今回は、伊藤 穰一さん著の『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』を紹介していきます。
おそらく、AIに詳しくないという方でも、Chat GPTという単語を聞いたことがあると思います。
Chat GPTの他にも、グーグルのBardなど、様々なAIが急速に普及してきています。
実際に、Chat GPTはリリースから2か月で月間のアクティブユーザー数が一億人を突破したと話題になっています。
これまでは、「これからAIが人間の仕事を奪う」と言われても、あまり身近に感じない存在だったものでしたが、最近のAIブームにより、AIはより一層身近なものになりつつあります。
AIが進化することで私たちの生活は便利になりますが、一方で「本格的にAIに仕事が奪われてしまうのでは?」「これから何をすればいいんだ?」と不安も出てくると思います。
そこで本書を読むことで、AIの進化によって変わる時代の変化に適応する方法を学ぶことができます。
この記事では、本書の中からAIによって私たちの仕事がどのように変わるのかについて、またまず我々が何をするべきなのかについて紹介していきます!
AI Drivenの要約
AIによって私たちの仕事は奪われるのか?
本書ではAIテクノロジーの進化は別のフェーズに入っていると書かれています。
現在、急速に広がっているAIは、ジェネレーティブAIと呼ばれています。
ジェネレーティブAIとは何なのか?
本書では、次のように書かれています。
「ジェネレーティブ」とは「生成力がある」という意味です。つまり人間からのオーダーを受けて「テキスト」を生成する。「画像」を生成する。
「動画」を生成する。それが、今まさに人間の仕事から生活にかかわるあらゆる領域において、ゲームチェンジャーとなりつつある「ジェネレーティブAI」の機能です。
ジェネレーティブAIは、私たちのオーダーを受けると、学習済の膨大なデータから、我々が求めていそうなものを提案してくれるのです。
ジェネレーティブAIが返してくれる返答は、正解の選択肢を示すものではなく、提案なので、もしちょっと思っていたのと違うなと感じたら、追加の質問を投げることで、提案を調整してくれます。
このように、現在急速に広がっているジェネレーティブAIを使うことで、あたかも人間と話し合っているような感覚になります。
では、このジェネレーティブAIは、私たちの仕事を奪ってしまうのでしょうか?
本書では、ジェネレーティブAIが脅威になるかは私たち次第だが、「AIを使いこなす人」にとっては、「優秀なアシスタント」や「心強いパートナー」になると書かれています。
理由は、ジェネレーティブAIを使うことで、資料作りや情報収集、文章や企画のたたき台を作るといった、時間と労力がかかることを私たちの代わりにやってくれるからです。
本書にも、活用例がいくつか書かれていますが、会議のアジェンダを設定する、契約書を作る、プログラムの下書きをつくる、翻訳をするといった仕事は、ジェネレーティブAIがやってくれるようになります。
これまで我々にとってめんどくさい仕事を引き受けてくれる上に、我々よりも莫大なデータを活用して仕事をしてくれるのです。
そのため、ジェネレーティブAIがやってくれることがメインの仕事は、今後とってかわられる可能性がありますが、使い方によっては、めんどくさい作業はAIにやらせて、Aiにはできないクリエイティブな部分に集中するといったように、ジェネレーティブAIを最高の相棒として使うことも出来るわけです。
では、ジェネレーティブAIの登場により、我々の仕事はどのように変わっていくのか?
続いては、これからの私たちの働き方について、本書から紹介していきます!
私たちの働き方はどうなるのか?
本書では、今後我々の仕事はDJ的なものになると書かれています。
DJとは、基本的に自分では音楽を作らず、いろんな音楽の断片を寄せ集め、機材でエフェクトを×などして、1つの音楽を構成していきます。
そのため、DJはゼロから生み出すというよりも、かけ合わせたり、練り上げることで、クリエイティビティを発揮していきます。
では、私たちの仕事がDJ的になるとは、どういうことなのか?
まず、先ほども紹介した通り、会議のアジェンダを作成したり、文書や企画のたたき台は、ジェネレーティブAIが作ってくれるようになります。
そのため、今後はジェネレーティブAIが、ゼロから生み出す作業をしてくれます。
私たちの仕事は、そこからかけ合わせたり、ブラッシュアップしていき、最終的により良いものを作り上げることになります。
AIが出してくれる提案は、あくまでも過去の莫大なデータから生み出されたものです。
そのため、そこから価値を生むためには、我々人間ならではの、ひねりを加える必要があります。
例えば、お客様に営業メールを書く場合には、たたき台をAIに作ってもらい、後は個々のお客様と接してきているからこそ分かる、あなたの経験をもとに、文章をカスタマイズしていくといったことが考得られると思います。
大まかな文章はAIが作ってくれるので、あなたは個々のお客様に合わせてカスタマイズする作業に集中することができます。
また、何かについて記事を書く際にも、まずはAIに下書きを作ってもらい、そこに実体験など、あなたにしか伝えられない情報を載せることで、簡単に魅力的な記事を作成することができると思います。
これまででしたら、記事の目次から内容まで、全て自分で考えなければいけなかったのが、ジェネレーティブAIを活用することで、あなたの価値を加えることに集中することができるのです。
その結果、私たちの作業量は格段に減りますし、クリエイティブな作業により時間と労力を割くことが出来るようになります。
今私たちは何から始めればいいのか?
ジェネレーティブAIがどんどん普及していく中で、私たちは、何を身に着けていくべきなのか?
まず初めの第一歩は、ジェネレーティブAIを使ってみて、仲良くなることです!
実際に使ってみることで、どういった指示を出せば、どんな答えが返ってくるのかといったことを体験していきましょう。
ジェネレーティブAIは、私たたちの質問や指示に対して提案を出してくれるものです。
そのため、欲しい解答を引き出されるかは、私たちの指示次第です。
上司の指示の出し方が悪ければ、部下のパフォーマンスも悪くなるように、指示の出し方が悪ければ、思ったような解答を引き出すことができません。
そこで、最近ではジェネレーティブAIに作業をさせる際の指示文句を作るプロンプトエンジニアという職業が生まれています。
プロンプトエンジニアは、自分が書いたプロンプトを販売しています。
また中には、ブログ記事などで自分が発見したプロンプトを無料で共有してくれている人もいます。
そういった情報源を使い、ジェネレーティブAIの使い方を身につけていくことで、これからの時代についていけるようになります。
また、AIへの指示の出し方に加えて、AIの嘘を見抜く力も必要になります。
ジェネレーティブAIが出す解答には、時として嘘もあります。
それは、ジェネレーティブAIがネット上にある嘘やデマも含めて学習してしまうからです。
さらに、そういった嘘の情報も、AIは断定的に解答するため、間違っている可能性が感じられません。
そのため、ジェネレーティブAIが出した解答は、私たち自身でも検証をして、正しいかを判断しなくてはいけません。
例えば、別のジェネレーティブAIにも質問をしてみる、本や文献にあたってみるなどの方法をとることができます。
検証をすることは時間と労力がかかりますが、ゼロから情報収集するよりは、ジェネレーティブAIに情報収集をしてもらった方が、はるかに速くて楽です。
そのため、AIを効果的に活用するためにも、まずは自分自身で使ってみて、AIと仲良くなるところから始めていきましょう!