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要約&書評

【要約&書評】リアルすぎる月5万円から始める1億円のつくり方

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今回は、ライオン兄さんこと山口貴大さん著の『【新NISA完全攻略】リアルすぎる月5万円から始める1億円のつくり方』を紹介していきます。

著者の山口さんは、金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表と務められています。

またチャンネル登録者数20万人越えのライオン兄さんの米国株FIREが最強を運営されており、資産運用方法について発信もされております。

本書は、そんな山口さんによって、投資初心者から中級者まで役立つ2024年から始まる新NISAの攻略情報が書かれています。

この記事では、本書の中から新NISA最大のミッション、まず何に投資をすればいいのか、そして本書でオススメされているコア・サテライト戦略について紹介していきます。

なお、2024年の新NISAの改訂ポイントについては、私が以前に上げた「日経マネーと正直FPが考え抜いた! 迷わない新NISA投資術」の紹介動画で解説しておりますので、NISAの新しくなったポイントを知りたいという方は、ぜひこちらを参考にして下さい!


月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方の要約

新NISA最大のミッションとは?

新NISA攻略において、一番目指すべきポイントは、「非課税対象枠1800万円をなるべく早く埋めること」であると本書では書かれています。

新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠が設けられており、成長投資枠は1200万円までですが、合計で1800万円投資することができます。

年間、成長投資枠は240万円までで、つみたて投資枠と合わせて360万円まで非課税枠で投資することができます。

そのため、1800万円の非課税対象枠は毎年上限額まで投資した場合、最短5年で埋めることができます。

では、なぜ非課税対象枠をなるべく早く埋めることが大切なのか?

それは、複利運用は投資期間が長ければ長いほど加速度的に資産が増えるからです。

ご存知の方も多いと思いますが、複利とは、元本と利息の合計値に利息がつくことです。

例えば、あなたが元本100万円で、利回り3%の投資をしたとします。

利回りが3%なので、1年後には3万円増えて、103万円になっています。

次の年も同じように利回り3%だったとします。

次の年は、103万円の3%なので、3万900円増えて、106万900円になります。

単利の場合は、元本の100万円に利息がつくだけなので、利回り3%で運用しても毎年3%しか増えません。

しかし、複利なら運用期間が長くなるほど、元本と利息の合計値が大きくなっていくため、利益もどんどん増えていくのです。

実際に金融庁の資産運用シミュレーションを使って、利回り5%で毎月5万円を積み立てた場合、30年後には元本1800万円に対して、収益が約2300万円ほどになり、合計で約4160万円になります。

このグラフからもわかる通り、複利運用の場合は運用収益が右肩上がりに増えていきます。

このグラフは30年までですが、新NISAは非課税保有期間が無期限化されます。

これまでのつみたてNISAでは最長20年間、一般NISAは最長5年間しか非課税運用をすることができませんでした。

しかし、新NISAではこの期限がなくなり死ぬまで運用することができます。

そのため、30年間毎月5万円を積み立てて、1800万円の枠を使い切った後も運用を続けた場合、先ほどの利回り5%で計算すると約20年後には1億円を突破します。

もし25歳あたりで、毎月5万円のつみたてを始めた場合、75歳あたりで1億円を手に入れることができます。

もちろん、利回りを上げたり、毎月のつみたて額を増やすことで、より早く一億円を手に入れることができます。

そのため、新NISAを攻略するためには、非課税対象枠1800万円をなるべく早く埋めることが大切なのです。

中には、そんな高齢になって一億円を手に入れても意味がないと感じる方もいると思います。

私も75歳で一億円を手に入れることに、あまりうまみは感じませんし、死ぬときにもっとお金を使って色んな経験をしておけばよかったと後悔するだろうなと思います。

そういった方には、例えば定年後につみたててきたお金を取り崩すという選択肢もあります。

本書では実際に試算された結果がのっていますが、利回り5%で30歳から44歳まで毎月10万円をつみたてた場合、59歳では5407万円になります。

これを60~100歳でゼロにする場合、毎月26万円を取り崩すことができるのです。

もし80歳までなら毎月35,1万円を取り崩すことができます。

少し前から、今の現役世代は定年後にもらえる年金は、今よりも少なくなると言われています。

そのため、老後に不安を抱えている人もいると思います。

そこで?、新NISAを活用することで、定年後に毎月20万円以上取り崩すことができれば、老後も楽しむことができるのではないかと思います。

もちろん、人によって毎月5万円も投資できない、子供の学費もあるから、あまり投資にお金を回せないなどあると思います。

そういった場合でも、今は毎月1万円でも5千円でも可能な額を投資していき、昇進して給料が上がった、子供が自立してお金がかからなくなった後などに投資額を増やして、1800万円の非課税対象枠1800万円を埋めていくのがいいと思います。

私も子供の教育費にお金がかかる関係で、あまり投資に回すことができず最初は5千円から始めました。

その後、昇給をして余裕が出てきたら1万円、1万5千円とだんだん増やしてきました。

一度初めてしまえば、余裕が出てきたタイミングで投資額を増やそうという気になります。

逆に何もしていない状態では、余裕が出てきたらその分娯楽などに使ってしまうというのが大半だと思います。

だからこそ、一番大きいゴールは非課税対象枠1800万円をなるべく早く埋めることですが、まだやっていない方はまずは少額でもいいので初めてみることが大切だと思います。

 

何に投資をすればいいのか?

いざ、NISAでつみたて投資を始めようとしたときにでる悩みが、何に投資をしたらいいのか?だと思います。

先ほども紹介したとおり、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠があります。

つみたて投資枠では主に株価指数に連動したインデックスファンドに投資をすることができます。

一方で成長投資枠では米国株を含む個別株、ETF、アクティブ型投資信託に投資することができます。

成長投資枠には、年間240万円、合計で1200万円までという上限はあるものの、新NISAはかなり幅広い選択肢から投資先を選ぶことができます。

しかし、選択肢が多すぎるあまり、どれを選べばいいのか分からなくなってしまうということもあると思います。

しかし本書では、新NISAで買うべき金融商品の正解はとても単純だと書かれています。

具体的には次のように書かれています。

・米国株価指数S&P500か、全米株式の値動きに連動した株価指数

・全世界株式の値動きを指数化した株価指数

S&P500か全世界株式の値動きに連動したインデックスファンド、または全米株式インデックスファンドに投資をするのが正解なのです。

こういったアメリカや全世界の株に丸ごと投資ができるインデックスファンドに投資をすることで、投資の王道である、長期、分散、積立を難しいことを考えずに行うことができます。

もちろん初心者だけでなく、中級者や上級者も資産の多くをこういったインデックスファンドに投資をしているのです。

では、この米国株と全世界株式のどちらに投資をすればいいのか?

よくこの2つはどちらが正解かといった論争が起こっています。

アメリカは政治、経済、軍事、技術的革新の面で世界最強だから、アメリカ株に投資をしておけば間違いないという意見もあれば、全世界株式に投資をしておけば、国を選ぶ必要がなく、アメリカが衰退したとしても、他の国が台頭してくる可能性があるため無難という意見があります。

では著者のライオン兄さんはどのように考えているのか?

本書では、どちらも正解であり、どちらがいいかは好みの問題だと書かれています。

まず全世界株式よりも米国株を選ぶ最大の理由には、過去の実績では米国株の方がリターンが大きいことが挙げられます。

米国株のリターンの方が多いのですが、ある資産運用会社が出した結果では、米国株も全世界株式もリスクに大差はありませんでした。

そして、全世界株式を選ぶ理由には、これから20年後、30年後、さらにもっと先にはアメリカではなくインドや中国が世界経済のトップに君臨している可能性があり、そうなった場合でも全世界株式に投資をしておけば恩恵を受けることができます。

他にも様々な考え方がありますが、何も考えたくないから全世界株式に投資する、過去の実績から判断してS&P500に投資するのように、どちらを選ぶかは好みの問題なのです。

ちなみに私はS&P500と全世界株式に半々で投資をしていましたが、全世界株式にも米国株が約6割入っているため、半々に投資するのは資産運用に占める米国株式比率を多少薄める、気休め程度の効果しかないと書かれています(笑)

米国株と全世界株式のインデックスファンドについては、本書でも具体的な銘柄名も含めて細かく解説されていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

 

コア・サテライト戦略で真のお金持ちを目指そう!

これまで紹介してきた通り、米国株式か全世界株式のインデックスファンドに、毎月積み立ていけば、それなりの資産を築くことができます。

この投資法であれば、しっかり働いて投資に回すお金を確保すれば、何も考えずに、ほったらかしでお金を増やすことができます。

ネット証券で自動つみたての設定をしておけば、何もしなくても毎月自動でつみたてることができます。

しかし、それだけでは真のお金持ちになることはできないと本書では書かれています。

その理由について本書では次のように書かれています。

新NISAでS&P500や全世界株式ファンドにつみたて投資を続けても、お金に対する理解や投資スキルの向上など「金融リテラシー」がそれほど上がることはない、ということです。

金融リテラシーがみについていないと、せっかくつみたて投資で大金を手に入れたとしても、変なモノに投資をしてしまったり、つみたて投資ではなく個別株にいきなり挑戦して、お金を溶かしてしまうなんてこともありまえます。

もちろん、つみたて投資は何も考えずにほったらかしで資産を増やすことができるのが最大のメリットではありますが、将来のリスクに備えて金融リテラシーを高めておくことも大切です。

そこで本書では、コア・サテライト戦略がオススメされています。

コア・サテライト戦略について、本書では次のように書かれています。

コア・サテライト戦略は、資産運用の核となるコア(木の幹)部分ではなるべくリスクを減らした安定運用を心がけ、サテライト(木の枝)部分でさまざまな金融商品に投資することで金融リテラシーを深めつつ、コア部分以上のリターンを狙うといった資産運用のやり方です。

資産運用の7割はインデックスファンドで安定運用をして、残り3割で個別株などインデックスファンドに投資をすることで、安定運用をしつつインデックス投資よりもリスクをとって、ハイリターンを狙った投資をすることができます。

また個別株や海外の高利回り債券、不動産上場投信など、様々な金融商品に投資をする中で、自分でも学ぶべきことが増えていき、金融リテラシーを深めることができます。

本書でも、インデックスファンド以外の投資についても詳しく解説されていますので、ぜひ参考にしてみて下さい!

 


ではでは。

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