今回は児玉一希さんの著の『高配当10倍株投資』を紹介していきます。
2024年のNISA改定に伴って、あらゆるところで投資の話を聞くことが多くなったと思います。
実際に書店でも新NISAについて書かれた本が多く並んでいます。
そのため、投資に興味を持ち始めた方も増えてきていると思います。
ですが、その中には新NISAで資産形成をしたいけど、どうすれば大きな利益が上げられるのかわからないという方もいると思います。
本書はそういった方に役立つ1冊です。
本書の著者である児玉さんは、2万人を超える個人投資家に投資を直接指導されてきました。
2020年には株式会社RESの代表取締役に就任し、お金と投資について学べる学校を創設されています。
本書はそんな著者によって、投資初心者が新NISAで爆益を狙う方法について紹介されています。
この記事では、その本書の中から高配当×成長株なら4倍速で資産が増える、高配当こそ高成長が狙える理由、銘柄を絞るための4ステップを紹介していきます。
高配当10倍株投資の要約
高配当×成長株なら4倍速で資産が増える!
よく投資初心者にオススメされるインデックス投資の年間平均リターンは5%だと言われています。
もしあなたが今100万円を10年間複利で運用をしたとすると162万円になります。
10年間で約1.6倍になる計算です。
ですが本書で紹介されている成長性の高い高配当株に投資をすることで、リターンを大きく増やすことできます。
例えば、年間で平均20%の値上がり益と配当利回り3.5%を得られるとします。
先ほどと同じように元本100万円で投資をして、配当金も全て再投資に回すとします。
そうすると、なんと10年後には710万円になっているのです!
10年間で資産は約7倍になっており、インデックス投資と比べて4倍以上資産が増やすことができます。
おそらく、インデックス投資や積み立てNISAの本を読んでいて、これからは投資をして資産形成をしなきゃいけないのはわかったけど、数千万円、一億円に到達するまでに何十年とかかってしまって、なかなかやる気になれなかったんだよなという方も多くいるではないでしょうか?
当然リターンが大きいということは、インデックス投資よりも損をするリスクはありますし、インデックス投資のように簡単に投資ができるわけではありません。
ですが老後になってから大金を手にするよりも、もっと早い段階で資産を築いて、早くリタイアしたいと思っている方にとっては、ぴったりな投資法だと思います。
ここまでの話を聞いて、計算上資産を4倍速で増やせるのはわかったけど、成長性が高い高配当株なんて存在するの?と疑問を持たれた方もいると思います。
続いては、高配当こそ高成長が狙える理由について紹介していきます。
高配当こそ高成長が狙える理由
著者は8年間以上、投資教育に携わり、これまで様々な投資法を研究してきた中で、高配当株の長期投資が最も再現性に優れていると実感していると本書で書かれています。
高配当株は、長年業績が安定している傾向がありますが、一方で会社としての成長が成熟しきっていて、成長性が低いとも考えられます。
ですが高配当株は10倍株のように、株価が大きく伸びないわけではありません。
長年業績が安定しているからこそ、株価は長い期間をかけてゆっくりと上昇していくのです。
日本の高配当株の中には、長期で株価が大きく伸びて10倍株になったものがたくさんあります。
本書では、その例として三菱重工業や丸紅が上げられています。
実際に丸紅は、2009年から2023年にかけて株価は10倍になっていて、配当金も大幅に増えています。
とはいえ株式投資は、当然上がったり下がったりするため、長期で投資をしているとどうしても、株価が大きく下がってしまう期間もあります。
株価が低くなっていると、どうしても投資することを躊躇ってしまうかもしれません。
ですが高配当株なら、株価が低くなるほど、配当利回りが上がります。
例えば、現在株価1万円で配当が一株あたり200円の銘柄に投資をしているとします。
株価が1万円に対して配当が200円なので、配当利回りは2%です。
もしこの銘柄の株価が半分の5000円になった場合、配当利回りは4%に上がります。
そのため、高配当株は株価が下がった時にこそ、投資をする旨みがあるのです。
さらにその会社の業績が回復して、成長した時に配当金の増額があれば、さらに配当利回りを大きくすることができ、リターンを増やすことができます。
では、そんな夢のような銘柄を見つけるためには、どうすればいいのか?
続いては、高配当で成長性のある銘柄を見極めるための方法を紹介してきます。
4ステップで銘柄を絞り込め!
本書では、次の4つのステップで高配当かつ成長性のある銘柄を炙り出すことができると書かれています。
①時価総額500億円以上
②自己資本比率40%以上
③売上高・営業利益の成長率3〜5%
④配当性向が30%以下
それぞれのステップについて詳しく紹介していきます。
まずは①時価総額500億円以上です。
時価総額とは、その会社が株式市場でどれくらいの価値を持っているか表しているものです。
時価総額は株価×発行済の株式数で求めることができます。
株価が上がるためには、大口資金の流入が大きな鍵を握ります。
ですが時価総額が10億円、100億円以下の小型株の場合、参加者が少ない上に、売買代金が低いことが一般的です。
小型株は短期的に大きく伸びる可能性を秘めていますが、長期的に成長することを狙う場合は適していないのです。
逆に時価総額が数千億、1兆円と大きすぎる場合、今後の成長はあまり見込めません。
そこで投資対象の銘柄を絞る時には、時価総額500億円以上の適度な大きさの企業を選ぶことが重要なのです。
続いて2つ目のステップが自己資本比率40%以上です。
自己資本比率とは、その企業がもつ資産のうち、どれだけが自己資本によって賄われているかを表しているものです。
自己資本比率は自己資本➗総資本×100で求めることができ、大きいほど財務的に安定しているといえます。
自己資本比率が低いということは、多くの借入に依存しており、利息負担や返済のリスクが高いということです。
一方で自己資本比率が高いと、経営上で不測の事態が起こったとしても、自己資本で対応することができ、経営が傾きにくくなります。
とはいえ、自己資本比率が高かったとしても、お金を会社に溜め込むばかりで成長しない企業は市場では評価されず、株価が上がりません。
そのため、目安として自己資本比率40%以上の銘柄を選ぶようにしましょう。
続いて3つ目のステップが売上高・営業利益の成長率3〜5%です。
売り上げと利益が成長しなければ、株価も配当も伸びづらくなってしまいます。
高配当株に長期投資をする場合は、売り上げと利益は大幅に成長している必要がありません。
ゆっくりと着実に伸びていればいいのです。
逆にいっときのブームで大きく売り上げが伸びたとしても、その後業績を伸ばし続けることができなければ、株価が下がってしまいます。
そのため、5年間、10年間の売上高の平均成長率と営業利益の平均成長率が3%以上の銘柄を選ぶようにしましょう。
では最後のステップが配当性向が30%以下です。
配当性向とは企業の最終利益のうち、どれだけを配当に回しているのかを示すものです。
そのため、配当性向が高いほど株主還元に積極的だといえます。
ということは、配当性向は高ければ高いほどいいのでは?と考える方もいるかもしれません。
ですが本書では、配当性向は30%以下が好ましいと書かれています。
そもそも配当とは、会社のお金から出ていくものです。
会社が長期的に成長するためには、会社の利益を配当ばかりに充てるのではなく、次の事業投資に当てて会社を成長させることが大切です。
会社を成長させることができれば、株価も上がり、最終的なリターンも大きく伸ばすことができます。
さらに今の配当性向が低いということは、増配する余地が高いことを意味しています。
そこで著者が高配当株で成長性がある銘柄を選ぶ時には、日本企業の平均である30%を下回り、かつ継続していることを重視されています。
以上、ここまで高配当株で成長性がある銘柄を選ぶための4つのステップを紹介してきました。
この4つのステップは銘柄を絞る際の基本的な項目になります。
本書では、さらに考慮した方がいいことも解説されていますので、高配当株への長期投資に興味がある方はぜひ参考にしてみてください!
本書ではこの記事では紹介しきれていない、高配当株への長期投資をする上で知っておくべき知識がまだまだ紹介されています。
特に初心者が陥りやすいミスや買いのタイミングは、実際に投資をするときに役に立つ情報だと思います。
そのため、インデックス投資よりも短い期間で資産を大きく増やしたい、早くリタイアしたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。