部下がついてこない
リーダーなのに頼りにならないと思われている
このような悩みは経験はないでしょうか?
実は私も、転職して1ヵ月目である業務の責任者になり、チームをマネジメントすることに苦戦しています(笑)
人を動かすことって、とても大変ですよね。
例えリーダーの立場を与えられたとしても、自分の期待通りに周りを動かすことは簡単ではありません。
私のような悩みを抱えている方は、他にも多くいらっしゃると思います。
そこで今回紹介する、『スタンフォードの権力のレッスン』が、これからのリーダーに必要なことを教えてくれます!
本書は、全米第一位のビジネススクールである、スタンフォード大学GSBで超人気講義の講師である、デボラ・グルーンフェルド氏の25年間の権力に関する研究の結果が詰まった1冊となっています!
youtubeでは、アニメーションを使った要約動画を挙げています!
よろしければ、こちらもご覧ください!!
スタンフォードの権力のレッスンの要約
権力の正体とは?
皆さんは、権力に対して、どのようなイメージがあるでしょうか?
権力は偉い人だけが持っている、または人を支配するために使われるといったイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には逆なんです!
権力は、特定の人だけが持っているわけではなく、全員が持っているものです。
また、権力は相手を支配するだけでなく、つながりを生みます。
権力の定義について、本書では次のように書かれています。
権力とは、他者とその行動をコントロールする能力と定義することができる。
だとすれば、あなたの権力は、他者があなたを必要としている程度で決まる。
とりわけ、あなたが与える報酬をどれほど必要としているか、あなたが下すバツを回避する必要がどれほど大きいかで決まる。
『スタンフォードの権力のレッスン』より
そのため権力は、人によってあるかないかではなく、場面によって変わります。
いくら、大企業の社長や幹部であったとしても、会社では権力があるかもしれませんが、家では奥さんや娘に対して権力が無いということもあります(笑)
このように権力は状況によって変化するものであり、全員が何かしらの文脈の中で権力を持っています。
先ほどの例を使えば、会社では権力を持っていても、家庭で権力を持っているのは、奥さんや娘ということになります。
また、権力は力のあるものが、力のない者を支配するいために使われるものではありません。
むしろ、相手に敬意を示したり、服従することさえも権力の源になると、本書では書かれています。
相手に敬意を示すことで、相手を脅すために権力を使うことはないことを伝えることが出来ます。
その結果、相手と良好な関係を築くことができ、自分の期待通りに相手を動かすことが出来るようになります。
そのため、権力を使って相手を脅すようなことをしなくても、相手の行動をコントロールすることが出来ます。
権力というと、偉そうなイメージがあるため、相手に敬意を表したり服従することが、権力につながるとはイメージしづらいですよね。
しかし、自分の力に自信が無い人ほど、相手に敬意を表すことができず、反対に自分の力を誇示して、威圧的な行動や脅迫をしてしまいます。
その結果、パワハラや不正行為といったことが起こってしまうわけです。
権力は、正しく使えば、相手やチームを正しい方向に導くことが出来ますが、間違った使い方をしてしまうと、悲惨な結果を招きます。
では、次は権力の正しい使い方について、本書をもとに紹介していきます!
2つの権力を使いこなせ!
本書では、権力は2つの方向から考えることが出来ると書かれています。
まず、権力とは自分の目的のために他人をコントロールする能力のことだ。
もう一つは、権力とはだれかの人生にポジティブな変化をもたらす能力のことでもある。
『スタンフォードの権力のレッスン』より
本書では、1つ目の能力をパワーアップ、2つめの能力をパワーダウンと表現しています。
説明だけ読むと、1つ目よりも2つ目の方が良い能力のように思えますが、決してどちらが良いというわけではありません。
場面によって使い分ける必要があると本書では書かれています。
この2つの権力の目的について、本書では次のように書かれています。
パワーアップが権威を示す方法だとすれば、パワーダウンは近づきやすさを示す方法だ。
パワーアップが相手と戦う意思の表明だとすれば、パワーダウンはチームとして戦う意思の表明だ。
『スタンフォードの権力のレッスン』より
チームが危機的な状況にあり、強いリーダーシップが必要な時は、パワーアップを使った権力が求められます。
また、誰かが上の立場に立ってコントロールをすることで、周りは、物事が良くない方向に進んだときに、その人が軌道修正してくれると安心することができ、目の前の仕事に集中できるようになります。
パワーアップには、自分を相手より高めるか相手を自分より引き下げることで行うことが出来ます。
具体的な方法について、本書では次のように書かれています。
実生活において、自分を高める方法には、たとえば有力者と親しい関係があるかのように話したり、専門知識を持ち出したり、自分が格上であることをひけらかすような行為がある。
相手を引き下げる方法には、批判する、裁く、反対する、あざける、無視するといった行為がある。
『スタンフォードの権力のレッスン』より
一方でパワーダウンは、特に相手との信頼関係を築いていく段階で効果的です。
パワーダウンは、パワーアップと比べて弱い権力の使い方のイメージがあるかと思いますが、決してコントロールを放棄するということではありません。
自分には相手のことを考える力があり、相手にも同じように行動することを期待していると伝える方法です。
パワーダウンは、自分が相手の下に立つか、相手を自分の上に立たせるかで行うことが出来ます。
具体的な方法について、本書では次のように書かれています。
前者(自分が相手の下に立つ)には、例えば謝る、自分を笑いの種にする、目立たないように身を隠す、相手に決定権を譲る。自分はステータスや注目に値しないという気持ちを示す行動を取るといった方法がある。
後者(相手を自分の上に立たせる)には、敬意と尊敬を示す、話に耳を傾ける、同意する、相手のニーズを予想して動く、明示的であれ暗黙のうちにであれ、相手の課題達成を助けるといった方法がある。
『スタンフォードの権力のレッスン』より
パワーダウンは、相手やチームの関係を良好に保つために効果的な方法ですが、常にパワーダウンだけを使うのは逆効果であることが分かっています。
2003年の『ハーバード・ビジネスレビュー』では、部下に好かれているかどうか気にしすぎているマネージャーは、職場に混乱と無秩序をもたらし嫌われると報告しています。
このような上司は、扱いづらい部下の機嫌を取るために、ルールをコロコロ変えたり、えいこひいきしたりなど、他の人にとって悪影響となる行動を取ってしまいます。
時には、パワーアップを使って、相手や場をコントロールすることも大切です。
演じろ!
権力の使い方は分かっても、いざ実践するのは難しいですよね?
私は引っ込み思案な性格で、威圧的な態度をとることが出来ません。
その結果、社長からはリーダーシップの無さや、曖昧さを注意され、怒られる日々を送っています(笑)
中には、これまでパワーアップばかりを使ってきたため、いきなりパワーダウンを実行することが出来ないという方もいらっしゃると思います。
どちらのパターンであれ、これを解決するためには、”演じる”ことが効果的です!
本書の著者は、権力の授業で演技のメソッドを取り入れたことで話題になりました。
とはいえ、本書で書かれている演技とは、自分には能力がないのに、あるふりをするといったものではありません。
ふりをするのではなく、あなたが置かれている舞台の現実を受け入れるということです!
場面によって、役割が変わります。
会社にいるときと家にいる時で役割が全く一緒ということはないと思います。
それぞれの場面において、自分の役割を果たす必要があります。
そこで大切なのが、プロットから外れないことです!
プロットとは、物語の筋書きという意味がありますが、その筋書きから外れないようにすることが大切です。
プレゼン前の上司に対して、「このプレゼンで失敗したらクビだぞ」というのは、間違ったアプローチです。
これは極端な例ですが、自分が置かれている舞台を受け入れて、自分の役割を果たすために演じる必要があります。
スタンフォードの権力のレッスンを読んだ感想
本書を読んで、人を動かすためには、パワーダウンの権力も大切だということに驚きました。
私の職場での行動を振り返ると、パワーダウンの行動が多かったなと思います。
しかし、パワーアップの行動がほとんどないために、頼りがいが全くない印象を与えてしまったり、遠回りな表現が多く、具体的な指示が出せていなかったのかなと思います。
いきなりパワーアップを実践するのは、難しいと思いますが、演じることを意識して取り入れていきたいと思います!
これまで人を動かすことに苦手意識がある方や、チームからの信頼を得ることができず、部下がついてこないという悩みがある方は、ぜひ『スタンフォードの権力のレッスン』を読んでみて下さい!
ではでは。