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【要約&書評】エブリシング・バブル終わりと始まり:地政学とマネーの未来2024-2025

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今回は、エミン・ユルマズさん著の『エブリシング・バブル終わりと始まり』を紹介していきます。

今後日本は復活して、黄金時代を迎える!と言われたら、皆さんはどう感じるでしょうか?

中には、そんな馬鹿な、日本はオワコンだよ、、、と思われる方も多くいるかもしれません。

しかし、実は今日本には、世界からお金が集まっており、長期的には黄金時代をむかえる可能性があるのです!

本書では、エコノミスト、グローバルストラテジストとしてご活躍されている著者によって、今後日本と世界に起こることと、日本が黄金時代をむかえる理由について書かれています。

この記事では、その本書の中から、今世界から日本へお金が集まる理由、人口減少とAIが日本へ与える影響、日本株のリスクの3つについて紹介していきます!

エブリシング・バブル終わりと始まりの要約

 

今世界から日本へお金が集まっている

今世界では、アメリカと中国の対立、米中新冷戦が繰り広げられています。

本書では、この米中新冷戦について、がっつりと解説されておりますが、我々日本人が思っているよりも、アメリカと中国間の関係は悪いものになっています。

さらに、新型コロナウイルスのパンデミックにより、中国と欧米諸国の関係がより悪化して、中国からグローバル資本だけでなく、サプライチェーンが逃げ出しています。

では、中国から逃げ出した資本やサプライチェーンはどこにいっているのか?

その答えは、日本です。

ある程度のインフラと人材がそろい、製造業が盛んにおこなわれている国は、なかなかなく、それゆえにグローバル資本が中国から日本へ流れていっているのです。

実際に日本への直接投資(FDI)は、対GDP比1.1%で、2022年には中国を超えています。

台湾の半導体受託製造メーカーのTSMCが熊本に工場を作ったことで話題にもなりました。

これは今後懸念される、中国が台湾を侵攻する台湾有事に備えた疎開ともいえます。

もし台湾有事が起これば、生産がストップするリスクがあります。

そのため、半導体特許を握るアメリカ政府が生産を日本に戻そうとしているのです。

他にも、シンガポールの不動産投資ファンドが新潟・妙高高原のスキーリゾートに2000億円越えの直接投資をすると報じられています。

このように、今海外から日本へお金が集まっているのです。

そして、海外の色んな企業が日本へ事業投資をするようになると、地元では雇用が生まれます。

そうすると、そこに人が集まるようになり、経済が活発化されます。

そうして、地方の経済が活発化されることにより、今日本が抱えている問題が解決されていくのです。

このように、米中新冷戦という地政学的な問題が、日本に追い風となっているのです。

そして、これから日本は復活して、2050年ころまでに黄金時代を迎えるのです。

著者は本書の中で、長期的には日経平均株価が30万円になると予想されています。

2024年の2月に日経平均株価が史上最高値である3万8915円を更新したことをふまえると、日経平均株価が30万円になるなんて、あまり考えられないかもしれません。

しかし、これから起こるインフレと、日本株市場へ多くのお金が流れることを踏まえると、長期的に30万円を達成することは、決して夢物語ではないのです。

これまで日本人は、失われた30年の間に、他国と比べて、高い貯蓄率を維持してきました。

そのため、日本人は貯蓄思考が強いから、投資には向いていないと言われていますが、デフレはモノの価値が下がり、お金の価値が上がるため、貯蓄は合理的な選択だったのです。

しかし、これからは日本もインフレの時代に突入します。

そして、インフレによって現金を銀行に預けるだけでは、資産が目減りすることに、多くの日本人が気づくようになれば、投資をするか消費をするかの2択のうちいずれかを選択するようになります。

実際に日本銀行が行った統計によると、日本人の家計部門が保有している金融資産の合計は2141兆円あります。

そのうち、株式の占める割合は12.9%で、金額にすると276兆円になります。

もし、株式の占める割合が20%になれば、152兆円もの資金が株式市場に流れることになります。

加えて、外国から日本へお金が流れてきていることを踏まえると、日経平均株価は今よりも上昇することが見込めるのです。

そのため、これからは日本株に投資をすることで資産を大きく増やすことができるかもしれません。

 

人口減少とAIが日本に与える影響とは?

日本は少子化だから、今後人口が増えない、

だから日本の経済は良くならない

このように、日本には人口減少を悲観的に捉える考えが多いと思います。

確かに少子化が長らく続くと、徐々に15歳〜64歳の生産年齢人口が減り、働き手が少なくなったり、個人消費が落ち込むことで、経済が成長しなくなる可能性があります。

しかし、本書ではこれからの時代は人口減少がむしろメリットになると書かれています。

その理由は、AIによって進む自動化です。

今後、AIの発展により、多くの仕事が人からAIにとって変わられることが予想されます。

今は人手不足だと言われており、多くの仕事がありますが、今後は人間が担う仕事は少なくなっていきます。

そうなると、仕事につけない人も増えてきてしまう可能性があります。

しかし、AIが人間の仕事を担うようになる頃には、日本の人口減少もだいぶ進んでいることが考えられます。

そうなれば、人の仕事は減ったとしても、そもそも生産年齢人口が減っていることから、仕事の量と人口のバランスをうまく取ることができる可能性があるのです。

逆にインドや中国など、人口が多い国は、これからくるAI時代は苦しくなるかもしれません。

人口が多いということは、それだけ働き手も多いということですが、AIによって人が担う仕事が減ってしまうと、仕事につけない人が大量に出てきてしまいます。

仕事につけない人が出てきてしまうと、国はベーシックインカムを導入するなどして対応をしなくてはいけなくなってしまいますが、人口が多いほど支出が増えていってしまいます。

ですが、日本のように人口が減少していれば、ベーシックインカムを導入する必要があったとしても、それほど支出は大きくなりません。

また、よく日本人は他国と比べて生産性が低いと言われますが、AIを積極的に導入することで、日本企業や日本経済全体の生産性が、著しく向上します。

そのため、人口減少とAIによる自動化が、今後日本経済に大きなメリットをもたらしてくれる可能性があるのです。

 

 

日本株のリスクとは?

著者は、今後日本には多くのお金が流入して、日経平均株価は50万円になると予想されています。

しかし、日本株にもリスクはあります。

そこで本書では、日本株投資のリスクを3つ挙げています。

まず一つ目が景気低迷です。

日本の景気減速の一番の要因は、内需の弱さです。

実際に2023年の内需は、前年比1%減で、住宅需要は前年比4.6%の落ち込みでした。

特に住宅は、一軒建てると、建材、建機、家電、家具など、幅広い分野に恩恵があります。

その住宅需要が落ち込んでしまっているというのは、日本の経済にとってあまりよくない傾向なのです。

さらに、日本は内需が弱いですが、それを補うほど外需が潤っているわけではありません。

日本というと、輸出が強いイメージがあるかもしれませんが、実際には輸出依存度は15%と、あまり高くありません。

そのため、日本の経済は外需よりも内需に頼っている構造になっており、その肝心な内需が弱い状態が続けば、日本株が下落する可能性があります。

続いて2つ目のリスクが特定銘柄への集中です。

2024年2月22日に日経平均株価が最高値を更新したことで話題になりましたが、日本株の上昇を見てみると、買われている銘柄が一部に上昇しているのです。

実際に、2024年から同年3月8日までTOPIXの上昇率は14.5%ですが、中型指数と小型指数のパフォーマンスは5〜6%になっています。

一方で、時価総額と流動性が特に高い大手30社の上昇率は20.5%にもなります。

このことから、日本の株価の上昇が一部の銘柄に集中していることがわかります。

そのため、市場にお金があまり流れない時に、その中の銘柄に何かあると、相場が一気に崩れてしまう可能性があるのです。

最後に3つ目のリスクが中国株の動向です。

今グローバルな投資資金の流れは、日本買い、中国売りです。

中国株から逃げている資金が日本株に流れてきているのです。

著者は、アメリカと中国の新冷戦が激化している中で、中国株の上昇は続かないと予想されていますが、短期的には売られ過ぎている中国株が買われて、代わりに日本株が売られる可能性はあります。

そのため、短期的には日本株が下落してしまうリスクもあるのです。

以上が、本書で書かれている日本株投資のリスクです。

当然日本株投資にもリスクはありますが、本書で書かれているように、今後の日本は地政学的にも有利なポジションにいます。

そのため、今回紹介したようなリスクを踏まえたうえで、日本株ヘの投資を検討するのもいいかもしれません。

 

本書では、この記事では紹介しきれていない、これから日本と世界で起こることがまだまだ紹介されています。

そのため、これから日本が黄金時代を迎える理由を知りたいという方や、日本株ヘの投資に興味を持っているという方は、ぜひ本書を読んでみて下さい!

 

エブリシング・バブル終わりと始まり』はこちらから!

 

ではでは。

 

 

 

 

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