漏れを起こしている可能性があるそうです。
そのため、単にたんぱく質の摂取量を増やしたとしても、腸漏れにより、栄養が正しく吸収されなくては、意味がなくなってしまいます。
そこで、腸漏れを防ぐためには、炭水化物の摂り方に気をつけていきましょう。
本書では、腸漏れの最大の原因は、未消化の炭水化物であると書かれています。
一般的に、炭水化物は、タンパク質や脂質と比べて、消化にかかる時間が早いと考えられています。
しかし、実際に著者らが内視鏡検査で見てきた限りは、胃での消化は、肉が4〜5時間かかるのに対して、うどんは5〜6 時間、ごはんやパンは早くて4時間もかかることがわかったそうです。
また、遅い場合は8時間もかかることがあるそうです。
そのため、朝昼夜と食事のたびに、炭水化物を大量に摂ってしまうと、胃は一日中フル稼働しなくてはいけません。
また、その下の小腸と大腸でも長い時間をかけて、栄養を吸収していくので、消化管の中で大渋滞が起こってしまいます。
その結果、未消化の炭水化物が胃の中に長時間留まることで、消化と吸収が終わらず、疲弊とダメージが積み重なり、腸漏れにつながるのです。
そのため、腸漏れを防ぐためには、炭水化物の摂り方に気をつける必要があります。
本書では、厚生労働省が発表している、糖質の最低必要量である、一日あたり約100gを意識すれば、極端に不足することも、摂りすぎることもないとかかれています。
そして、炭水化物よりも、タンパク質を優先的に摂るようにしていきましょう。
また、腸内環境を良くするために、食物繊維を摂ることも大切です。
食物繊維には、ごぼうやみかんに多く含まれる水溶性食物繊維と、玄米やブロッコリーに多く含まれる不溶性食物繊維の2種類がありますが、1:2のバランスで摂取することがおすすめされています。
水溶性食物繊維の場合は、イヌリンという粉末状のものがあります。
インリンは、甘みもあるため、コーヒーやヨーグルトに入れて飲むことで、無理なく摂取を続けることができるので、ぜひ試してみてください!
朝食こそたんぱく質をとれ!
皆さんは、しっかりと朝食を食べているでしょうか?
おそらく、朝はなにも食べないという方や、パンやコーヒーだけで済ませてしまうという方も多いのではないでしょうか?
私も、なにも食べないか、プロテインで済ませてしまうことがあるのですが、朝は1日の中で最もたんぱく質が枯渇しているタイミングなのです。
それは、夕食から朝食までに時間が空くからです。
例えば、夜の20時に夕食を食べて、朝の8時に朝食を食べた場合、間が12時間断食していることになります。
そのため、朝は体がたんぱく質を欲している状態であり、朝食はしっかりと食べた方がいいのです。
では、どれくらいのタンパク質を摂取した方がいいのかというと、男性なら1食あたり30〜40g、女性なら25g〜30gを本書では、目標として掲げられています。
たんぱく質は、一度に多く摂りすぎても、少なすぎてもいけません。
体が一度に利用できるたんぱく質の量は、20〜30gで、多くても30〜40gだと言われています。
そのため、それ以上のたんぱく質を一食にとっても、体が利用できずに、無駄に終わってしまいます。
また、逆に1食あたりの摂取量が少なすぎる場合、体内のたんぱく質の合成のスイッチが入らなくなってしまいます。
なので、毎食30g前後を目標にタンパク質を摂取するようにしましょう。
とはいえ、朝からタンパク質を30g摂取するのは、なかなか大変なことです。
お茶碗1杯のご飯に、納豆1パック、卵一個を食べたとしても、たんぱく質は18gほどです。
そこで、30gを達成するためには、食事に加えて、プロテインをうまく活用することがおすすめです。
実際に著者も、朝食をとった上で、足りない分をプロテインで補っているそうです。
そのため、ぜひ皆さんも、食事とプロテインを合わせて、毎食30gのたんぱく質を摂るようにしてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、体の健康のために大切な、たんぱく質と腸について、まだまだ解説されています。
そのため、最近体の調子がすぐれないなという方や、たんぱく質を意識してとっていなかったという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。