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要約&書評

【要約&書評】かすり傷も痛かった

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今回は、箕輪厚介さん著の『かすり傷も痛かった』を紹介していきます。

本書は、14万部を突破した『死ぬこと以外かすり傷』の反省と振り返りが書かれた一冊です。

著者である箕輪さんは、これまで『多動力』や『メモの魔力』など多くのベストセラーを手掛けてきた編集者です。

『死ぬこと以外かすり傷』では、そんな箕輪さんの仕事術について書かれていました。

しかしその後箕輪さんは、文集砲をくらいどん底へ落ちていきます。

『かすり傷も痛かった』は、そんなどん底に落ちた箕輪さんが考えた本当の幸せについて書かれています。

もちろん『死ぬこと以外かすり傷』で書かれている仕事術は間違っていたというわけではありません。

しかし、バリバリ仕事をして圧倒的な成果を挙げることが必ずしも幸せにつながるわけではないのです。

そこで本書では、『死ぬこと以外かすり傷』は仕事論で、『かすり傷も痛かった』は人生論だと思って欲しいと書かれています。

この記事では、そんな本書の中から、奴隷の幸福、やりたいことはすぐやるな、安心安全があるから戦えるということについて紹介していきます。

かすり傷も痛かったの要約

奴隷の幸福

箕輪さんは社員を奴隷にするような会社は辞めろと言い副業を始めました。

今でもありますが、以前は副業を禁止している会社が多くありました。

しかし、会社は社員の人生を丸ごと面倒見てくれるわけではありません。

それどころか、給料が下がったり、リストラされる危険性だってあるのです。

それなのにも関わらず、副業を禁止にして、プライベートな時間まで縛るような会社は今すぐ捨ててしまえと、『死ぬこと以外かすり傷』では書かれています。

そこから、サラリーマンとして働きながらも、個人としてブランドを確立して稼ぐ人が増えました。

しかし、この流れは思うようには続きませんでした。

それは、個人としてブランドを持つようになった名物サラリーマンは会社と折り合いがつかずに辞めていってしまったからです。

確かに最近は、サラリーマンとして働きながら、それを活かして個人としても名をあげるというよりは、自分で起業をしたり、youtubeなどのプラットフォームを使って名をあげる人の方が多い印象があります。

しかし、本書ではまた会社の時代が来ると書かれています。

その理由について、本書では次のように書かれています。

 

奴隷の幸福という言葉がある

人間は何かやるべきことを上から強制されたほうが案外幸せで、何もかも自由にしていいと言われると途端に迷子になってしまうという意味だ。

人間誰しも自分のやりたいことを発見し、持ち続けられるわけではない。

『かすり傷痛かった』より

 

私は大学生の時にスーパーでバイトをしていましたが、今振り返ってみても、本当に楽な仕事だったなと思います。

言われたことをちゃんとやっていれば、働き者だと評価され、お金がもらえます。

一方で、ある会社のWebマーケティング担当の仕事をやったことが少しあったのですが、その仕事は辛かったです。

新しくサイトを作り直すから、草稿案を自由に考えてくれと言われましたが、この自由というのが本当に辛かったです。

自由にやっていいと言われると、逆にわからなくなってしまう。

自由にやろうとしても、評価する人が認めてくれなければ意味がないため、自由にやるの意味が分からなくなってしまう。

それを考えると、奴隷の幸福もあながち間違いではないなと思ってしまいます。

仕事や副業で成功を収めることは、とてもすごいことですが、それが幸せに直結するかは分かりません。

だからこそ、世間一般でいう金持ちになれなくても、そこそこの給料をもらって、プライベートな時間を自分の好きなことに当てられる生き方のほうが幸せだということもあると思います。

私自身、副業で自由にYoutubeをやっていますが、本業はなんでも自由にできる仕事というよりも、ある程度やることが決まっている仕事です。

だからこそ、自分の中でバランスが取れており、忙しいながらも楽しくやれているのだと思います。

 

やりたいことはすぐやるな

やりたいことは今すぐやれ。

これも多くのビジネス書で言われていることです。

今すぐやるというのは、仕事で成果をあげるためには、効果的な方法です。

変化が早い時代では、とにかく試行錯誤の回数を重ねることが大切であり、行動を続けることで、いつか成功に辿り着くことができます。

実際に箕輪さんも、編集者として仕事をしながら、歌手、格闘技、ラーメン屋、サウナ屋など、好奇心の赴くままに何でもやってきたそうです。

しかし、人間はというのは、やりたいけれどやれないと思っている時が一番楽しいのかもしれないということに気がついたと、本書では書かれています。

箕輪さんは、学生時代から沖縄が好きで、思い立ったら沖縄に行けるような人になりたいと思っていたそうです。

そして現在は、思い立ったら沖縄に行けるようになったが、もはや日常になってしまい、感動は無くなっているそうです。

行けたくても行けなかった時の瑞々しい欲望が今の自分に貴重なものだと思うと本書では書かれています。

私も最近ウイスキーにハマり出して、色んな銘柄を飲んでいるのですが、マッカランが飲んでみたい、ダルモアを飲んでみたい、よく考えることがあります。

実際に、アランや白州など飲みたいと思って、お小遣いを貯めてかったものもありました。

もちろん初めて飲んだ時は、こんなにも美味しいのかと感動はありましたが、いつでも飲める状態にあると、逆に飲まなくなってしまいました笑

やらずに後悔よりもやって後悔とはよく言われてます。

もちろん、やった方が幸せなこともたくさんあります。

私自身、勇気を出してyoutubeを始めたことは本当に良かったと思いますし、youtubeやりたいなと思っていた時よりも、今の方が幸せだと断言できます。

しかし、何でもかんでもやりたいことをやるよりも、やりたいなと妄想している時間を大切にすることも、人生を幸せに生きるためには必要なことなのかもしれません。

 

安心安全があるから戦える

安心安全を破壊せよが、箕輪さんの仕事のポリシーだったそうです。

与えられた仕事を段取り通りこなせば、大きな傷を負うことはありません。

ですが、それでは何も生み出すことはできません。

安心安全を捨てて、どっちに転ぶが危い状態でなんとか走り続けるからこそ、鮮やかな結果が手に入ると『死ぬこと以外かすり傷』では書かれています。

実際に箕輪さんは、カルロス・ゴーンに会いに堀江貴文さんとレバノンに行ったり、逃亡犯のガーシーに会いにいくなど、危険なこともされています。

本書でも、結果を出すためには危険地帯にいることが大事だと信じてきたと書かれています。

しかし、幻冬舎の社長である見城さんと、その家族とハワイで毎日のように食事をして、見城さんが仕事では見せない柔らかい表情をされていて考えが変わったそうです。

本書では次のように書かれています。

 

僕は面白いコンテンツを生み出したかったら安心安全な場所を持ってはいけないと半ば強制のように思っていた。

しかし人に見せないだけで戦う人はみな安心安全な場所を持っていたのだ。

安全があるから賭けに出られて、安心があるから最後のバランスを失われないでいられるのだ。

『かすり傷も痛かった』より

 

見城さんや箕輪さんのように、第一線で活躍されているような人のストレスは、普通の人では想像できないくらい尋常ではないと思います。

だからこそ、失敗しても帰って来れる場所、安心安全な場所を持っておくことが大切なのだと思います。

私も結婚をして子供と猫がいますが、帰ってくる場所、仕事から解放される場所があることは、本当に大切なことだなと思います。

結婚をしていなくても、両親や兄妹、友人など安心安全を感じられる人はいると思います。

また最近では、ネットの中で自分の居場所を作っている人もいると思います。

どんな形であれ、安心安全な場所を持つことで、ビジネスで戦うことができるのです。

 

人生において、一心不乱に頑張る時期は必要だと思います。

しかし、ずっと全力疾走で走り続けていると、どこかでもたなくなってしまいます。

最悪の場合、心がぽきっと折れてしまい、燃え尽き症候群のように無気力になってしまうこともあると思います。

本書は、そういった疲れてしまった人に役立つ一冊だと思います。

成果を出すことが全てと考えて突っ走っている中で、本当の幸せな何だと少し立ち止まって考えることで、新たな発見があったり、心が楽になったりすると思います。

そのため、頑張ることに疲弊してしまったという方や、幸せとは何かについて考えたいという方はぜひ本書読んでみてください!

 


ではでは。

 

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